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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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人々は生まれてくる時、欠けて生まれてくる。足りないピースを求めて、人生を渡る。
少年も例外ではなかった。欠けた愛を探してる。少年だけにピタリとはまる、もう片割れを探してる。
それを見つけた時は、少年は真実の愛を知ることになるだろう。恋ではなく、一夜限りでもなく。
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どんなものにも魂が宿っていて大切にしなければいけないよ。そう言ったのは祖母だった。
特に言葉は言霊が宿るから粗末にしてはいけないよ。そう言った祖母は空を仰ぐ。
素直になれなかった僕は、曖昧な相槌を打った。
本当にその時はどうでもよい気分だったのだ。思い出は終わる。
今日は大切な記念日になる日だった。君が天邪鬼じゃなければ。
僕は「指を貸して」と勇気を奮って言った。「どうして?」君は尋ね返す。
これではいつまでたっても時間が過ぎていくだけだった。僕は無理矢理、君の薬指を両手で包む。
「君だけに」と手を離した。そこには銀の指輪が。
「これでお別れね」と君はさばさばした口調で言った。
今後出会うことがあるのか、それすら分からないお別れだった。
涙一つ零さずにドアを開けていく。明るい未来を信じて。
君へ愛の言葉の一つでも、かければよかった。
僕はそう後悔していながら、手のひらをぎゅっと握り締める。
古書が並ぶ本棚で、目当てのタイトルを見つけた。引き抜いて、カウンターの上に乗せる。
「禁帯本なのではお貸しすることはできません」冷たくならないように、気をつけて言った。
探し主は涙を零した。そして何度も頭を下げた。私は下が主がどんな気持ちだったのか、思いを馳せる。
春を飛び越して、夏になってしまった。そう感じるほど暑い一日だった。
アイスクリームを食べたい、とぼんやりと思っていた。君は優しく、僕の手のひらを握り締める。
「次のコンビニでアイス買わない?」と君が提案した。
君とはどこまでいっても似た者カップルだと、僕は微笑んだ。
「iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
・・・どうしようもないな。」

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僕は、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をついた。それは君に対して、最初で最後の嘘だった。
「君からもらったものは全部返す」と僕はきっぱりと言えた。
夢も、未来も、誓い合った想い出も、返すことなんでできないのに。
本当に僕は・・・どうしようもないな。そう思った。
「I love youを訳しなさい」唐突に幼馴染が言った。それに僕は「月がきれいですね」と答えた。
それに君は不満気味だった。「自分の言葉で言えないの?」と君は爪を噛む。苛々している時の癖だ。
「あなたを愛しています」とストレートに言うと、君はため息をついた。外れのようだ。
帰りに水たまりに足を突っこんでしまい、靴下までびしょ濡れになってしまった。
夕ご飯の支度をしていた君に、それを託す。
君は「仕方がないなぁ」と笑って、洗濯機の中に靴下を放りこむ。
そして、乾いたタオルを差し出してくれた。君は、僕には相応しくないぐらい気が利いている。
真夜中、欠けた月もなく、星々の祝福を受けた場所で二人は出会う。
あなたは堂々と、私の手のひらを両手で包む。まるで宝物のように、そっと静かに。
あなたの両手から、恋心が伝わってくるようで、脈拍が早くなる。
あなたの目を真っ直ぐ見られずに、俯いた。そんな真夜中の一幕。
「iotuは、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それは悪あがきのような嘘でした。
「もう希望に捨てられるのはいやなんだ」、と。
こんなことしか言えないなんて。」

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僕は、せめて震えないよう祈りながら最後の嘘をついた。それは悪あがきのような嘘だった。
「もう希望にすれられるのはいやなんだ」と僕は君を抱きしめたまま言った。
君と別れるのに、こんなことしか言えないなんて。我ながら度胸が欠落していた。
君は腕の中、何も言わなかった。
君が私の手を引く。バランスを崩して、君の胸の中にすっぽりと埋まってしまった。
落ち着いた心音が耳に響く。少し低い声で君は『愛している』とささやいた。心臓の音は変わらない。
君が吐いた嘘と本当だった。私の願望なのかもしれない。君の言葉がどうか夢でありませんように。
誕生日は浴衣デートだった。浴衣が気安くレンタルができることになったのだ。
古都を浴衣姿で歩くのは、情緒的だった。こんな素敵な誕生日プレゼントはない。
嬉しくて舞い上がってしまいそうだった。
「似合ってる」と彼が目を細めた。その優しい表情に私は頬が熱くなるのを感じた。
長いこと青い薔薇は夢見がちな話だった。
研究者たちは諦めずに実験をくりかえした。どんな文献にもあたってきた。
そして現在、蒼い薔薇は存在することになった。新しいページを切り裂く。
新たに花言葉を与えられた青い薔薇は、どこか誇らしげだった。必ず『奇跡』は起こるのだ。
二人は駆け足で路地裏に逃げこむ。敵に気づかれてしまったのだ。
肩で息をしながら仕方なく、私はあなたの両手にしがみつく。
寒気が背筋を駆けあがっていく。それに我慢しながら、手を繋ぎ続ける。
あなたの手の甲に赤い文様が浮かび上がってくる。「任せて」とあなたは私に笑った。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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