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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『友達。やめませんか。』

風が強くて、君の囁き声が消し去るほどの勢いを持っていた。
君の口はハッキリと動いた。
「友達。やめませんか。こういうの向いていないと思うのです」風が強い日だった。
それなのに君の小さな声が聴きとれた。
「じゃあ、明日からは恋人になる?」と尋ね返した。
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「iotuは、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

------

僕は、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をついた。
今までたくさんの嘘をついてきたけれども、これで最後にする。
それは自分が傷つくだけの嘘だった。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」と。
声が震えないように君に告げた。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
それならば嘘で固める。
「ねぇ、もしI love youを訳しなさいって言われたら、どうする?」君は楽しそうに僕に尋ねる。
月がない夜だったから、かの有名な文豪の言葉を引用できない。
自分自身の言葉で言わなければならない。
「君とずっと一緒にいたい」僕はストレートな言葉で言った。
正解だったらしい。
君は微笑む。
カーテンが風を孕んで、まるで妊娠したかのように膨らんだ。
それを見て、窓を開けっぱなしにしていたことに気がつく。
カーテンを引き、窓を閉める。
単純な作業だったけれども、昔はできなかった。
大きく広がったカーテンが幽霊や妖怪がいるように見えたからだ。
母を呼んで閉めてもらっていた。
青年は寝癖をつけたまま、少女から封を受け取った。
決まりきった、同胞からの死の円舞曲のお誘いだった。
神剣・神楽を手にしている青年は責任を果たすだけだ。
少女は不安そうに青年を見上げる。
青年はその頭を優しく撫でる。
「行ってくるよ」と青年は生と死の狭間に飛びこむ。
断ち切るように。
「これは罰ゲームなんだからね」と君が可愛らしく言う。
君は優しく、僕の両手をぎゅっと握る。
「今日いちにち、手を離したら行けないんだから」
その様子に、こんな罰ゲームなら何度でもやりたいと思った。
でも、そんなことを言ったら君の機嫌を損ねてしまうだろう。
だから僕は口をつぐんだ。
『気持ち替えの日』

制服を衣更えをするように、今日は気持ち替えの日。
心の中が済んでいくのが分かる。
今まで分厚いコートで守っていた心がカーデガン一枚ですむようになる。
あなたを想う気持ちも新鮮なものになる。
今まで以上に『好き』の気持ちは変わりないけど、もっと軽やかになる。
『それは、そう。透明に。』

「そんなに難しいことではないよ」と魔法の師匠が言う。
「少しばっかり、肩に力が入っているようだね」と師匠は僕の肩に手を置く。
「想像してごらん。それは、そう。透明に。綺麗な円を書いて」師匠は導くように言う。
壊れそうだった魔法の欠片が紡がれていく。
『素直にはさせない』

僕は君を素直にはさせない。
自分ばかり楽になろうと、吐き出す恋心を認めない。
もっと苦しんで、憎むぐらい強い気持ちを僕にぶつけてほしい。
だって、僕は君に告げられない恋心をずっと抱えていたのだから。
僕以上に辛い気持ちを抱きしめて泣きながら、告げてほしい。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「永遠を信じている」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

------

僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それは自分の幸せのための嘘だった。
決して、君のためのものじゃなかった。
我儘の延長線にあるような嘘だった。
「永遠を信じている」と。
そんなものはどこにもないことぐらい知っていた。
本音は仕舞い込んだまま。
僕は最後になるだろう嘘をついた。
機種変更して携帯電話からスマートフォンになった。
ショップでは返却するか訊いたけれども、携帯電話は持ち帰ることにした。
もうかかってくる電話はスマートフォンだけれども、学生時代の思い出が詰まっている。
二度とかかってこない番号の電話を眺めながら、少しだけ感傷的になった。
「今度の休み、どこかに行きたいところはあるか?」青年が尋ねた。
「え?」少女は瞳を瞬かせる。
「いつも家事をしてくれる礼だ」青年は言った。
「それなら海に行きたいです」少女は喜ぶ。
そして、電車を乗り継いで海へやってきた。
和やかな雰囲気だった。
このまま永遠が続けばいいと思った。
「手を繋いで帰ろうよ」君が言った。
「暑いから嫌だ」と僕は照れ隠しに断った。
「そんなこと言って、実は恥ずかしいんでしょ」君が図星を指す。
「そんなこと、あるわけないじゃないか」僕は慌てて言う。
君は無理矢理、両手に指を絡める。
春にしては暑い日だったけれども頬まで真っ赤になった。
「iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「全部忘れていいよ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

------

僕は、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をついた。
それは現状打破のための嘘だった。
君にもたれかかっている僕は情けない。
君から立ち上がるための嘘だった。
「全部忘れていいよ」と。
僕は心の中で『大丈夫』をくりかえして言った。
君は僕を見を見つめた。
僕は・・・うまく笑えたかな?
僕の向かい側に座って、カフェオレを飲む君。
学校であった他愛のない話をする。
ゆったりとしたソファ席で、話が弾む。
ゆっくりと話していたら、僕の飲んでいたブレンドはぬるくなっていたし、君のカフェオレは氷だけになっていた。
お別れの時間が迫ってきていた。
僕はこの瞬間の君が好きだ。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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