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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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僕は適当に拾ってきた枝で、大きな釜をくるくると混ぜ返す。大きな釜の中には、雨が溜まっていた。
これから地上に降らす雨だ。
少し前まで師匠は、あれこれと言ってきたのに、今は『任せる』の一言で、布団の中だ。
僕が一人前になったのだろうか。それともこの仕事に飽きてしまったのだろうか。
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君をベッドの上に組み敷いた。僕は無理矢理、君の腕を両手で包む。これで君は逃げることができない。
これから起こる惨劇に、君はおびえるように震える。
大きな瞳を瞬かせて、まるで懇願するように僕を見つめる。
けれども、僕はこの好機を逃すつもりはない。僕はそっと唇を君の口に近づける。
『キットそれは好きじゃない』

「恋に恋をしていただけだったみたい。あなたと別れるというのに涙すら出てこないんだもの」と君は言った。
そうなのだろうか。僕にとって君はマドンナのような存在だったのに。
キットそれは好きじゃない、とつきつけられて、悲しみで心が右往左往して揺れる。
『私のために泣いてくれてありがとう』

アイロンがかけられた白いハンカチだった。その几帳面さが、清潔感が、貴方らしかった。
「私のために泣いてくれてありがとう」と貴方は微笑んだ。すると倍、涙があふれてきた。
貴方のためじゃない、自分のための涙だというのに、貴方は気づかない。
『青春は変わったが、恋は変わったか。』

久しぶりに同級生に出会った。懐かしさから笑顔になって、居酒屋に行くことになった。
積もる話は花びらのように、散っては花を咲かせた。
青春は変わったが、恋は変わったか。と同級生は謎かけのようなことを言う。
すると自然にポツリと涙が零れた。
「iotuは、まるでいつも通りに最後の嘘をつきました。
それは相手の笑顔のための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
だってもう、仕方がないだろう?」

------

僕は、まるでいつも通りに最後の嘘をついた。いつものように、普段のように嘘をついた。
それは相手の笑顔のための嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と、君を心配させないように言った。
だってもう、しかたないだろう?
分かりやすい嘘でも、君は騙されてくれる。それに感謝した。
あの日、家族はバラバラになってしまった。残されたのは兄弟だけ。それすらも別々の家に引き取られた。
もう少し一緒にいたかった。そんな未練が後ろ髪を引く。
けれども、もう戻ることはできない。懐かしいあの日を思い出す。
そして、心の中で涙を流す。帰ってこない日々に、あたたかい日々に。
春を通り越してしまった日差しの中、黙々と道を歩く。今日も昼ご飯を食べていないだろう博士のために。
手元を見ると、時計はぴったりと長針と短針が合わさっていた。
博士は、今日はどんな話をしてくれるだろう。それが楽しみで足を運ぶ。
ちょっと不格好なサンドイッチを喜んでくれるだろうか。
「挨拶しなさい。お前の婚約者に」と父が背を押す。
けれども、どんな言葉を紡げばいいのか分からない私はうつむいた。
すると力強く、私の手のひらに指を絡めるあなたがいた。
「よろしく」という言葉に、そろそろと私は顔を上げる。
眩しいぐらいの笑顔をあなたは浮かべていた。私は微笑んだ。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは歩き出すための嘘でした。
「ずっと君と一緒だよ」、と。
嘘だと言えたら、どんなに。」

------

僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それは明日という未来を歩き出すための嘘だった。
「ずっと君と一緒だよ」と僕は分かりやすい嘘をついた。
繋いだ手がゆるりと解ける日は近い。僕と君は違う道を歩いていく。
嘘だと言えたら、どんなにいいだろうか。僕は言葉に出来なくてうつむいた。
「何の用?」と君が目が合った。視線が絡むのは何度目だろうか。
「目で追ってしまうのは、つい癖で」と僕は言い訳をした。
君を子ども扱いをしたわけではなく、魅力的な君が他の男を見つめる日が来るのだろうか、と君を見つめてしまった。
君をジロジロと見るのは不躾だと分かっていたけれども。
椿油を塗って黒髪を誇っていた女たち。僕自身の髪にも塗られて、髪はしっとりと、真っ直ぐになった。
今でも気持ち悪い女たちの仕草だったと思う。
そんな女たちになりたくなかったから、自由になった時に、僕は髪をバッサリと切った。
綺麗な髪がもったいないな、と君は惜しんでくれたけれども。
「また寝癖がついている」と君は苦笑した。布団に入っても、眠れなかった証拠だった。
君が惜別しなければならない、という事実で泣く跡だった。枕を変えても、一睡もできなかった。
目は充血していないだろうか。君に悟られていないだろうか。
「元気で」と明るい口調で、君に告げる。君が笑う。
彦星と織姫じゃないけれど、僕と君が出会えるのは真夜中だった。
月が綺麗なのを見て『月が綺麗ですね』と顔を合わせる。
君は嬉しそうに、僕の腕をぎゅっと握る。僕も嬉しくなって、空いていた片手で君の頭を撫でる。
「子ども扱いしないでしよ」と君は不満げに言う。それが子どもらしい仕草だ。
「iotuは、愛を囁くように優しく最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「すべて夢でも構わない」、と。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。」

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僕は、愛を囁くように優しく最後の嘘をついた。それはたぶん最低の嘘だった。
少なくとも、ついて良い嘘ではなかった。
「すべて夢でも構わない」と僕は君に言った。君と過ごした日々が嘘だなんて、夢でも悲しい。
君が最後の嘘だと見破ってくれたらいいのに。そんな都合の良いことを僕は思った。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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