忍者ブログ
ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『君は「空ぐらいには泣け」と言った。』

失恋したてで、何をしていても泣いていた。
そんな私を呆れたのか、それともからかってなのか、あるいは慰めなのか。
君は「空ぐらいには泣け」と言った。
「そんなに大きくは泣けないよ」と私は泣き笑いをした。
確かに私は笑うことができたのだった。
PR
『神様は私にはかけた、
 叶えなきゃいけない3つのこと』

天啓というものだろうか。
私は雷に打たれたように、頭の中に言葉が浮かんだ。
神様が私に囁いたのだろう。
神様は私にかけた、叶えなきゃいけない3つのこと。
家族を大切にすること。友だちを大切にすること。自分を大切にすること。
『最後の君の唇に大罪を』

すやすやと眠る君を布団まで運ぶ。
軽い体にドキリっとした。
さすがに羽のように、とはいかないが同世代の女性たちに比べれば軽いだろう。
眠る君は眠り姫のように王子様を待っているようだった。
生憎こちらは悪党だ。
最後の君の唇に大罪を。
君は眠ったままだった。
「iotuは、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をつきました。
それは悪あがきのような嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
・・・泣いたりしないよ。」

------

僕は、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をついた。
それは悪あがきのような嘘だった。
そうでもしていないと自分が駄目になる、と分かっていた。
だから調子外れの明るさで「これ以上関わらないでくれ」と君に言った。
本心ではない嘘に僕の心は傷つく。
それでも君の前では・・・泣いたりしないよ。
人は欠けた愛を持って生まれてくる。
どこかにいるぴったりとあう人と巡り会うために。
そんなお伽話を信じるほど純粋ではないつもりだ。
それでも時折、欠けた愛を探してる。
パズルのピースのように、ピタリとはまる相手がどこかにいるのではないか、と思ってしまう。
己はそんな弱さを抱えてる。
口喧嘩をした後は、妙に気まずい。
楽しいデートの時間が減っていく。
それぐらいなら僕の方が折れようか。
そんなことを思っていた。
すると君が目を逸らしつつ、僕の腕をぎゅっと握る。
「どこか遠くに行かないでよ」と君は言った。
「どこにも行かないよ」と僕は微笑んだ。
僕たちは似た者同士。
『あなたが朝焼けみたいに笑うから』

あなたが朝焼けみたいに笑うから、私の元にも朝がきたのだと勘違いするところだった。
一瞬だったけれども、あなたの笑顔は私の心を明るくした。
東の地平からやってくる朝焼けのように、暗闇を拭っていく。
それだけ、あなたの笑顔は私の気持ちを救う。
『恋らしきなにがしかの純情』

少年は少女に毎日、花を携えた。
白尽くめの部屋にいる少女の花瓶の中には、花がたくさん活けられるほどに。
少年は熱心に花を運び続けた。
少女の仄かな笑顔を見たい、それだけのために。
それは恋らしきなにがしかの純情だった。
まだ恋と呼ぶには未熟なもの。
『女の花は火のように』

女の花は火のように燃え尽きた。
まるで一生を費やしたかのように灰だけが残った。
女は燃え上がった花をいつまでもくりかえし思い出す。
たとえそれが他人から見たら、無意味のように思えても。
確かに女だけに与えられた花だった。
花火のように一瞬のものだとしても。
「iotuは、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。」

------

僕は、震えないように祈りながら最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
これ以上、ないものねだりをしても意味がない。
現状で満足しなければいけない。
だから「欲しい物は手に入れたから、もういいんだ」と言った。
「本当に?」君が問う。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
「置いていくぞ」と俺は言った。
小さな足を一生懸命に動かしていた君はたどりつく。
「女の子のこと知らな過ぎるのあなた、女の子はあなたみたいにズカズカ歩けないのよ」君は精いっぱいの怖い顔を浮かべて言った。
「だいたい身長からして分かると思うんだけれども」君は腰に手を当てて言う。
「ねぇ、こんなところに神社ってあったけ?」と君が尋ねる。
僕は君が指さす方を見る。
こじんまりとした稲荷神社があった。
「参拝していく?」と僕は訊いた。
「怖くないの?」君は震えながら言った。
苔にまみれた神社は鬱蒼として気持ち悪い雰囲気を醸し出していた。
「帰ろうか」と僕は言った。
『名前のないラブレター』

下駄箱を開けると一通手紙が入っていた。
宛名は俺の名前が書いてあった。
裏返してみると差出人の名前がない。
いわゆるラブレターというものだろうか。
それにしてはそっそかしい。
自分の名前を書き忘れるなんて。
不審に思って、ゴミ箱行きになってもおかしくない。
『結局恋は泣いていた』

山茶花がほろほろと花弁を零していた。
綺麗な花弁を拾う。
通り雨に打たれたのか滴がついていた。
それすら硝子製のビーズのようで美しかった。
私の想いもこれに近いのだろうか。
作り物の笑顔で私は数分前のことを思い出す。
幸せだったはずなのに結局恋は泣いていた。
『私は主婦兼リップ・サービス業』

私はどこにでもいる専業主婦。
けれども夜になると、もう一つの顔になる。
『あなたって素敵よ』と耳元で甘くささやく。
朝『行ってらっしゃい』と言った同じ唇で、蕩けるようにリップ・サービスを贈る。
それで旦那さまのご機嫌が良くなるのならかまわない。
PREV ← HOME → NEXT
プロフィール
HN:
iotu(そら)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH