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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『私は、あなたの思い出になれましたか?』

一緒に並んで歩いた道も、アスファルトに変わりました。
クローバーを探した空地も、マンションが建っています。
小さな町はあなたがいない間に、発展していきました。
私は、あなたの思い出になれましたか?
私はあなたを思い出にできませんでした。
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「iotuは、ひどくためらいながら最後の嘘をつきました。
それは相手の幸福を祈る嘘でした。
「幸せなんて、どこにもないんだ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

------

僕は、ひどくためらないがら最後の嘘をついた。
それは相手の幸福を祈る嘘だった。
君を傷つけてしまうんじゃないか、と心配になりながら紡ぐ。
「幸せなんて、どこにもないんだ」と。
見えないだけで身近に幸せはある、と僕は知っている。
・・・うまく笑えたかな?
君に僕の気持ちが届いたかな。
「吐いた嘘を見抜いてしまう、貴方が嫌い」と少女に言われてしまった。
青年はどう切り抜けるか、と思考を巡らす。
少女は嘘が得意だ。
まるで空気のように嘘を吐く。
その嘘も他愛のないものだった。
自分のためじゃなく、相手のために嘘を吐く。
今だって嘘を吐いた。
嫌い、の反対だと知っている。
同胞たちは歪んだ遊戯に夢中だった。
自分の生命を賭けた死闘だというのに、楽し気にやってくる。
まるで死ぬ場所を探しているようだ、と青年は思った。
首を落とさない限り、いくらでも回復する体を持っているから、死は怖くないのだろう。
青年は神剣・神楽を抱えて、本日の戦闘の場所についた。
国語の授業は苦手だった。
特に教科書を読む順番が回ってきた時は最悪だった。
クラスメイトの嘲笑が耳の奥で反響する。
つっかえつっかえと朗読する僕は格好の笑い種なのだろう。
先生も分かっているのに見て見ぬ振りをしていた。
誰も僕を助けてくれないかと思うと、学校までの道のりが重かった。
思い出は甘く、切なく、色褪せない。
君に好きだと言えたらどんなに良かったのだろう。
僕と君が交差したのは文化祭の後夜祭だった。
キャンプファイヤーに照らされた君は美しかった。
フォークダンスの順番が回ってきた。
仕方なく、君の指先を握る。
それだけのことだったのに、僕の心は踊った。
『エンディングはいつだって、独り。』

また私の恋は終わってしまった。
スタッフロールも流れて、映画館に模した胸にはライトがついている。
エンディングはいつだって、独り。
恋は誰かと始めるのに、終わりは独りぼっちだ。
だから遠慮なく声を上げて泣く。
感動の涙と勘違いされてもいい。
『どうやって君を好きになったらよかったのか。
 今でも分かんないよ…』

傘を忘れてずぶ濡れになった二人。
コンビニでも寄ればよかったのだろうが、別れ話の最中だった。
「どうやって君を好きになったらよかったのか。今でも分かんないよ…」僕が弱気に言った。
君の瞳には涙のような雨。
『いいよ。君の言い訳ぐらい、持っていくるからさ。』

『いいよ。君の言い訳ぐらい、持ってくるからさ。好きなだけ言いなよ』とあなたは、なんでもない風に言った。
実際表情も穏やかで、言い訳をぶちまけたくなった。
けれども私は「ありがとう」と微笑んで、口をつぐんだ。
言い訳は醜い。
「iotuは、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をつきました。
それはきっと必要じゃない嘘でした。
「ずっと君と一緒だよ」、と。
君は何も知らないままでいて。」

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僕は、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をついた。
それはきっと必要じゃない嘘だった。
「ずっと君と一緒だよ」と。
『ずっと』なんて、どこにもないことは君も知っているだろう。
いつか必ず来る別れの時まで、君は何も知らないままでいて。
僕が君と『ずっと』一緒にいたいだけなんだ。
僕と君はよく似ている。
好きな季節、好きな色、好きな食べ物……そして好きになる人。
だから、いつも二人して振られるところも同じだ。
今度こそは僕を選んでほしいと思ってしまうが、サイコロはまだ投げられていない。
愛する人と、僕と君とでクリスマス会をすることになったのは、幸運だった。
ボールペンは滑らかに便箋の上を走る。
一緒にいられないことに慣れることができない。
『元気ですか?』の後に『私は元気です。』と書くことができない。
その代わりに深紅に染まった枯れ葉を一葉、封筒に忍ばせる。
風変わりな手紙は心配させてしまうだろうか。
声が聴きたくて静かに涙を流す。
夜が長いことを利用して、季節外れの肝試しをすることになった。
場所は近所の霊園。
街灯もなく、霊たちが静かに眠っている。
そんな場所で騒ぐのは罰当たりかもしれない。
くじ引きで決まった友人は顔が真っ青だった。
「怖いのか?」と尋ねれば頷く。
壊さないように恐る恐る、腕を両手で包む。
スーパーで柚子を見た瞬間、タイムトリップしたような気がした。
冬至は昨日だったはずだ。
柚子の入浴剤を湯船にいれた記憶は、しっかりとある。
とすると、これは売れ残りなのだろうか。
黄色い実を売り場に戻す。
「また明日」と声にならない声で囁いた。
いくら見切り品でも贅沢だ。
『お前みたいになんてならないよ』

「また、別れたんだって?」俺は最新の情報を切り出すと、お前は笑った。
「クリスマスプレゼント貰ってからにすればよかったんだけど、つい」と軽い口調で言った。
「そういうあなたは?」とお前は尋ねる。
「お前みたいになんてならないよ」俺は呟いた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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