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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『誰かに好きと言っておいて。』

猫のように自由気ままな彼女が言った。
意味を取りかねて、尋ねると苛立ったように言う。
『誰かに好きと言っておいて。誰でもいいから』と不思議なことを告げる。
好き、は特別な感情だ。言われたら嬉しい言葉だ。誰でもいいことなんてない。
僕は彼女を見た。
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「iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

------

僕は、無理に笑顔を作って最後の嘘をついた。最後ぐらいは笑顔で。
それは現状打破のための嘘だった。解決策はこれしかなかった。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と僕は言った。
「それならいいんだけど」と君は微苦笑を浮かべた。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。せめて君が立ち去るまでは笑顔で。
そろそろシーズンが終わる肉まんが食べたくなった。
小銭ばかりの財布を持って、コンビニに寄る。
学生が立ち寄るコンビニだったから、肉まんがあるか心配だった。
それも杞憂だった。肉まんがあった。思わず微笑んでしまった。
レジで「肉まん一つ」と言った。肉まんを手に入れることができた。
春の天気はあたたかくなったり、雨が降ったりと揺れ動く。
そんなことが分かっていたのに、折り畳み傘を忘れた。
もちろん置き傘なんてしていない。
悪いと思ったけど、昇降口にあった、ビニール傘を拝借することにした。
『明日には返すからさと』心の中で思って、傘をパンッと勢いよく開いた。
時期が時期なだけに、修学旅行に行けるだけでもラッキーだった。それが近場だとしても。
僕はふらふらと見て回っていた。目新しいものに夢中になっていた。
すると君が怒り顔で、僕の両手に触れる。「班ごとに活動でしょう?」と甲高い声で言った。
それが嫌で僕は班からこっそり抜け出したのに。
「エスカレーターも金属でできているんだよな」と幼馴染が言った。
「まさか、食べる気?」と笑えないことを言うと「胡椒をかけてでも食べたいぐらい、腹が減ってる」と幼馴染は答えた。
「食べても美味しくないと思うよ」と肩を落とす。
この天然の幼馴染の考えることは分からない。
『日さえ沈むのに、今日も仕事は終わらず。』

今日もサービス残業だ。年度末というのは何かと忙しい。
日さえ沈むのに、今日も仕事は終わらず。と窓の外を見て、ぽつりと呟いた。
「何か言った?」と隣のデスクの同僚が尋ねた。
「独り言だよ」と答えた。
「今日は早く帰りたいな」と隣が言う。
『誰にも秘密のSOS』

テーブルの上にイチゴが乗ったショートケーキがあった。
それは誰にも秘密のSOSだ。
ストロベリー・オンザ・ショートケーキ。
頭文字を取ればSOS。
泣くこともできない彼女の精いっぱいのシグナル。
僕はケーキに似合う紅茶を入れる。笑顔を想像しながら湯が沸くのを待つ。
『初恋相手は幽霊でした』

初めて恋に落ちた人は、もう存在しない人。
歴史の本をめくって、わずか一枚残った写真に心を踊らせた。
初めてのときめきだった。
初恋相手は誰と訊かれて「幽霊でした」とほろ苦く笑うのがお約束になっている。
そんなに過去の人に恋をするのは、珍しいだろうか。
「iotuは、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「全部忘れていいよ」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

------

僕は、声が震えないように祈りながら最後の嘘をついた。
君に嘘だと気づかれないように、慎重に。
それは現状打破のための嘘だった。
このままでは二人はだめになる。己の役割を忘れてしまう。
「全部忘れていいよ」と僕は言った。
なんて冷たい言葉だろう。
君のために・・・まだ、泣いちゃだめだ。
これから少女に与えるものは、愛なんて綺麗なものじゃない。
ただの肉欲だ。
それで清らかな少女を穢してしまう。
青年は、そのことに罪の意識と喜びが湧きあがる。
ようやく少女が手に入るのだ。これまで何度も意識をしてきた。
少女の瞳は曇りなく絶大な信頼が浮かんでいた。加虐の愉しみが湧く。
巫女は日課として、澄んだ水を汲む。そして、その水を銀の水鏡に移しいれる。
慎重に、零さないようにと静かに。
水鏡の水面に波が不意に起こる。今までにはなかったことだ。
巫女は水鏡を覗きこむと、馬が走っていく姿が映った。戦争が始まるのだろうか。
巫女はこのことを国王に告げるか悩む。
文章という大地に、万年筆という川を描く。それこそ何度も重ねる。
それでも文字は書けるものの、書きたい言葉は書くことができない。
大地はいまだ不完全で、川は散乱している。
それでも諦めずに、自分自身の言葉を重ねあわせていく。
いつか大地に美しい川が流れることを信じて。手を動かす。
『ハルオエ』

春を追いかけろ、と白い紙は告げていた。
三寒四温とリズミカルに読んで、ハルオエに従う。
白梅の香りがした。ハルオエ、一つゲット。
地図を片手に学校に向かう学生を見た。きっと願書を提出する受験生だろう。ハルオエ、二つゲット。
順調に春を追いかける。簡単な課題だった。
『愛しい水音』

ハッピーエンドを迎えたはずの人魚姫。
それなのに、毎夜毎夜、真珠の涙を零す。
やっぱり人間と人魚は結ばれてはいけないものなのだ。
愛しい水音が人魚姫に『帰っておいで』とささやく。
もう一度だけ、もう一度だけ、人魚姫はあの海を泳ぎたい、と真珠の涙をハラハラと零す。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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