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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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iotuは、特別に優しい声で最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「君の全部を忘れたいんだ」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。

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僕は、特別に優しい声で最後の噓をついた。それは本音と真逆の嘘だった。
「君の全部を忘れたいんだ」と僕が言った。
そんなことを言っても、こんなに鮮やかな人を忘れることなんてできないのに。
それでも僕はもう、覚悟を決めたんだ。だから君は優しい嘘の中で揺蕩っていてほしい。
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今は思い出の中の少女が、たまに記憶の底から、胸の底から浮かび上がってくる。
そんな時は決まって陰鬱な雨の日だった。あまり良い思い出ではない。
最後に少女と会ったのは病院だった。また遊びに行こうと指切りをした。力強く、指と指を絡める。
その約束が叶うことはなかった。
寒さに耐えかねて、庭先で落ち葉焚きをしているところに入れてもらった。
「焼き芋しているから、食べていきなさい」と炎の管理をしていた老婦人が言った。
「いえ、それは申し訳ない」というと「あら残念」と老婦人は微笑む。手元を見る。
誕生日に贈られた時計が時刻を知らせる。
あなたとふれあうと静電気が起こる。痛そうにするあなたと謝る私。他の人とは起こらない現象だった。
まるで運命を知らせるみたいね。と私はこっそりと思っていた。
「もうすぐ春になるみたいだから、多分、大丈夫」と私は言い訳をした。
「ちょっと寂しくなるな」とあなたは言った。
「幽霊なんていないわよ」と勝気な少女は言った。「だろうな」とやる気のない少年が答えた。
「あんたね!少しは緊張感を持ちなさいよ!」
「肝試しをしてさらに寒くなってどうするんだ?」と少年は呟く。
少女は堂々と、両手のひらを触れ合わせる。「これならどう」熱が分けられた。
「こんな言葉、嘘でもいえないよ」くじ引き箱から、くじを引いた少女が言った。
「どれどれ」と男性が覗きこもうとすると、少女は紙切れを背中に隠す。
そうすると好奇心が湧くもので、是非とも紙切れに書かれた言葉を見てみたくなる。
観衆はそのやり取りが面白いのか、喝采を放つ。
後味の悪い映画だったな、と青年は振り返る。
それも少女も一緒のようで、いつもだったら感想をはしゃぐようにしゃべるのに俯いていた。
嵐の中で難破した船。そこから逃げ惑う群衆たち。
歴史を基にした恋愛映画と聞いていたから観に来たけれども。金を落とすにはもったいなかった。
iotuは、冷静であるよう心がけつつ最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
だってもう、仕方がないだろう?

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僕は、冷静であるよう心がけつつ最後の噓をついた。それは切望のような嘘だった。
あくまで冷酷に、あくまで冷たく。「これ以上関わらないでくれ」と僕は嘘をついた。
「どうしてそんな悲しいことを言うの?」君は涙目で見つめる。だってもう、仕方がないだろう?
切なさだけが増す。
何でも屋に依頼がやってきた。
身なりがよろしい青年が俯きながら「パーティーで恋人のふりをしてほしいんです」と言った。
随分とお優しい依頼だった。場末の何でも屋に頼るようなものではなかった。それでも依頼は依頼だ。
傍らにいた女が微笑んで「どんな私がお好みで?」と訊く。
片づけていたら、録画されたビデオテープが出てきた。今でも見られるのだろうか。
一緒に見つかったビデオデッキに差し入れる。そこには子ども時代の自分がいた。
犬が怖くて、逃げ惑う姿が録画がされていた。それに君は嘲笑する。
その恥ずかしさに、一生忘れないと心の中で誓った。
無造作に伸ばした髪が邪魔になってきた。「ヘアゴム、貸してくれないか?」と青年は少女に言った。
「結んでさしあげましょうか?」と少女は微笑んだ。
「俺の髪は癖っ毛だから」と断ろうとすると、少女はブラシを取り上げる。
丁寧の梳かれて、結ばれた髪はいつもよりもマシだった。
もう一度、少女が振り返ったら、抱き止めるつもりだった。
けれども雨の中、まっすぐと進む少女は振り返らなかった。そういえば寂しいとは言わない少女だった。
強がりだったのかもしれないが、その姿は凛としていた。未練があったのは、こちらの方だったのだろう。
願いは叶わない。
iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それは相手の笑顔のための嘘でした。
「幸せなんて、どこにもないんだ」、と。
だってもう、仕方がないだろう?

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僕は、無理に笑顔を作って最後の噓をついた。それは相手の笑顔のための嘘だった。
「幸せなんて、どこにもないんだ」と僕は嘘をついた。君が過度の喜びを感じないよう釘を刺す。
だってもう、仕方がないだろう?僕と君が二人そろって幸せになるなんて、夢みたいなことがあるなんて。
少女は目を逸らしつつ、青年の両手のひらを指先でなぞる。何度でも、何度でも、くりかえすように。
まるで子どもがシャボン玉を追いかけるように。くりかえし、くりかえし、青年の輪郭をなぞる。
忘れないように、忘れ去られないように。それが少女との最後の記憶になってしまった。
風呂上がりに食べるアイスは格別だ。冷凍庫から一つ、取り出す。
食べながら、居間に戻ると、こっくりこっくりと舟をこぐ小柄な人影。こちらには全く気づかない。
このまま寝室まで運んだ方がいいのだろうか。疲労がたまっているのだろう。ふれた瞬間、目が開く。
寝ぼけ眼で笑った。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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