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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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卒業式という晴れの日に、青空が広がった。
雨が降らずによかった、と思った。
週間予報を毎日、ながめていた甲斐があったというものだ。
今日、卒業をする娘は袴姿で、はにかむ。
このご時世だというのに就職先は決まっている。
娘は独り暮らしを始めるのが不安のようだったが、何とかなるだろう。
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白い霧が街を立ちこめていた。
視界はまったく利かない。
今日こそ朝の写真をカメラに収めようと思っていたのに。
濃霧の中に、僕は飛びこむ。
これでは何も撮れないな、と思いながらカメラを構える。
薄ぼんやりとした太陽がファインダーの中に入った。
これはこれでいいのかもしれない、僕は思う。
眠りにつく幼い妹は可愛いおねだりをした。
「あのね。眠るまで手をつないでいて」とないしょ話をするように言った。
「いいよ。眠りにつくまで傍にいてあげる」と僕は言った。
恥ずかしそうにする妹の、指先を両手で包む。
僕よりもあたたかい手は、幸せな夢を見る準備を始めていた。
僕は微笑む。
『君は死すとも、恋は死せず。』

細い糸でつながった君と僕。
最後に会ったのはいつだっただろうか。
君に出した手紙がポストに舞い戻ってきた。
これで君と僕のつながっていた糸は切れてしまった。
あっけのないものだった。
それでも、僕のこの恋心は消えやしない。
君は死すとも、恋は死せず。
『許して欲しがり』

あなたには私というものがあるのに、蝶々のように、花かな花へと舞っていく。
『僕の本命は君だけだよ』と言うけれども、節操のなさが私の気に障る。
『誰も彼も魅力的だから許して欲しい』とあなたは悪気もなく言う。
許して欲しがりなあなたを甘やかしてしまう私も悪い。
『君の恋に一礼を』

いつも破れていて君の恋。
君はとってもいい人なのに、どうしてか恋が実らない。
きっと優しすぎるところが悪いのだろう、と僕は思った。
実った恋心を他の誰かに譲ってしまう。
そして泣き笑いをしながら、次の恋を探す。
そんな君の恋に一礼を。
僕が幸せにしてあげたい。
「iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それは傷をいやすための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
君は何も知らないままでいて。」

------

僕は、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた。
それは心の傷をいやすための嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と。
そんなことを言っても、痛みは変わらない。
それどころから傷は広がっているような気がする。
君は何も知らないままでいて。
悲しい顔は君には似合わないから。
待ち合わせ場所で10分前から待っている君。
そんな僕も5分前には到着してしまう。
僕を見つけて君が微笑む。
この瞬間の君が好き。
いつもうつむきがちな君が僕を真っ直ぐ見る。
僕だけのために笑ってくれる。
特別な瞬間は何度きてもいいものだ、と僕は思う。
独り占めの笑顔に僕も笑顔になる。
今日はテストの結果が廊下に張り出される日。
万年2位の少女は、今度こそ、と意気込んで廊下に向かう。
一番緊張する時間だった。
ゆっくりと白金色の頭髪の少年とすれ違う。
いつものように表情が薄い顔を見て、少女は結果が分かってしまった。
それでも諦めきれずに張り出された紙を見上げる。
秒針は規則正しく進む。
そろそろ集合の時間だ。
初めてのオリエンテーリングは楽しかった。
コンパスが示す矢印に向かって、歩いていく。
するとスタンプを持った先生が待っていた。
「お疲れさま。これで最後だよ」と先生はスタンプラリーのカードにスタンプを押す。
後はゴールを目指すだけだ。
『この恋は、まいかい、はじめましてで。』

彼は記憶を維持できない体質だった。
病気の一種だとは知っていたけれども昨日のことも覚えていられない。
それは辛いことだと思った。
そんな彼に恋をした。
覚えていてくれなくてもいい。
この恋は、まいかい、はじめましてで。
新鮮な気持ちになる。
『涙がスキなんて言うんです』

「相談ってどうしたの?」と私は明るい感じで親友に尋ねた。
付き合い始めたから、恋の悩みだろうか。
「彼が、涙がスキなんて言うんです」と親友は言った。
やっぱり恋バナだった。
でも変わった性癖の持ち主だったらしい。
確かに悩むことだった。
答えに困った。
『朝の海に夜の詩を』

夜に詩をつづった。
それをたずさえて、ひとり電車に乗る。
乗り継いだ先には海が待っている。
夜更かしをしたせいだろうか。
電車の中でうたた寝をしてしまった。
車窓から見る景色は、別世界になっていた。
まばゆい太陽が昇り始めていた。
朝の海に夜の詩をささげた。
「iotuは、幼子を慰めるかのように最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「すぐに追いつくから、先に行ってて」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

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僕は、幼子を慰めるかのように最後の嘘をついた。
それは君に対して、最初で最後の嘘だった。
「すぐに追いつくから、先に行ってて」と。
僕はこれ以上、君の悲しい顔を見たくないのだ。
君は振り返りながらダンジョンを進んでいく。
僕は安堵しながら見送る。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
没落貴族とはいえ、贅沢な暮らしが染みついていた。
家が傾くほどの贅沢三昧が、没落に拍車をかけたのだろう。
レディとかしづかれていた女性は、裕福な商人と結婚することになった。
お相手は二度と見られないほど醜くはなかった。
むしろ女性が放っておかないような容姿だ。
「私は高いわよ?」
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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