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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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放課後の教室に二人きりになった。
今、言わなければ後悔する。
そんな予感がした。
「あなたが好きなの」私は気持ちを伝えた。
「答えは分かってるから何も言わないで」私は彼の目を真っ直ぐに見つめた。
「ずるいなー」彼は笑った。
「本当は僕の方から言おうと思っていたのに」意外な返事だった。
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「ねぇねぇ、遊んでよ」幼馴染のこの言葉に弱い。
けれどもここは心を鬼にする。
「次のテスト、赤点を取ったらお小遣いを減らされるんだろう?」僕は言った。
「だって勉強に飽きたよ」幼馴染は寝転がる。
「ゲームしようよ」むくりと起き上がって幼馴染は言う。
「課題が終わったらな」僕は言う。
僕の彼女は、いわゆるツンデレだ。
いつでも素直じゃない。
そんなところも可愛いと僕は、思ってしまうのだけれど。
彼女の前で僕は指先をさする。
「あっためてくれないかい?」と言う。
「しょうがないわね」彼女は遠慮がちに、両手を触れ合わせる。
「あったかいじゃない」彼女にバレてしまった。
「iotuは、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をつきました。
それは相手の幸福を祈る嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。」

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これから幸福になる君へ言った。
内緒話をするように声を潜めて最後の嘘だ。
「君にもらったものは全部返す」と言うと君はきょとんとした。
「何か貸していたっけ?」君は尋ねる。
僕は君からたくさんの幸せをもらった。
さり気のないものかもしれないけれど。
それを返す。
もう、覚悟は決めたんだ。
「ずるい。そっちのアイスの方が美味しそう」と幼馴染が言う。
暖房が利いた部屋で食べるアイスには、背徳感があって、美味しさが倍増するような気がする。
「一口ちょうだい」幼馴染は言った。
言うが早いや、スプーンに載ったアイスを口に入れる。
ずるいのはどっちだ。
心臓が落ち着かなくなる。
お父さんはお母さんが死んでから、お酒の量が増えた。
食後に350ml缶を1本呑むのがやっとだったのに、今は500ml缶を呑む。
酔いが回ると写真立てを抱えて、眠りをつく。
写真立ての中の写真は、最後の家族写真だ。
笑っているお母さんが映っている。
寝息を立てたお父さんに毛布をかける。
幼い恋だった。
松の木の下で別れたのは、『松』が『待つ』に繋がるからだ。
君は泣く。
僕まで泣いてしまったらいけないような気がした。
だから、唇をかみしめた。
「また会えるよね」君は嗚咽の合間に尋ねた。
「ああ、二人が望めば邂逅するだろう」僕は力強く断言した。
信じることしかできない。
夕焼けで二人きりの教室は染まった。
君の輪郭が黒く長く伸びる。
それを踏んでしまったようで、君を捕まえたような気がした。
僕は勇気を奮って、恋の告白というものをした。
君は満面の笑みを浮かべながら、僕の手のひらを握り締める。
「今日から恋人同士だ。よろしくお願いします」と君は言う。
国の人口すべてに統計を取った。
その中で、いわゆる天使シンドロームにかかっているのは1割という大きな数字を叩き出した。
ある日、肩甲骨の辺りに白い翼が生えてくる。
不治の病で、翼が生えてきた患者は1週間生きられない。
文字通り天使になるのだ。
政府はその真実を隠していた。
言い訳が多い人生だった。
風に揺れる花のように無心に咲いてみたかった。
懸命に生きる花たちは踏まれても、文句を言ったりはしない。
それで散ることになっても泣くことはない。
回り道遠回りが多い人生に疲れはててしまった。
もう一歩も歩きたくない。
次に生まれ変わることが出来るのなら花になりたい。
空を見上げれば灰色の空。
冷たい雨が降りしきる。
神剣・神楽の柄が滑るのは雨のせいか。
それとも同胞の血だろうか。
もう迷わないと決めたのに刃が鈍る。
死にたくない。
けれども同じ血を分けた兄弟のような同胞を殺すのは痛々しい。
殺さなければ殺されると分かっている。
青年は柄を握り直した。
ひとひらの花弁が風に舞っていた。
ひらひらと降る様子は波を思い起こさせる。
僕は下を向いて涙を滲ませる。
君と最後に海に行ったのはいつのことだろうか。
童心に帰って波打ち際を裸足で歩いた。
口の中は塩の味がした。
どちらともなく手を繋いで、とりとめのない話をした。
想い出は哀しかった。
酔いが回ってくれば、恒例の罰ゲーム。
幹事の準備が良く王様ゲームをすることとなった。
「2番の人が9番の人に、手を握る」王様になった同級生が言う。
眼鏡をかけた大人しそうな同級生が2番の帽を見せる。
飲み会なのに一言も言葉を交わしていない。
恥ずかしそうに、両手のひらを両手で包む。
『そこに私が居なくても』

きっとあなたは、そこに私が居なくても微笑むのでしょう。
作り物じみた笑顔で、日々を送るのでしょう。
寂しさを、そっと胸に収めて。
だから、私は泣くことをしないと心の中で約束をします。
あなたが居なくても、大丈夫だと微笑むでしょう。
言葉にしない約束です。
『恐らくそこに存在する恋』

君の気持ちは分からない。
僕の気持ちが通じているのか、それすら分からない。
ただ二人で夕焼けを見た瞬間、通じるものがあったと思った。
恐らくそこに存在するのは恋だと思った。
まだ愛にならない気持ちは揺れている。
太陽が沈みきるまでに答えが出るだろうか。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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