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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『私の好きが、貴方の思い出になりますように…』

貴方がこの町から去ると知った。
ずっと片想いをしていた貴方がこの風景からいなくなるなんて。
伝えようと思うまでずいぶんな時間が必要だった。
私は勇気を振り絞って告白をした。
私の好きが、貴方の思い出になりますように……。
願った。
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『君がくれたレモンティー』

君はいつもストレートのアイスティーを飲んでいた。
真似をしてこっそりと家で飲んでいた。
それなのに、その日分けてくれたペットボトルは違った。
君がくれたレモンティーは『初恋』の味がした。
ちょっと酸っぱくて甘い、レモンティー。
「君に似合いそうだから」
「iotuは、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をつきました。
それは歩き出すための嘘でした。
「すべて夢でも構わない」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

------

僕は、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をついた。
君と別れて歩き出すための嘘だった。
「すべて夢でも構わない」と。
その夢は君と別れてまで叶える価値のあるものなのだろうか。
君の涙に釣られるように、目の奥が熱くなる。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
泣くのは独りでこっそりとする。
運命というのは残酷だ。
アカシックレコードに記されたようにやってくる。
これ以上、君を泣かせることはないのかと思ったら、マシなような気がした。
いつもの時間に病室に顏を出した君に告げる。
「明日死ぬんだってさ、今のうちにお別れの挨拶をしとけって死神に言われた」やっぱり君は泣いた。
「もう一度、好きって言って」少女は懇願する。
両想いになったという実感が欲しかった。
長いこと片想いをしていたから、突然の告白はにわかに信じがたい。
「何度でも言うよ。君が呆れるまで。僕は君が好きだ」と少年は少女の髪を撫でながら言う。
不安を溶かしていくような仕草に胸が高鳴る。
湯船に浸かりながら、今日あったことを振り返る。
一番、驚いたのは昼の散歩のときだった。
折々の花を咲かせていた家が樹木を伐採していた。
その代わり味気のないコンクリートの駐車場になっていた。
もう花々を楽しめないと思ったら、狼狽する。
日常の微かな楽しみだったのに。
ためいきをつく。
空調の効いた部屋は暖かいを通り越して暑い。
まるで夏に巻き戻ってしまったようだ。
まあ、こんな暖かい部屋で食べるアイスは至福なものですが。
君は炬燵の中にもぐってだらんとしていた。
「アイス、食べるか?」俺はとりあえず尋ねてみた。
すると君は上目遣いで、俺の手のひらを触れ合わせる。
『馬鹿だね。って伝えておいて。』

『最後に伝えておきたいことがありますか?』と淡々と男性は言った。
病室で訊くことではないと思ったけれども、笑顔が零れてしまった。
最後か、と思案する。
『馬鹿だね。って伝えておいて。お願いね』と枕から頭を上げられず、視線だけで男性を見た。
『体が君を覚えている』

独りになるのに慣れなくて、連日友だちとお食事会を開いた。
最初は『いいよ、いいよ』と失恋に気を使ってくれた友だちも、度重なると渋るようになってきた。
夜、電気を消す時が一番つらい。
体が君を覚えている。
傍らに君のぬくもりがないことを『違う』と訴える。
『君ぐらい泣いたらよかったのに』

別れ際、私はぐずぐずと泣いてしまった。
次に会う約束もあるのに、忙しい貴方を引き止めてしまった。
清潔なハンカチを差し出された。
それを汚すのが悪くて、首を横に振る。
「どうやら俺は薄情なようだ。君ぐらい泣いたらよかったのに」と貴方が苦笑する。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。」

------

僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
それは最初で最後の嘘だった。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と。
それで君が楽になるのなら、それでいいと思った。
声は上擦っていなかっただろうか。
初めての嘘だったから、君は気がついただろうか。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。
幼なじみから鼻先にキスをされた。
「酔ってるな」と僕は冷静に言った。
幼なじみはすでに3缶目の缶チューハイを空にしていた。
幼なじみはクスクスと笑う。
「頬が赤いのも気のせいってことにしてあげる」と言う。
それはこっちの台詞だ。
キスなんてしたのは酔っているせいだってことにしてやる。
雲も浮かばない絶好の夜だった。
月が徐々に欠けていく。
僕は立ちつくしてそれを見守る。
皆既月食の夜だった。
完全に見えない月の代わりに星々が夜空を彩っているようだった。
ほんのひとときの暗闇から月が円く姿を現していく。
欠け始めて、満月に戻るまで僕は華やかな天体ショーを眺めていた。
正義とはどこにあるものだろうか。
正義のためなら、何をしてもいいのだろうか。
どんな言い訳も通用してしまうのだろうか。
兄が酔った武士に辻斬りされた。
兄は抵抗する暇なく滅多切りにされたという。
私には復讐の機会すら、与えられなかった。
兄を斬った武士というのが尊い立場だったからだ。
いつまでたっても手を繋いでくれない彼。
忘れられない誰かがいるのだろうか。
あなたのあたたかさを感じたいのに、誰かさんに嫉妬してしまう。
我慢の限界がきて「手を繋いで」と言ってしまった。
彼は恥ずかしそうに、指先を両手で包む。
「君を壊してしまいそうだから、これで我慢してくれる?」
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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