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「 140文字の物語 」
貴方の背中ばかりを追いかけていた。
貴方は未来そのもので、希望だった。
だから、隣に立つことも、正面から見つめ合うこともなかった。
眩しいぐらいの貴方の影を踏むこともできなかった。
だからか、貴方の後ろ姿しか思い出せない。
たくさんの季節を一緒に過ごしたというのに。
想い出は一つ。
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海に泳ぐ魚のように。
空を飛ぶ鳥のように。
君という名の心の中でたゆたっている。
それを知って、どれほど幸せだったか。
君は知っているだろうか。
君の柔らかな場所で、自分がいる。
泣きたくなるような切なさと喜びで、胸がいっぱいになる。
これまでも、これからも、君の優しさの中にいたい。
君は図書室で本を読んでいた。
昼休みのありきたりな光景だ。
でも、僕にとっては大切な時間だった。
君は僕に気がついて「おはよう」と挨拶する。
僕も「おはよう」と返した。
「本が好きなんだね」君が微笑む。
本よりも君が好きなんだ、と今日も言えずに僕は「隣の席に座ってもいい?」と言う。
天邪鬼だから、つい反対のことを言ってしまう。
それなのに君は気にしないで、付き合ってくれる。
面と向かっては言えないけれども感謝している。
「今日は思っていることの反対を言ってみようか」君は柔らかに微笑む。
この提案なら素直な気持ちを伝えられるような気がした。
君は頭がいいと思う
「ただいま」鍵を開ける音で目を覚ました。
時間を見ると深夜を少し回ったところだった。
どうやら待っている内に眠ってしまったようだ。
立ち上がり「お帰りなさい」玄関まで向かう。
夫の表情は暗い。
「ねぇ、大丈夫?すぐご飯にするね」と言った。
「先に寝てても良かったのに」と疲れ顔で言う
「一生懸命に頑張りますから、捨てないでください」涙混じりに妻が言った。
今日も家事を失敗したらしい。
不慣れなことをしているのだから、仕方がないことだ。
涙でぬれた頬に口づけをする。
「手放すつもりも、ないですけれど。おいおい覚えていけばいいよ」
僕の言葉に、妻はさらに涙を流す。
長い坂道を登れば学校だ。
今日は目覚まし時計を手が勝手に止めてしまったので、朝食抜きだ。
自転車で迷いなく進む。
通い慣れた道も、季節を感じさせるようになってきた。
自転車置き場に駐輪すると教室に向かう。
教室では女子生徒が本を読んでいた。
「おはよう」今日も一番に挨拶ができた。
-
ずいぶん前から用意していたんだ。
それでも口に出せなかったのは、どうしてだろう。
どこにでも転がっている話。
やっぱり少し寂しい気分だな。
どうにも感傷的になる。
最後は笑顔を見せて欲しい。
我が儘だと知っている。
それでも願ってしまう。
「サヨナラ。愛しい人」
今生の別れだ。
目を瞑る。
青年は刹那の瞬間を切り取っておくて、写真を撮ることが多かった。
アルバムをめくっていた少女が手を止めた。
「もう写真は撮らないのですか?」
写真を撮った過去はぷっつりと途切れて白紙だった。
神剣・神楽をめぐる戦いの中に巻きこまれてからカメラを向けることを忘れた。
青年は立ちあがる
付き合って欲しいといったのは君からだった。
恋人もいないし、特に好きな人はいなかったからOKした。
一緒にいる間に好きになるかもしれない。
そんな淡い期待があった。
君はのんびり屋で、手すら繋ぐときに確認する。
この分だとキスまで遠そうだ。
そんな君のペースに巻きこまれ始めている。
虫たちが命がけの愛情表現しているのに、僕ときたら臆病者だ。
「好き」だなんて伝えられない。
僕は毎朝、ホームルームよりも早く教室に着く。
読書をする君と二人きりになる。
ぎこちなくなりながら、挨拶をする。
君は顔を上げて、優しい微笑みを浮かべて見せる。
それだけで僕の心臓は高鳴る。
-
祈りは光となって天まで届き、すべてを照らす。
最初は小さく頼りのない光かもしれないけれども。
いくつもの祈りが合わさって、空へと舞い上がっていくならば、世界は光で満ち溢れる。
暗闇は消え去り、願い通りに笑顔を見合わせることができるだろう。
だから最初の光になるために祈り続けて。
初めてのボーナスで指輪を買った。
彼女の誕生石をあしらったものだ。
新幹線で往復していた二人だから、気持ちをも離れていってしまうのではないかと不安になっていた。
初デートだった公園で指輪が入った小箱を手渡した。
緊張で言葉が出てこなかった。
彼女は笑顔になるのを見て心が満たされた
「好き」少女は無邪気に気持ちを伝える。
大きな瞳をキラキラさせて見上げてくる。
それにたいして青年は無視をした。
晴れの日が好き。
焼き菓子が好き。
お昼寝が好き。
同じ程度の「好き」だ。
うるさい、わかってるくせに少女は何度も告げる。
青年が応えることができないことを知っているはず。
夢の中でシルクハットが似合う老紳士が現れた。
老紳士は「落とし穴にご注意を」と言うと、姿を消した。
夢から覚めて、どういう意味だろうかと考えをめぐらす。
携帯電話のアラームにせかされて朝の支度をする。
意味深な夢が気がかりだった。
電車を1本遅らせたらクラスメイトと一緒になった。
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