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「 140文字の物語 」
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飲んでいた珈琲カップをテーブルの上に置く。
それが合図。
彼女の口唇を盗む。
掠めるようにわずかなそれは珈琲の香りがした。
彼女の顔を見ると、赤面していた。
初めてのキスではないけれど、いつまでも初々しい反応に嬉しくなる。
もっと味わいたくなる。
でもそれはこれからの楽しみ。
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君にふれる度に、鼓動が早くなる。
仲良くなってずいぶん経つけど、いまだに君の仕草にドキリッとする。
キスをする時、抱きしめる時、その一つ一つにドキドキする。
心臓が早鐘を打つことを君は知らないだろう。
打ち明けたら君は笑うかな。
それもいいかなと思うぐらい君に夢中なんだ
昼のレストランは家族連れでにぎわっていた。
そんな中、彼と私の間には沈黙が漂っていた。
運ばれてきたスープも手つかずで冷めていく。
まるで私たちの関係を暗示するように。
想い出がたくさん詰まったレストランだった。
初めて訪れた日も覚えている。
時間は残酷だ。
沈黙が傷つける。
-
それを君が望むのならそれでいいよ。
共に過ごした時間は僕だけのものだから。
いつの日か振り返ってくれれば、僕の心は満たされるんだ。
でも、ちょっと寂しいな。
君が隣にいなくなるって。
いつになったら慣れることができるんだろう。
きっと想い出に代わる日が来ることを知っているよ
二十歳の誕生日を迎えた。
これで煙草も飲酒も合法になった。
コンビニで煙草を買い、居酒屋へと向かう。
一足早く成人した友人と共に、居酒屋の敷居をまたぐ。
年齢確認に免許証を見せる。
喫煙席に座り、さっそく煙草を開ける。
火をつけるのに手間取ってしまったが、大人の仲間入りだ。
廊下に貼り出されたテストの順位表に、白金の頭髪の少年は無表情で見上げていた。
今回も同じ名前が並んでいる。勝気な少女にはそれが気に入らなかった。
一位を取ったのだから晴れ晴れとした笑顔でも見せてくれたら、悔しさも薄れるというもの。
張り合いが全くないから、辛くなる。
黄金色の日差しが差し込む。
本たちは手に取られるのを待つように静かに佇んでいた。
本のタイトルをなぞる。
静寂の中、自分の足音だけが響く。
天井まで届く本棚は知識の林のようだ。
緩慢な時の流れの中一冊の本を引き抜く。
しっとりとした手ざわりの装丁のそれは誂えたかのようだった
久しぶりに地元に帰ってきた。
ますます過疎化が進んで、シャッターを閉めている店も多かった。
子どもの頃、寄り道していた駄菓子屋も屋根が朽ちていた。
剥げたペンキが胸に来る。
もう想い出の中にしかないのだと思うと辛い。
スーツ姿で歩き回っていたら目立ったようだ。
視線を感じる
一日が24時間しかないのがいけない。
どうしても時間に追われる。
仕事が終わって携帯電話を確認すると、メールと着信履歴でいっぱいだった。
これを返していくのかと思うと、うんざりとする。
仕事以上に面倒なことだった。
だが返さないともっと面倒になることは分かっている。
他人からよくのんびりとした性格だと言われる。
私がのんびりしているんじゃなくて周りがせっかちなだけ。
私は私なりのペースで過ごしているだけ。
そんなに急いで、毎日つかれないのかなぁと思う。
あんまり急いでいると他人のさりげない優しさを見落としてしまう。
だからこれで良いの
太陽のように明るい少女だったから、いつでも幸福だと思いこんでいた。
真夏の太陽のように傍迷惑な明るさで、いつも傍にすり寄ってきた。
それに困惑しながら、徐々に受け入れていった。
変化していく自分に途惑いながら、月日を過ごした。
だからこそ、想いを遂げた日は記念日となった
「好きです!付き合ってください」見知らぬ男子生徒に呼び出されて言われた。
初対面の人物に好悪の感情は湧きづらい。
だが、別段彼氏が欲しいわけではない。
ここは丁重にお断りするのがいいだろう。
伝えると「じゃあ徐々に俺のことを知っていってください」なんて恥ずかしい人なんだろうか!
アイスを片手に彼方と此方の違いを考えていた。
生者と死者の違いはどこにあるのだろう。
例えばアイスを食べている自分がいるが、それは生きている証拠になるのだろうか。
人混みに紛れてしまえば自分という存在感は薄くなる。
そんなことを考えていたせいだろうか。
食べかけのアイスを落とす。
僕は君が好きで、君は僕が好き。
それは揺るがない。
それは世界でひとつだけの終末論だった。
天国の狭き門であろうとも、ふたりは手を繋いだままくぐることができる。
どちらかが裏切らなければ、二人そろって心休まる場所に行けるはずだ。
だからお願いだ。
死がふたりを別とうとも想い続けて。
目をあわせたその一瞬、心が恐怖でいっぱいになった。
柔和な笑顔の下に千本以上の短刀が並べられている。
口元は笑っているのに、目が笑っていない。
どうして気づいてしまったのだろうか。
知らなければ公平に配られる親切の中で泳いでいられたのに。
相手もこちらが気づいたことを知ったようだ
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