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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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天気の良い日で良かった、と僕は思った。
君との花見という名のデートは、青空がいい。
屋台が出ていないのが少し寂しいけれども、満開の桜が出迎えてくれた。
隣を歩く君の指を握り締める。そっと優しく。
さりげないつもりだったけれども、緊張しているのが君にバレたかな笑う。
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「君が好きなんだ。付き合ってほしい」と僕は言った。
それに対して君は曖昧な表情を浮かべる。誇らしいような、困っているような。
「私、好きな人がいるから、付き合えない」と君は言った。
知ってたよ、君の答えは。君の視線の向かう先は、真っ直ぐだったから。
それでも僕は伝えたかったんだ。
なんでも知りたい年頃なのだろう。幼い君は、事あるごとに「なんで?」と尋ねる。なんでなんで星人だ。
最初はそれに付き合っていたが、厄介になってきた。
やがては、なんでなんで星人を卒業すると分かっていたけれども。
今日も君はなんでもないことに対して「なんで?」とあどけなく尋ねる。
私の持っている水晶はヒビだらけだった。それを君は嘲笑する。
「もっとマシな水晶を持ったら?」と言う。
「第一、水晶なんて宝石でもなんでもないし」と追い打ちをかける。
私はクラスターの入った水晶を抱きしめる。
たった一つの大切な水晶だったから。どんな宝石よりも素敵なものだったから。
僕と君で並んでソファの上。あたたかい昼下がりの穏やかな時間だった。
けれども、君は泣きそうになりながら、自分の両手のひらに爪を立てる。
泣いてもいいんだよ、と声をかけるかわりに、君の頭を撫でる。
潤んだ瞳で僕の膝の上に乗った君は、悲しそうだ。だから、優しく何度も君の頭を撫でる。
「iotuは、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「今とても幸せだよ」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

------

僕は、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をついた。それは自分の幸せのための嘘だった。
最後だというならば、自分のためだけにつきたい。それが悲しいことであっても。
「今とても幸せだよ」と君に告げた。僕の心の中は、滝のように涙が流れているというのに。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
天気予報は曇り。僕は君に「今日も星空は見えないみたいだ」と告げた。
「そう、残念ね」君は寂しそうに笑った。
いつになったら、二人並んで星空を見上げられるのだろうか。
スマホで週間天気予報をながめる。当分は曇り空が続くようだった。
君を落胆させたくなかったから、このことは黙った。
君のことだったら、どんなささやかなことでも知りたい。愚痴でも、泣き言でも、僕は聞き続けるだろう。
そして、君に共感するだろう。そんな適当な話し相手はいない、といい加減に気がついてほしいものだ。
今日も君の話を聞く。それが恋バナだろうと、笑顔を浮かべながら。僕は耳を傾ける。
事態は緊迫していた。空には飛竜が群れをなした隣国の空軍。槍の雨が降る。
貴族たちは集まって相談をしていた。けれども、国王は首を縦に振らなかった。開戦することになった。
逃げ惑う人々は、これからのことを思って泣く。
大陸の中、唯一空軍を持つ隣国に勝つ、なんて夢みたいなことだった。
人生初めてのデートだった。余裕なんてこれぽっちもない。
ぎくしゃくしないように、心がけるだけで精いっぱいだった。
君が「手を貸して」と無邪気に言ったから、両手を出した。
君は満面の笑みを浮かべながら、両手のひらを指先でなぞる。
細い指先がなぞった手のひらには文字。
好きと書かれた。
雨の日の約束は、私が傘を持たない。あなたが男物の大きな傘を持ってくるから。それだけのことだった。
声を潜めながら、その日にあった出来事を話す。相合傘の中で。
いつからできた約束だっただろうか。
私は背の高いあなたに合わせて、背伸びをしながら語る。それにあなたは嬉しそうに微笑む。
泣いている私の小指とあなたは自分の小指を絡める。「君は優しいんだね」とあなたは微笑んだ。
それなのに素直に感謝を受け止められない私は、涙を流し続ける。
あなたが言う『優しさ』は、どこにあるのかな。
ただ自分のためだけの涙のために、あなたは約束をしてくれる。
私とは違うぬくもりで。
伸びすぎた枝をハサミで切っていく。
ちょきんちょきんと音を立てながら、アスファルトの道へと落ちていく。
まるで枝が痛がるように見えた。
けれども、ここは細い道だ。伸びすぎた枝は通る車を傷つける。
それでトラブルにならないようにしなければならない。
ゴミ袋に切った枝を入れていった。
「iotuは、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
こんなことしか言えないなんて。」

------

僕は、緊張からぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をついた。最後だ、そう思うと脈拍が早くなる。
それは自分だけが楽になるための嘘だった。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と笑いながら言った。
そんなことを言っても、毎日の煌めきは変わらない。こんなことしか僕は言えないなんて。
隣国の小国から嫁いで着た花嫁は、可憐だった。
野に咲く花のように、少しの風でも揺れるような少女だった。
長年、手に入れたいと思って領土を拡大してきた皇帝は思う。
大切にしたいと傷付けたいをいったりきたりする。
優しく愛でたいと思いながら、自分だけのものだと痕をつけたいと思った。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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