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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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今年は独りで花見に来た。隣を並んで歩きながら、おしゃべりをする君はいない。
それだけだというのに、僕の胸は哀しさでいっぱいになってしまった。こ
れから先の人生の中で、今年の桜を何度も思い返すだろう。
愛しい君がいないという、それだけの花見を。
ひとひらの風が僕の頬をくすぐった。
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和やかに眠りについた魂を刈りに来た。それは僕が死神だったからだ。
けれども、今月に入ってから、魂を献上できていない。
先輩の死神が「うまくできそうか?」と不安げに声をかけてきた。
「大丈夫ですよ」と僕は取りつくろう。
こんなに刈りやすい魂はない。これで取り逃したら死神失格だろう。
悔しかったけれども、これ以上君と話せなくなるのはいやだった。
だから僕は満面の笑みを浮かべながら、自分の手のひらを握り締める。
そして「ごめん」と呟くように言う。君は涙で潤んだ瞳で僕を見つめる。
そして「ごめんなさい」と言った。無事に仲直りができた。
同じ気持ちだったのは奇遇だ。
『ハンドソング』

それは唐突な出来事だった。僕にとっても、君にとっても。
君が白い紙を僕に手渡した。揺れる文字で『耳が聞こえなくなったの』と書かれていた。
それから僕は手話を猛勉強した。筆談だけでは物足りない。
君と交わす手話はハンドソング。歌うように君と話せるようになった。
『恋の片棒』

秘密の話をするように、君は声を落とした。そして僕の耳にささやきかける。
「恋の片棒を担いでくれない?」と君は打ち明け話をするように言った。
「好きな人ができたの」そう言った君は、まるで初恋を知ったような少女のように、はにかんだ。
僕は頷いた。僕の心は急加速した。
『思い出あわせ』

「思い出あわせしましょう」と君が言った。
「思い出あわせ?」聞き慣れない言葉に、僕はオウム返しに尋ねた。
「こうやって」と君は僕の手のひらに、手のひらを重ねる。
「一つ一つ思い出を語り合っていきましょう」と君は笑った。その笑顔が素敵だったから、僕も笑った。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
頼むよ、ごまかされてください。」

------

僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。それは自分の幸せのための嘘だった。
我ながら最低の嘘をつくものだと思った。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と笑顔で君に嘘をついた。全然、大丈夫なんかじゃないのに。
君よ頼むよ、ごまかされてください。君の涙はもう二度と見たくないんだ。
彼方から吹いてくる風は、君の便りを伝える。自由気ままに旅へ出てしまった君を、僕は決して許さない。
こうして風のように手紙のやりとりをしていても、君はボクの隣にいない。
いつまでも一緒にいる、と約束をしたじゃないか。
それを軽い言葉ひとつで破った君を許すことなんてできるかい?
「もっと、強く握っていいよ」とあなたが言った。
「約束を破ったのは、僕なんだから」と続けていったあなたは、ほろ苦い顔をした。
約束が果てせなかったのは、仕方がない事情があったからだ。
それでも贖罪になるのならというのなら私は恐る恐る、あなたの腕を折れんばかり握る。涙を隠して。
「iotuは、感情を抑えながら最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「全部忘れていいよ」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

------

僕は、荒波のように激しく揺れる感情を抑えながら最後の嘘をついた。
それは自分が傷つくだけの嘘だった。それでも、君のために嘘をついた。
「全部忘れていいよ」と君に向かって微笑んだ。
それでいいんだ。僕だけでも覚えていれば想い出になる。
本音は仕舞い込んだまま、僕は大きな嘘をついた。
君は私を泣かそうとして、いつも意地悪をしてくる。
ある日は、私が苦手な昆虫を靴の中に入れた。
ある日は、私の手のひらにカエルを乗せた。
私は怖くてめそめそと泣いてしまった。それに気を良くしたのか、悪戯はエスカレートしていく。
だから私は決意した。
泣くくらいだったら、笑ってやる。
どうして青春は、こんなにも痛々しいのか。過ぎていく季節の一つでしかないのに、輝かしいのか。
ずっと不思議だった。
青春が終わる年頃になって、煌めいていた日々に振り返る。
二度と返ってこそないからこそ、痛みがあった。輝かしかった。
二度とやってこない青春を思って流れる時を見送った。
背伸びをして、太陽とキス。光を浴びて、体中が喜んでいる。ふいに、引っかかる。
私が太陽にキスをしたのか、太陽が私にキスをしたのか。
ささやかなことだったけども、重大なことだった。ひとひらの風が頬を撫でる。
どちらでもいいじゃないか、というように。
だから私は太陽に向かって笑った。
電車の車内はガラガラだった。君と並んで座った。
そしてそっと、君の指先を握る。電車のリズムとは違う震えが伝わってきた。
やっぱり、外に出ていくのは早かったのかもしれない。
人の少ない昼間の電車なら大丈夫かもしれない、と思ったのは早計だったのかも。
震える指先をぎゅっと握り締める。
『普通』って何だろう。僕は『普通』にできているだろうか。
他人と違ったことをして、変わり者になっていないだろうか。
そんなことを頭の中でぐるぐると考えてしまう。
お母さんの言う『普通』になれているだろうか。優しいお母さんが笑い者になっていないだろうか。
僕は心配になってしまう。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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