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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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「iotuは、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

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僕は、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をついた。
こんな悲しい嘘は最後でいい。
それは現実逃避のための嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と。
ただの強がりだ。
僕の地球は、君という太陽を中心に回っているというのに、でたらめな嘘だった。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。
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のんびりとお昼ご飯を食べていたら、お父さんが貧乏ゆすりを始めた。
いらだった証拠だった。
私はできるだけ早くご飯を食べようとする。
けれども、お母さんが「よく噛んで食べなさい」と言う。
二つの狭間に挟まれて、私はどうしていいのか分からなくなってしまった。
箸が止まってしまった。
その佳人は妖艶だった。
見つめられただけで、骨の髄まで蕩かせるような色香があった。
それゆえの罰を受ける。
官吏は悩む。
美しく生まれたのは、はたして罪なのだろうか。
美貌で天子を惑わせたのは、彼女自身の罪なのだろうか。
政をおろそかにした天子の方が罰を受けるべきなのではないのか。
遅いランチがてらにカフェに来た。
平日の昼間だというのに、座席は埋まっていた。
それだけ美味しいお店なのだろう。
僕はメニューを見ながら、そんなことを考えていた。
君は遠慮がちに「手を繋いでいい?」と恥ずかしそうに言った。
僕は君の両手を軽く握った。
君は「ありがとう」とつぶやいた。
『隣町まで撤退』

森から得体の知らない生き物たちがやってきた。
形は形状しがたい。
スライムのようにふにゃふにゃとしていて、弾力性があった。
火をつけても溶けることはなかった。
それどころか、異臭を放つ。
「隣町まで撤退だ!」村長が叫ぶ。
その叫び声に震えながら弟の手を強く握った。
『温もり詐欺』

隣にあった温もりが寝返りを打った。
そして胸を手で探るように撫でる。
「あなたって温もり詐欺よね」とほろ苦い笑顔を浮かべる。
「どういう意味かな?」と尋ねる。
単に興味があったから問うただけで、深い意味はなかった。
赤い唇は「こんなに冷たいもの」と耳元でささやく。
『旅の終わりに、私の横に腰掛けて。』

「お願いがあるの」故郷を離れる僕に君は声を掛けてきた。
僕は笑顔を作って「何かな?」と尋ねた。
「旅の終わりに、私の横に腰掛けて。それで旅を終えてほしいの」と君は僕の瞳を見て言った。
これから旅に出る僕には約束し難かった。
でも僕は頷いた。
「iotuは、少しだけ震える声で最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「永遠を信じている」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

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僕は、少しだけ震える声で最後の嘘をついた。
それは相手を守るための嘘だった。
「永遠を信じている」と。
万物は流転する。
変わらないものなど一つもない。
こうして君と過ごしている時間も永遠などではないのだ。
それでも君のために嘘をついた。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
君が笑うまでは。
君は僕のことを理解してくれる、この世でただ一人だけの人。
僕はどんな思いで、行動したのか、分かってくれる人。
僕がどんな気持ちで、言葉を発したのか、分かってくれる人。
そんな貴重な相手がすぐ傍にいるなんて、僕はどんなに幸せだろう。
だから、僕は君のことを宝物ように大切にするよ。
君は僕の運命の相手。
小指と子指が赤い糸が繋がっている相手。
ずっと探していた。
ずっと焦がれていた。
そんな君を見つけ、僕は幸福に酔っていた。
二度と離さないよ。
どんなに逆風が強くても、どんなに外野がうるさくても。
君は僕の半分なのだから。
ようやく巡り会えた永遠の相手なんだから。
湯船に浸かりながら、今日あったことを反芻する。
今日はむかつく相手をコンクリートの壁に追い詰めることができた。
涙ながら助けを求める奴の姿は間抜けで、スカッとした。
これで、もう俺には逆らわないだろう。
そう思うと嘲る笑みが浮かんだ。
明日の学校が楽しみだった。
どんな態度だろうか。
僕はソファの上で寝っ転がっていた。
微かに揺れるカーテンが気持ちの良い風を運んできてくれた。
僕は現実と夢の世界を行ったり来たりしていた。
すると、君が静かな足音を立ててやってきた。
ソファと僕の隙間にちょこんと座ったようだった。
君はぎこちなく、僕の両手のひらを触れ合わせる。
『涙の川のほとりで、思い出を。』

私は独りたたずむ。
今までは二人だったのに、今は一人だ。
涙を流し続けてできた川のほとりで、思い出に背中を押される。
この川に飛びこんだら、貴方と同じ場所に行けるかしら?
そんな愚かなことを考えてしまう。
そんなことは貴方は望んでいないだろう。
『サヨウナラは線路をはさんで。』

二人の帰り道は遠回りをする。
絶対に開かずの踏切を通る。
『開かずの踏切』の名にふさわしく、電車が何本も通る。
開くまで30分以上かかる時もある。
そこで必ず別れの言葉を口にする。
次に踏切が開く時には姿が見えない。
サヨウナラは線路をはさんで。
『二人の約束だったはずの、
 私だけの約束の行き先。』

白いドレスに白いモーニングで約束をした。
それはお互いの薬指に薬指を通すような純粋な約束だった。
それなのに私を置いて、貴方は逝ってしまった。
二人の約束だったはずの、私だけの約束の行き先。
誰が言おうとも指輪は外さない。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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