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「 140文字の物語 」
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進路希望を提出するようにプリントが配られた。
高校生活も折り返し地点。
そろそろ将来のビジョンを考えなければならないのだろう。
学力に見合った大学を受けて学生生活を延長するのか、専門学校に通って手に職をつけるか。
どちらがいいのか分からなかった。
みんなは、なんて書くのだろうか。
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「誰よりも君を愛しているよ」
「君のためならこの身が滅んでもいい」
男たちは毎夜毎夜ささやく。
それというのも資産家な叔母が莫大な遺産の相続人に私を選んだからだ。
とうとう幼馴染まで参列した。
「うすっぺらい愛の言葉なんていらないの」
と溜息混じりに言うと私の好きな花を手渡された。
人前で何かするというのは不得手な方だ。
自分の意見というものがないわけではないけれど。
自分の発言のために、場の空気が変わるのは苦手だった。
出来るだけ人の輪を乱さずに、目立たないようにしてきた。
それなのに、ここにきて発表会の司会に選ばれてしまった。
視線が集まる中で声を出す。
僕はそんなに望まない。
願うのはただ一つの永遠だけだ。
死が二人を分かつまで、君と一緒にいられるのなら嬉しい。
君の人生の全てが欲しいという大きな願い事だ。
だから、願いが叶うのならば、もうそれ以上のことは望まない。
叶うのなら、どんな苦しみも、どんな悲しみも、喜んで引き受けよう。
気がつくと彼のことを目で追うようになりました。
必要最低限しか話したことのないクラスメイト。
人気者の彼はいつも人に囲まれていて、私とは別世界の住人のようでした。
彼の声が聞こえてきただけで心がざわめくのです。
こんな気持ちになったのは初めてで、途惑う日々が続きますが幸せです。
初めて会った時から他人とは思えなかった。
趣味の集まりだから、そこそこ似通ったところがあるのは当然なのだけれど。
まるで天国で別たれた半身に出会ったような気分だった。
ほどなくお付き合いを始めて、結婚が見えてきた時。
恋人は還らない人になった。
こんな終わり方なんて、望んでない。
仮面舞踏会。
仮面の下にはむき出しの欲望を抱えて、貴族たちは集う。
ここで行われる恋愛遊戯は秘密だ。
公然にもちだすのはマナー違反だとされている。
一夜限りの恋をのお相手を探して、人の群れは渦巻く。
初めてやってきた貴婦人は「もうすぐあなたの願いは叶うでしょう」と耳打ちされた。
-
「誰も分かってくれない」膝を抱えて君はポツリと呟いた。
迷子になった幼子のように、心細そうだった。
隣で座っていた僕は、悲しい気持ちになった。
僕は君の一番の理解者だと思っていた。
君のボロボロの心は僕だけの愛では埋められないと知った。
ほんの少し空いた隙間に夜風が渡っていった。
-
「あなたがいないと寂しいんです」心の底から絞り出すように言えた。
ずっと言えなかった想いだ。
「あなたは私がいなくても生きていけるでしょう」
その事実があるから言葉にできなかった。
「私はあなたがいないと苦しくて、切ないのです」
嘘じゃないと分かってほしかったから、俯かずに言う。
舌の上に乗せた瞬間には溶けていく。
軽やかでいて、しっかり素材の持ち味を助けている。
スーパーで売っているラクトアイスとは一線を画す。
そんなに暑くないのに、スプーンが止まらない。
小さな頃からの夢が叶った。
「独り占め」なんて甘美な響きなのだろう。
どれだけ食べても怒られない。
「白紙に戻そう」と彼が言った。
昼間のファミレスで聞くには軽い口調だった。
「もう、こうして会うことはやめよう」と彼は続ける。
私は理解が追いつかずに置いてきぼりだった。
「忘れて、なんて残酷だね。でも、これ以上深みにはまりたくないんだ」
彼の左手の薬指にはプラチナの指輪があった
どんな思い出の中にも君がいる。
僕の世界を鮮やかに彩るように。
君と過ごす時間はだんだん短くなっていっているけれども、強固になっているのを感じる。
離れていても、心は寄り添っている。
これからも増えていく思い出の中に、君が笑顔でいますように。
そんなことを星に祈りながら目を閉じる
向こうから声をかけてきた。
私にとっては「初めまして」の男だ。
駅のホームで落としたハンカチを拾ってくれた。
そして例にももれずに告白された。
私がどんな女かも知らないで、男たちは気軽に交際を持ちかける。
いつもだったら、その場でお断りをするのだが、染めてない髪に興味が湧いた。
僕は勇者になれなかった。
臆病で、逃げてばかりいて、自分に課せられた運命から目を逸らしていた。
予言がなんだ。
伝説がなんだ。
そんなことで縛られる人生なんて嫌だ。
それでも、君が純粋な目で僕を見てくるから、僕は勇者の振りをした。
振りだけで君を助けることが出来なかった。
片想いからスタートした恋心は貪欲だった。
最初は見ているだけで幸せだった。
廊下ですれ違うだけで嬉しくなった。
目線が合うだけで鼓動が跳ねた。
苗字を呼んでくれただけで喜びに満ちた。
もっともっとと気持ちは大きくなっていく。
付き合うようになってからは、それじゃあ足りなくなった。
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