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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『もらった優しさは僕の後悔に似ていて』

君からはたくさんのものををもらった。
その一つ一つは宝物だ。
今でも思い出してはながめている。
君からもらった優しさは僕の後悔に似ていて、ほんの少し悲しい。
あの時、どう言えば良かったのだろう。
離れゆく君からたくさんのものをもらったんだ。
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「iotuは、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。」

------

僕は、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
君を傷つけると分かっていた。
それ以上に、君に振り回されるのに疲れていた。
「世界で一番、大嫌い」と、嘘をついた。
君の瞳は見る見る涙を湛える。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。
傷つけて思った。
赤い薔薇だろうか。
白い百合だろうか。
黄色の向日葵だろうか。
青いスターチスだろうか。
花のような君に似合う花は、どんな花だろうか。
どんな花も君の前では色褪せてしまうんじゃないかと僕は思った。
僕が精いっぱい考えた君に似合う花を抱えて、君に会いに行くよ。
僕の想いを伝えるために。
姿見の前でスーツに身を包む。
ネクタイを縛って、出社の準備はできた。
「良く似合っているよ」と姉が背を叩く。
本当は上の学校に進みたかった。
就職はもっと後だと思っていた。それが狂わされた。
我が儘を言えるほど豊かな家ではなかった。
奨学金も考えたが、あまり現実的な計画ではなかった。
掛け時計が深夜を知らした。
「子どもは寝る時間だぞ」と青年は言った。
少女はそれを無視してTVを観ていた。
青年はリモコンを取り上げ、TVを消した。
少女はようやく青年を仰ぐ。
「大人も寝る時間だよ」と少女は言った。
「明日も仕事なんでしょ?」少女は炬燵から出てTVの電源を入れる。
何かあったわけではない。
思春期だったら誰でも通る道だろう。
家出をしてきた少女を青年は匿った。
そのうち家が恋しくなって帰るだろう、と思っていた。
けれども少女は帰らなかった。
少女はベルの音にひどく怖がった。
上目遣いで、青年の腕にしがみつく。
家に戻されるのが怖かったのだろう。
『あの距離が愛おしい』

完全な片想いだと思っていた。
グランドを走る貴方を図書室の窓から眺めていた。
どれほど小さな影だろうが、貴方を見つけることができた。
それも青春の1頁だ。
貴方は私の隣にいる。
時たま、あの距離が愛おしいと思ってしまう。
もう2度と感じられない心の距離だ。
『言葉の波紋』

君が好きだ。
君が大好きだ。
そんな言葉は波紋になって、僕の心を揺らす。
君が好きだ。
君がたまらなく好きだ。
そんな想いは波紋になって、僕の瞳を釘付けにする。
言いたかった分だけ。
言えなかった分だけ。
言葉の波紋は揺れながら君に届く。
まだ恋を知らない無垢な君へと。
『手を伸ばして手に入れた信じられないもの』

君は絶対に手に入らないものだと思った。
遠くから見つめていられれば充分だと思った。
けれども、どうしても君が欲しかった。
玉砕覚悟で声をかけた。
すると君は優しく微笑んでくれた。
手を伸ばして手に入れた信じられないもの。
それは君自身だ。
「iotuは、夢を見るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「いなくなったりなんてしないよ」、と。
本当に、ごめんね。」

------

僕は、夢を見るような気持ちで最後の嘘をついた。
それは本音と真逆の嘘だった。
君の泣き濡れる瞳から涙を拭って優しく言う。
「いなくなったりなんてしないよ」と、嘘をついた。
本当に、ごめんね。
僕も君を置き去りにしていく。
でも、今だけは優しい嘘の中で揺蕩っていて。
目が覚めるまで。
一生のお願いを使い果たしてしまったのかもしれない。
学校一美しいと評判の女子に恋の告白した。
女子はOKしてくれた。
不敵な顔をして「私は高いわよ?」と確認した。
金の切れ目が縁の切れ目、と言われているだけある。
「大丈夫。君の好きな物は何でも買ってあげる」と僕は有頂天になっていた。
君は旅行雑誌を広げて、計画を練っていた。
僕はというと曖昧な相槌を打つだけだった。
君が楽しければいい、と思っていた。
旅行というものに、あまり興味がないのかもしれない。
「浴衣の着せ替え体験だって!」君は弾んだ声で言う。
「浴衣って着たことがないから、一緒に着ない?」君は言った。
その日も冷たい風が吹いていた。
太陽の光が眩しくてサングラスをかけた。
常人よりも淡い瞳には、陽光は強すぎる。
ふらりと出かけた先で心を撃たれる。
清楚を絵に描いたような女性が微笑んでいた。
一目惚れなんてものがあるのが、初めて信じられた。
窓ガラスの先で女性は男性と話しあっていた。
『当たり前の失恋』

臆病だった僕は君に告白できなかった。
友達と呼ぶには近すぎる距離にいたから、関係を崩したくなかった。
そうこうしているうちに君には彼氏ができた。
お似合いの二人だったから、誰も彼もが祝福した。
僕は当たり前の失恋をした。
勇気があれば違った未来だっただろうか。
『たった一年帰れなかった故郷』

仕事が忙しくてお彼岸も年始年末も帰れなかった。
社会人一年生なら当たり前なのかもしれない。
それだけ仕事に追われていた。
ゴールデンウィークに帰郷できた。
たった一年帰れなかった故郷は様変わりしていた。
まるで知らない他人のような顔をしていた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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