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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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ひっそりとした空き地で四つ葉のクローバーを探していた。
三つ葉なら見つかるのに四つ葉は見つからない。
どうしても君に渡したいのに。
幸せのシンボルはなかなか見つからないから幸せなのだろうか。
僕は諦めて三つ葉のクローバーを摘んで押し花にした。
それを栞にして渡すと君は喜んでくれた。
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冬の瞬く星を無視して、君の横顔に見惚れていた。
月のない夜に燦然と輝く星よりも、君の方が綺麗だった。
ふいに君が僕のほうを見る。
僕の視線に気がついてしまったのだろうか。
言い訳台詞を探していると、君ははにかむ。
淡い微笑みに心臓が飛び跳ねた。
「星が綺麗だね」君は優しい声で言った。
今日は二人が出会った記念日。
君はすっかりと忘れている。
そんな君を嫌いになれなくて、ただのデートになってしまっても良かった。
僕が覚えていれば良いだけなのだから。
さりげなく、自分の両手のひらに指を絡める。
ぎゅっと握った指先は、君との心の距離。
まだ僕は君の一番にしてもらえない。
『あなたの恋があまりに美しすぎて』

あなたの恋があまりに美しすぎて、私の入る隙間はなさそうです。
それが少しばかり切なくて、寂しい気持ちにさせました。
あなたはあなたのまま、恋をするのですね。
その真っ直ぐさは春を待つ花のようで美しい。
だから、あなたの恋が成就しますように。
『それはまだ名前のない想い』

淋しい時に寄り添いあった二人だった。
お互いのぬくもりを確かめるように手を繋いだ。
言葉なく、朝陽が来ることを待っていた。
そんな二人の間にある感情はなんだろう。
気がつけば隙間風に震えて、もっと近づいていくのだろうか。
それはまだ名前のない想いだ。
『恋になっていくなんて』

あの時の私は知らなかった。
こんなささやかなことで、恋になっていくなんて。
気がつけば視線が追いかけている。
気がつけばその背中にもたれかかってみたいと思っている。
あの日、あなたが「ありがとう」と笑ってから、私は恋煩いをしている。
治りそうもない病だ。
「君のことを愛している」君の耳元でささやいた。
「冗談ばっかり」と君はくすくすと笑う。
いつもの悪戯だと思っているのだろうか。
本気の言葉だったのに。
大きな瞳を覗きこめば、まったく警戒心のない光が宿っていた。
だから、その頬にキスをした。
僕の世界は君ででできていて、他には何もいらないんだ。
僕にとっては君が唯一無二の光。
暗闇が続く世界を照らしてくれる。
その光を見て僕は今日も生きることを頑張ろうと思える。
だから君よ、いつまでも僕と一緒にいてほしい。
ささやかなお願いだ。
「iotuは、感情を抑えながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。」

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僕は、感情を抑えながら最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
もうこれ以上、君に振り回されたくない。
「欲しい者は手に入れたから、もういいんだ」と。
もう、覚悟は決めたんだ。
一番欲しかった君の心が手に入らなかったけれどもそれでいいんだ。
せめて笑顔でお別れしよう。
明確に交わした約束ではない。
気がつけば、そうなっていただけだった。
雨の日の約束は、必ず相合傘で寄り道をして帰る。
傘を持っていくのは僕の役目だった。
それを損とは思わないのが、不思議なことだった。
寄り添ってささやかなことを話しあう。
傘の中で君の声が綺麗に聞こえるのはどうして。
蝶はさなぎの間、ドロドロに溶けるという。
そこからじっくりと美しい姿に変わるという。
さなぎから脱げた蝶は一シーズンもたずに消える儚い命だったけれども。
飼育箱で羽化が始まった。
アゲハ蝶は半透明の姿から色鮮やかな羽に染まる。
美しい姿を眺めて、自分もこんな風になれたらいいと思う。
パソコンの使い方も分からなかった昔。
ネットサーフィンができればよかった。
それが今や根性を出して、パソコンの修理屋さんになった。
電話一本でどこまでも出張する。
ダブルクリックも分からない相手に懇切丁寧に説明をする。
今日も仕事が入った。
ずいぶんと自分は変わった、と遠くを見る。
僕たちは校内一のバカップルと噂だった。
そんなことが気にならないぐらい僕は君のことが好きだった。
同じぐらい君も僕のことが好きだったら嬉しい。
今朝も同じ時刻の電車に乗って堂々と、両手のひらを触れ合わせる。
パチンと景気の良い音が鳴って、僕たちは笑いあった。
幸せをすぐ傍にある。
『好きまぎれにワガママを』

たくさんワガママを言った。
どれほどワガママを言っても叶えてくれた。
そんなあなただから、どんどん好きになっていった。
ワガママを言えるから好きなのか。
好きだからワガママを言えるのか分からなくなってきた。
好きまぎれのワガママを今日も言ってしまった。
『夕日カクテル』

失恋をして、涙を隠すためにバーに入った。
初めての場所は不思議と緊張しなかった。
カウンターに座ると「何にしますか?」とメニュー表を渡された。
酔えればいい、と思っていたから決めていなかった。
「おまかせで」とオーダーした。
夕日のようなカクテルが差し出された。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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