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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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「iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは相手を楽にするための嘘でした。
「絶対にあきらめたりしないよ」、と。
君は何も知らないままでいて。」

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大丈夫と自分に言い聞かせながら嘘をついた。
それは相手を楽にするための嘘だった。
「絶対にあきらめたりしないよ」と。
それがどれほどの努力が必要なのか、君は何も知らないままでいて。
その方が僕の負担も軽くなるから。
大丈夫、大丈夫と自分に嘘をつく。
これが最後の嘘なのだから大丈夫と。
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君に最後まで伝えることのできない一言があった。
ずっと胸の奥底で眠っていた感情がこみあげてくる。
でも、伝えたら君の負担になるだろう。
『また、明日』と別れることができないのだから、黙っていた方がいいのだろう。
精一杯の笑顔を浮かべて、違う言葉を君に告げる。
君も微笑んでくれた。
『キスには魔法がかかっているから、運命の人に出会うまでしてはいけないの』
くりかえされる母の言葉に聞き飽きていた。
運命の人なんて、そう簡単に分かるものなのだろうか。
社交界にデビューする歳になり、殿方と言葉を交わすようになった。
バルコニーに涼んでいたら、不意打ちにキスされた。
世界を支える女神の化身だと名乗った。
確かにキラキラと輝く星のような光を纏っていた。
僕は女神の化身を避けて通学路を歩いていこうとした。
そうしたら首根っこを掴まれた。
女神の化身とやらも手荒いようだ。
「何故、無視をする」女神の化身は言った。
「世界を救うことに興味がないので」
眠り姫は幸せな夢を見ているのだろうか。
満面の笑みを浮かべながら、騎士の両手をぎゅっと握る。
小さな手から伝わるぬくもりは、幸福のようだった。
眠る前は怖がっていたのに、寝物語をしたら、すっと眠りについた。
騎士はその様子を見て笑む。
眠り姫が目覚める時まで、小さな手を握っている。
『もう捨てるバスケットシューズ』

独り、練習を重ねた。
バスケットシューズはくたくたになっている。
いつかは華やかな舞台に立てると信じていた。
けれどもメンバーに選ばれることはなかった。
そのまま卒業の歳になってしまった。
こんなバスケットシューズを必要とする奴なんていないよな。
『見せてごらんよ嘘を』

森の奥の一軒家に住む老婆は魔女だと言わられている。
どんな魔法を使えるが、必ず代償を求めるという。
青年はどうしても叶えたい願いがあって魔女の元に訪れた。
ノックをすると扉は自然に開く。
青年は薄暗い部屋の中に入ると、老婆のローブを掴んだ。
若い娘がいた。
『午前2時のウソ』

意を決して電話をかける。
できるだけ陽気な声で「今、暇してる?」と話しかける。
電話口の相手が警戒しないように。
「また、お酒呑んでるんでしょ」面倒見のいい彼女が言った。
どうやらウソはバレなかったようだ。
「失恋しちゃってさ。やけ酒だよ」と笑い声を混ぜる。
「iotuは、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「いなくなったりなんてしないよ」、と。
どうか嘘だと気づかないで。」

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僕はいっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をついた。
それは現状打破のための嘘だった。
いつまでも膠着状態な関係を変えるための最後の嘘だった。
「いなくなったりなんてしないよ」と。
どうか嘘だと気づかないで。
明日の朝がきて、僕がいないことを嘆いたりしないで。
僕は君のために旅立つのだから。
君は二人の距離感に困っている。
ずっと一緒にいたから迷う気持ちも分かる。
幼馴染から恋人にステップアップしたのだ。
もう境界線なんていらない。
君のひんやりとした手を握る。
幼馴染の頃に繋いでいた手とは違い、力強く握る。
君は僕の瞳を途惑うように見つめる。
でも振り払うことはなかった。
幼馴染に今夜観るDVDを託す。
この前、散々怒ったのでまともなものを選んでくることを祈る。
とはいえ、ジャンルの指定をしなかったので、今日もハズレを引くかもしれない。
枝の数だけあるタイトルの中で、幼馴染は何を選んでくるのだろうか。
それが楽しみでもある。
だから特に告げずに任せた。
今日も満員電車に揺られる。
電車のリズムに合わせて、スカートの上からふれられる感触。
私はげんなりとした。
制服が可愛いと評判の学校だから、よくあることだった。
私は勇気を出す。
仕方なく、顔を見られない相手の両手に爪を立てる。
先輩たちは安全ピンを刺すというのだから、可愛いものだ。
『貴方とは越えられなかった日々』

一生に一度の恋だと思った。
これ以上の恋はないだろうと思った。
なんでも一緒にやった。
なんでも一緒に過ごした。
何もかもが初めての二人には新鮮な日々だった。
そう別れさえも。
今は違う人を愛している。
貴方とは越えられなかった日々を思い出しながら。
『手紙をもらった』

いまどき、古風だと思った。
体育館の裏に呼び出すなんて。
それも直接、告げられたわけでもなく。
下駄箱に白い封筒を入れて、何年物の恋愛小説だろう。
「どうしたの?」靴箱が隣の友人が尋ねた。
「手紙をもらった」と私は白い封筒を見せる。
「情熱的だね」と友人は笑う。
『あと3分だけ恋してて』

私たちの関係は破局に向かっていることは分かっていた。
それでも、あがきたかった。
ここでおしまいなんて、区切りをつけたくなかった。
「あと3分だけ恋してて」と私は言った。
「分かった」とあなたは口を閉じた。
その唇に唇を重ねた。
これで恋は終わらなくなる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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