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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
「他に好きな子ができたんだ」ありきたりな別れ話。
「君のことが嫌いになったわけじゃないけど」言い訳を並べられる。
「こんな気持ちのまま付き合っていくのは無理だよ」決定打を告げられる。
泣くくらいだったら、笑ってやる。
「その人とお幸せに」物わかりの良い言葉がするりと滑り落ちた。
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どれほど少女のことを愛しているのか、わかってほしかった。
少年の瞳は一瞬ごとに表情を変える少女のことを追いかけていた。
まるで太陽を追いかける向日葵のように。
少年の瞳は忠実だった。
生命が尽きる瞬間までそうしていられれば、どれだけ幸せだろう。
やがてくる別離に少年の胸は痛んだ。
雲が散り散りになって空を演出していた。
まるでお手本のような青空に疼く。
スマホのカメラ機能でも充分、撮れるのだが、完璧に残しておきたかった。
来た電車に飛び乗り、自宅へと急ぐ。
そうしている間に、雲を形は変えていく。
自宅からデジカメを取ってきた時には少し早い夕暮れだった。
二人でよく来た海辺。
今は一人で訪れる。
海に沈めたあの日の思いは、いまだに胸の中であがく。
水面に浮かび上がっては、海へやってきた。
沈んだことを確認するために。
もう二度と、口にすることはないだろう。
そうは思っていても、何かの拍子に思い出す。
それほどまでに深い思いだった。
「どっちが本命だったんだ?」間抜けにもほどがある。
恋人にはすでに好きな人がいたのだ。
それに気がつけなかった。
「違う!」恋人は反射的に言う。
「幼なじみだよ。小さい頃から知っているから、家族みたいなもので」恋人は言い訳をする。
恋人よりも幼馴染の方を大切にしたのだから同じだ。
永遠に寄り添う約束を交わすために贈り物をした。
プラチナ製のリングの内側には互いのイニシャルとダイヤモンドがはめこまれていた。
それが幸せの絶頂期だったのだろうか。
裏切りは早い段階で起きた。
結婚してみたかっただけなのだろう。
その願いが叶ってしまえばあっけない。
許さないと思う
昼下がり。
満腹になったせいだろうか。
青年はソファの上で午睡をしていた。
少女にいたずら心が芽生えるのも、当然の帰結だろう。
青年にかまってもらえる休日が来たのに遊んでもらえないのだから。
少女は目を逸らしつつ、指に爪を立てる。
健やかな寝息は途切れることはなかった。
力をこめる。
恋に堕ちた。
一夜限りのものだろうから恋情は灼熱のように燃え上がった。
仮面舞踏会でラストダンスを踊った青年は、よく知った香りを纏っていた。
マスクをしたままもつれるように寝台にもぐりこんだ。
マスクの下は見せないのが仮面舞踏会のお約束。
ただの男女になって恋を味わう。
君が彼女を好きだったように僕も彼女が好きだった。
けれども小心者の僕は告げることができなかった。
君は彼女に選ばれて恋人同士になった。
その姿を見て胸の奥に汚い感情が淀むのが分かった。
早く結婚してくれれば良いのに。
そうしたら彼女のことを諦めることができる。
終りまで他人任せだ。
君は虹色の未来を追いかけるのに夢中だった。
君なら叶えることができるだろう。
そう分かっていたから、僕はいつでも俯いていた。
君と一緒に、夢を見ることはできない。
夢は君だけのものだ。
君の夢が叶わなければ、僕と一緒にいられることができるのでは。
そんな浅ましいことを考えてしまう。
一人で夕暮れの十字路に立ってはいけない。
夕方は逢魔が時。
顔を隠した魑魅魍魎が通り過ぎる。
そう言い含まれていたのに立ち止まってしまった。
それはやってきた。
美しい姿を見て驚く。
僕を見て美の女神の化身だと告げる。
人の身だから不自由であると。
どうすればいいのか分からなかった。
人生初のデート。
それも大好きな子とのデートだ。
印象を良くしたいと思う。
そして、次につなげたい。
そうはいっても慣れないことの連続だ。
一緒に歩くだけでも緊張する。
こういう場合、手ぐらい繋ぐよな。
そう思うがタイミングがつかめない。
それでも目を逸らしつつ、指を触れ合わせる。
君は本当に優しい。
取り繕うためではなく、偽善のためではなく。
誰にでも優しかった。
冷たい態度を取られようと、キツイ言葉を投げつけられようと。
君は親切をやめようとしなかった。
誰からも見向きもされない僕にまで優しくしてくれた。
そんな君を傷つけた。
僕を許す君がいけない。
君は笑う
ストレスに次ぐストレス。
溜息をついても終わらない仕事。
帰りは日付が変わる前に帰ってこれたら早い方だ。
とうとう煙草に手が伸びた。
一呼吸して、煙を吐き出す。
このところ吸わなかったから「禁煙できるかも」と思っていたが無理そうだった。
募る苛々で手を出してしまったことに後悔する。
廊下に点々と残る足跡。
どれも水分を含んでいた。
それは居間まで続いていた。
濡れた髪のまま、足跡の持ち主はテレビを見ていた。
「テレビを見る前にやることがあるだろう?」面倒見の良い少年が言った。
「面白い番組がやっているよ」と微笑む。
とりあえず肩にかけていたバスタオルで髪を拭く
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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