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「 140文字の物語 」
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戦場に慈悲はない。
生死すら神の手のひらの内。
この瞬間、生きているからといって安心できない。
紙を裏返すように死は迫ってくる。
少年は柄を握りなおすと、敵軍に飛びこむ。
中央突破する。
敵の刃をよけながら剣を振るう。
確かな感触を覚えながら次の敵めがけて走り出す。
止まってはいけない
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「好きだ」と言われて嬉しかった。
「付き合って欲しい」という言葉に考えずに頷いた。
そこで終われば話はハッピーエンド。
でも人生はそうはいかない。
ハッピーエンドの先が待っている。
友達と遊んだだけで文句を言われる。
細かいところまでチェックされる。
選択が間違っていることを知った。
-
「ごめんなさい」目が溶けてなくなってしまいそうだった。
先ほどから少女は泣き続けている。
嗚咽の合間に謝罪の言葉を口にする。
「大丈夫だから」かける言葉も尽きてきた。
少女の頬を伝う涙にふれる。
「ごめんなさい」
涙は生ぬるく、伝わってくる体温のようだった。
泣かないでとは言えない。
-
始まりはいつだって少し切ない。
その少しが恋を味わい深くしてくれる。
片想いは自分の中だけで完結しているから、幸せだという。
両想いになる一歩手前が一番幸福なのだろう。
今日も幸せだった。
この気持ちを分け与えていたら自分の分がなくなってしまう。
だから、大切に心に鍵をかけた。
彼女はどこにでもいるような女の子だった。
僕はその隣で恋にならないかと思っていた。
時間は流れすぎ二人の想い出も増えた。
大人になった僕らはお互いを意識し始めた。
世界規模で病が流行り王族や重鎮にも死者が出た。
占いで彼女を生贄にすれば助かると出た。
世界ごときに、渡してたまるか。
数か月前に家同士の婚約者と結婚した。
寝室こそ分けなかったもののベッドには長いリボンが敷かれている。
これ以上、入らないという約束だった。
跡継ぎ問題は夫と恋人の間にできた子を実子とすればいいと思っていた。
それが今日は違っていた。
破られた不可侵条約。
熱がこもった瞳が自分を見る
「大丈夫?」と君が声をかけてくれた。
だから僕は「ダメかもしれない」と素直に答えた。
その様子に君は少し驚いたようだった。
でも、すぐさま笑顔を浮かべて僕の手を取る。
「どうすれば元気になれる?」君は訊く。
僕は君限定の魔法の言葉を伝えた。
ちょっと恥ずかしそうにしながら君は言った
結婚を前提に同棲を始めた。
今までも泊りでデートがあったから、それの延長だと思っていた。
蓋を開けてみたら、全然違うものだった。
彼の意外な一面を見て、一喜一憂する。
「共同生活は始めが肝心だ」と教えてくれた先輩のいう通りだった。
彼を甘やかしてしまった。
彼は子供のようになった。
話の途中、君は軽い咳をした。
「風邪?」僕の問いに「大丈夫」と少しずれた答えを返す。
そこで、また話に戻る。
話自身は他愛のないものだったが、君と話すことは貴重なことだった。
また、しばらくすると君は咳をした。
君が吐いた嘘と本当。
次に会った時は、君は白いベッドに横たわっていた。
一緒にいても不安になる。
一緒にいないときはもっと不安になる。
私がいない間の彼を思うと不安になる。
人間にはたくさんの側面があって、今見ている彼だけが彼の全てじゃない。
ゆらゆらと心が揺れる。
私の知らない間の彼は誰を見つめているのだろうか。
私以外にも笑顔を見せているのだろうか
力強く抱きしめられる。
あまりの強さに骨がきしむようだった。
それから強引にキスをされる。
気持ち良くもない。
優しさの欠片もない。
身勝手な行動だ。
それに付き合わされる身としては勘弁してほしい。
親同士が決めた婚約者に、ここまで執着するとは思わなかった。
だってこんなの、愛じゃない
彼女と僕の関係は玩具と主の関係によく似ている。
真新しい時は夢中で遊んで、飽きたら見向きもしない。
だからといって、他の子どもが玩具箱から取り出して遊ぼうとすると、烈火のように怒る。
自分のモノだと主張する。
またしばらく僕で遊ぶ。
他人に取られないように。
歪な関係だ。
心が浮き立つ夏祭り。
花火も揚がる大規模なものだ。
お母さんに浴衣を着つけてもらって、髪をアップにしてもらった。
迎えに来てくれた彼は「可愛いね」と言ってくれた。
夜店で賑わうメイン通りで、はぐれないようにと手を繋いでくれた。
楽しいのはそこまで人波に酔いぐったりとしてしまった。
死んだら、みんな星になる。
夜空に輝く星は一つたりとも、損なわれない。
誰かの想い人なのかもしれない。
独りで見上げるのは少し寂しい。
だから二人で見るのが一番いい。
君が吐いた嘘と本当。
君は僕を置いて夜空を彩る星になった。
独りで仰ぐのは「少し」ではなく、とても寂しいものだった。
開けっ放しにしていた窓から、ひらりと紙が一枚舞いこんだ。
お茶を飲んでいた少女と青年の間に緊張が走る。
超常現象にはだいぶ慣れたが、この手のお誘いはあまり嬉しくなかった。
日時と場所だけが書かれた紙を見る。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶと立ち上がる。
生き残るために剣を握る
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