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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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ひとひらの風が流れていった。
目には見えないけれども、確かに通り過ぎていった。
「綺麗だね」と私は目の青い友人に声をかけた。
「英語で」と友人は流暢な日本語で言った。
「日本語だからこそいいんだよ」と私は抵抗する。
「英語も喋れるようになれば、世界が広がるよ」友人はにっこりと笑う。
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『なんとかなる気がする』

両親は南国の島へと飛び立った。
残されたのは僕と妹。
どちらも成人しているので、留守番には困らないだろう。
「お兄ちゃん、お昼どうする?」と妹が早速、訊いてきた。
「適当でいいよ」と僕が言うと「作ろうか?」妹は言う。
「マジで?」
「なんとかなる気がする」
『理想の自分になる為に』

切磋琢磨、努力をし続けた。
理想の自分になる為に努力を重ねてきた。
街を歩く人々が振り返るようなイイ女になる為に、整形手術もした。
それなのに、理想を手に入れたと思ったのに、彼は振り向いてはくれなかった。
それどころか醜い物でも見るような目で私を見た。
『オンリー キス ユー』

僕だけが君にキスをする。
だから、君も僕だけにキスをして。
たった一人の君だから、大切な君だから、約束をしてくれないかい?
誰にも唇を許さないと。
流行りの歌のように、三文小説のように。
鳥籠の中にいる君へ、僕という鍵が閉じこめる。
啄むようなくちづけで。
「iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それはどうしようもない嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

------

僕は、無理に笑顔を作って最後の嘘をついた。
それはどうしようもない嘘だった。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と言った。
毎日をきちんと過ごしていれば、くだらないことなんて一つもないことは分かっている。
それでも言わずにはいられなかった。
君よ、いっそ笑い飛ばしておくれよ。
天体観測が似合う季節になったのに、曇り続きだった。
僕は君にLINEを送る。
『今日も星空は見えないみたいだ』とスタンプと共に送る。
すぐさま泣き顔のスタンプが返ってきた。
寒い外にい続ければ風邪をひく。
僕はあたたかい家に戻った。
いつになったら星空は見えるのだろうか。
コートを脱いだ。
巫女姫は神に感謝しながら、水鏡を覗く。
真っ平らな水面には未来が映る。
国王から、次の戦の勝敗を観て欲しいと頼まれたのだ。
国運を賭けた戦いになりそうだった。
負けるわけにはいかない。
それぐらい巫女姫にも分かった。
三倍の兵力をもって敵は攻めてくる。
それでも地の利はこちらにあった。
君と出会ったのは、夜風が枝をきしませるような夜だった。
冷たい風に吹かれた君は「眠れないの?」と尋ねてきた。
それはこちらの台詞だった。
だから問い返したら、君は仄かに笑顔を滲ませる。
「月が見たかったの」と内緒話をするように、声を潜めて言った。
夜空を仰ぐと欠けた月が存在した。
授業中だというのに、君は軽々しく、僕の手のひらを指先でつつく。
いくら退屈な授業とはいえ、先生にバレたらどうなることやら。
僕は困った事態になったと、ためいきを噛み殺す。
隣の机に座っている君を見ると、悪戯な光を宿した視線と出会う。
僕が困惑するのを完璧に楽しんでいるのが分かる。
『気の利いた君の最後の嘘』

「他に好きな人ができたんだ」と君は別れ話を持ってきた。
こちらと視線を合わせずに呟くように言うのは、君が嘘をつく時の癖だった。
だから、私に伝えられない理由の事実があるのだと分かった。
「そうなんだ。仕方ないね」気の利いた君の最後の嘘を飲みこんだ。
『君が僕を思い出したりしないように
 傷さえもなければと思っていました。』

僕は単純に考えていました。
君が僕を思い出したりしないように傷さえもなければと思っていました。
すでに君の心は傷がついていたとは想像もしていませんでした。
思い出というのは優しいだけではないんですね。
『太陽になりたかった星の願い』

太陽よりも夜空に輝いているのに、太陽よりも惑星を連れているのに。
私は太陽になれなかった。
広い銀河の中で瞬く奇跡の青い星に選ばれなかった。
だからせめて、太陽になりたかった星は願う。
太陽が燃え尽きる時まで奇跡の青い星が消滅していないことを。
「iotuは、少しだけ震える声で最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

------

僕は、少しだけ震える声で最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
泣いている君を慰めるような嘘だった。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と魔法使いのように言った。
涙で潤んだ瞳が僕を見つめる。
・・・うまく笑えたかな?
君を泣かせる毎日なんて、くだらない、そう思った。
愛する貴方へ宣戦布告。
今度のクリスマスには、貴方が絶賛するような贈り物をすると誓う。
今から覚悟をしていてほしい。
飛び切りで、驚きに満ちたクリスマスプレゼントを用意してみせる。
すると貴方は微笑んだ。
一足早くプレゼントなら貰ったよ、と。
勝負はこれからだ、と私は見栄を張った。
少女は白金色の頭髪の少年に舐められたくなかった。
そのためにコツコツと勉強をした。
絶対に次こそは勝つと対抗心を燃やしていた。
学年1位の座を諦めたくはなかった。
今度こそと期待をした。
少年と廊下ですれ違うと笑われたのは気のせいではなかった。
見事に滑稽な道化師のような成績だった。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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