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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『失望の光』

希望を失い、輝く未来を失った。
手の中に残ったのは失望だった。
手のひらをそっとを開くと、淡い光。
失望の光に僕は薄っすらと笑みを浮かべる。
「失望でも光るんだ」と独り言を零す。
ほのかにあたたかいそれを大切に上着のポケットにしまった。
いつか希望に変わるまで大切に。
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『インスタントラブソングを君に』

即興で作ったラブソングを君に贈りたい。
インスタントだけれども珈琲のような香りがするだろう。
コクがあって、少しほろ苦い恋の歌。
じっくり考えていたら、君に贈ろうという度胸も湧かないだろうからインスタントでちょうどいい。
受け取ってくれるかな。
『心の傷も
 おそろいね』

傷つけるつもりも、傷つけられれるつもりもなかった。
それなのに自然に傷ついてしまった。
心に残った痕は消えやしない。
それを悔やんでいると、君は笑った。
「心の傷もおそろいね」と僕の手を心臓の上に導く。
君の鼓動が伝わってきて、泣きたい気持ちになった。
「iotuは、穏やかに微笑んで最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「永遠を信じている」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

------

僕は、穏やかに微笑んで最後の嘘をついた。
それは君にに対しては最初で最後の嘘でした。
白尽くめの病室でチューブに繋がれながら、痛みに耐えながら、それでも微笑みを崩さない。
「永遠を信じている」と。
僕は穏やかに嘘をついた。
本音は仕舞い込んだまま。
君に知られることなく終焉を待って。
「どうしてキスしてくれないの?」不満そうに君が切り出した。
付き合って3ヶ月、そういったスキンシップを取ったことがなかった。
普通のカップルだったら、とっくのとうにすましているだろう。
「あまりにも君が大切だから、味わうように恋のステップを踏んでいきたいんだ」と僕は弱しく言う。
漆黒の夜、二人は並んで歩いていた。
ほんの少し歩幅の狭い君に合わせて、ゆっくりと。
「これだけ、暗いと星が綺麗だね」と君は僕に笑いかける。
闇夜だというのに、その笑顔はくっきりと僕の瞳は捉える。
『月がなくて残念』という言葉は君からはもれない。
君はいつでも面白いことを見つける。
表面にガーネットがはめこまれたロケットペンダントを開く。
中には肖像画ではなく、地図がはめこまれていた。
古い地図を頼りについたのが、目の前の廃墟だった。
幽霊でも出そうな雰囲気が漂っていた。
ロケットペンダントを握りしめる。
ここには『何か』が待っているのだ。
つきとめなくては。
これっていわゆるデートなんだから、手ぐらい繋いだ方がいいのかな?
恋愛経験知のゼロの俺は途惑う。
初めてできた彼女だ、大切にしたいという気持ちが膨れ上がっている。
遠慮がちに、自分の両手のひらを握り締める。
初デートで手を繋がれたら、馴れ馴れしいよな。
俺は心の中でためいきをつく。
「iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは相手の笑顔のための嘘でした。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」、と。
こんな酷い嘘は、もう二度と吐けない。」


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僕は、祈るような気持ちで最後の噓をついた。
誰に祈ればいいのか分からなかったけれども、それでも嘘をついたことがバレないように祈った。
それは相手の笑顔のための嘘だった。
君には好きな人ができたんだ。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」と。
こんな酷い嘘は、もう二度と吐けない。
白金色の頭髪の少年に舐められている。
少女がどれだけ努力しても万年2位だからかもしれない。
今度こそ、絶対1位を獲得したい。
そして、少年から讃嘆されたいのだ。
そのためにも、一秒たりとも無駄にしたくない。
手段と結果が逆転していることを少女は気づかない。
それでは1位は獲れない。
月の住人だった輝夜姫は罪を犯して、地上に転生したという。
月の住人から見れば、野蛮な地上の民。
輝夜姫は誰からの求婚を拒んだのも、それが原因の一つかもしれない。
物語の外は想像でしか埋められないけれども。
輝夜姫も育て親は確かに慈しむ。
それは月でも、地上でも変わらないだろう。
君が満面の笑みを浮かべながら、僕の指を軽く握る。
表情と裏腹に、ささやかな行動。
そんな君が僕にはたまらなく可愛くって、しっかりと君の指を握る。
君は恥ずかしそうに、視線を逸らした。
周りから、バカップルといわれてもかまわない。
だって、僕は君のことがこんなにも好きなんだから。
「iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
頼むよ、ごまかされてください。」

------

僕は、祈るような気持ちで最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
僕には君は重すぎた。
非力な僕では君を支えきれない。
本当は力になりたかったけれども。
「君にもらったものは全部返す」と。
温もり、想い出も、愛し合った日々も。
頼むよ、稚拙な嘘にごまかされてください。
「私たちに境界線なんていらない。そんな言葉で離れいかないで」君はまなじりに涙をためて言った。
それがあまりに綺麗だったから、手を伸ばしてしまった。
はらりと涙が散った。
ふれた涙はあたたかかった。
君を守るための境界線を破ってしまった。
ふれたら、離したくなくなる、と分かっていた。
並んでいた足音が一つになった。
少女は不思議に思って立ち止まる。
少年が遠い目をして、夕焼けを眺めていた。
沈みゆく太陽が空というスクリーンを赤く染めていた。
いつか見た夕焼けのようで、初めて見る夕焼けのようで、どこか胸に詰まるような光景だった。
少年の輪郭も、どこか淡かった。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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