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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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黒に包まれた未亡人は歓喜する。
分からないように深々と下したヴェールの中で。
これで、晴れて自由の身だ。
二度目の結婚はないだろう。
夫は穏やかな人だったけれども、物足りないところがあった。
政略結婚の末だから、文句は言えなかったが。
初恋の青年には霞む。
誰にも言えない秘密だった。
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青年が微睡みを満喫していたら、少女がベッドの上に登る。
そして「もう昼ですよ。起きないんですか?」と青年の胴を揺する。
「疲れているんだ」青年は半分眠りながら答えた。
すると少女は軽々しく、青年の指先に爪を立てる。
まるで力加減の分からない子猫のように。
青年は苦笑して目を開けた。
『好きになんてなれるわけがない。』

そこそこの金持ちや政治家に関わる家ではよくあることだ。
子供の頃から見てきた風景だから、感慨もない。
ある日、振袖を着せられた。
とうとうその日がきたのだ、と知らせてくれた。
親が選んだ相手を好きになんてなれるわけがない。
それでも笑みを作る。
『桂五郎は後悔している。』

女の勘というものだろうか。
なんとなくピンときた。
桂五郎は後悔している。
わかるのはそこまでだ。
いったい何に後悔しているまでは分からない。
桂五郎とはそれほど深い関係ではない。
かといって見捨てておくほどの薄情さは持ち合わせていなかった。
声をかける。
『青春最後の1ページ。』

「桜、散っちゃうね」背後から声をかけられて、僕はびっくりした。
「僕達の卒業を惜しんでくれているみたいだね」と僕は振り返った。
君は少し残念そうな顔をしていた。
「何か用?」と僕は尋ねた。
「第二ボタンあげたんだ」君は俯いた。
それが青春最後の1ページ。
今日はパジャマパーティー。
集めた布団の上に色とりどりのお菓子が並ぶ。
これは美味しい、これはいまいち、と勝手な感想をつけながら笑いあう。
私は飲み物係だったからサイダーを持ってきた。
そこに軽い振動。持っていたペットボトルを落としそうになる。
無事だったからいいものを。
「iotuは、ひどくためらいながら最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「すべて夢でも構わない」、と。
これが本音なら、楽だったのに。」

------

僕は、ひどくためらいながら最後の嘘をついた。
それは最初で最後の嘘だった。
嘘をつくのが苦手だからためらうのか、君を欺くのが苦手だからためらうのか分からない。
「すべては夢でも構わない」と。
これが本音なら、楽だったのに。
君とみる夢は、どんなにか素晴らしいものだろう。夢想する。
まるでコンビニの気軽さのように、同胞は神剣・神楽を狙ってくる。
まるで己の命もコンビニで支払えるように軽々しかった。
青年にはたまったものじゃない。
いくら神剣・神楽に生命を回復する力があるといっても、微々たるものだ。
望まない戦場に立たされたことに決意をしなければならない。
少女の願いで、海へ来るのは何度目だろうか。
寄せては返すの波音を子守唄にうつらうつらとする。
全ての生き物は海から生まれた、という。
だから、少女も青年も海から生まれてきたのだろう。
懐かしがって、海へ行きたくなるのだろう。
少女は嬉しそうに、青年の腕を握りしめる。
波打ち際に誘う。
『恋開幕戦』

恋開幕戦が始まった。
誰もが自分の恋に対して真剣だ。
それは当たり前だ。
人生を彩るたった一つの恋なのだから。
ルーキーは自分の心に言い聞かせる。『大丈夫』と。
自分の積み上げてきた努力が背中を押す。
これから先、自分を見失ってしまうことがあっても『大丈夫』と頷く。
『君は明日へ。僕は昨日へ。』

帰っていこう。
もう二人では歩いてはいけない道を。
君は明日へ。輝かしい希望を携えて。
僕は昨日へ。抱えきれないくらいの想い出を抱いて。
還っていこう。
今日で君とはお別れになるけれども、それすら幸いだと思う。
そうしなければ悲しいから。だから笑おう。
『僕が君の言葉で踊ろう』

「お話を紡ぎたいのに、書けないの。スランプって言ったら大袈裟かな」君は寂しげな表情で言った。
書くことが好きな君が、文字を紡げないのは辛いだろう。
「僕が君の言葉で踊ろう。どんな言葉でもいいよ」僕は提案してみた。
「なにそれ」とようやく君は笑った。
「iotuは、穏やかに微笑んで最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「まだ一人で生きていける」、と。
これが本音なら、楽だったのに。」

------

僕は、穏やかに微笑んで最後の嘘をついた。
それは最初で最後の嘘だった。
別れゆく君を見送るための最初の嘘だった。
「まだ一人で生きていける」と。
これが本音だったら、楽だったのに。
君がいない世界で、僕は何度溜息を噛み殺していくのだろう。
君のいない世界で僕は作り笑いをするのだろう。
桜の下で君は立ち止まった。
ほろりひらりと花弁が君の頭に乗る。
僕も黙って、桜を見上げる。
こうして、君と見上げる桜は何度目だろうか。
沈黙の中で考える。
桜は花期が短いから、見頃を見逃すことがままあった。
今年はどうにか、間に合ったようだ。
散る桜が君の頭に乗ってベールのようだった。
受験校の校庭に張り出された紙。
友だちと真剣に受験番号を探した。
「あった!」と友だちが叫んだ、次の瞬間に私の番号を見つけた。
二人そろって合格した。
泣きそうになりながら、友だちと両手のひらを合わせる。
サクラサクだ。
これから、また三年間同じ学校に通うことになる。
私は嬉しかった。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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