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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「もう希望に捨てられるのはいやなんだ」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

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僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それはたぶん最低の嘘だった。
これから先、君とは離れ離れの道を歩む。
そのことを後悔しないように、嘘をつく。
「もう希望に捨てられるのはいやなんだ」と。
希望に告げる。
嘘だと見抜かれないように君の目を見つめる。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
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「もう黙っていることに疲れてしまったんだ」と幼馴染の青年が言う。
「君と彼では釣り合いが取れていないよ」はっきりと言われて、少女はうつむいた。
「付き合う前から、ずっと思っていた。だから言わせてもらうよ」青年は言う。
「ごめんなさい」少女は言う。
誰にいったい謝っているのだろう。
『雑踏ラブソング』

僕のラブソングは雑踏ラブソング。
群衆に紛れ、おしゃべりと言い訳が並んでいる。
本当は君には美しい景色を届けたいのに、流れるメロディは街の朝の景色。
忙しい会社員と登校する高校生と遊び盛りの大学生。
そんなものでできている。
こんなラブソングを貰って嬉しい?
『見逃してあげようか?』

好きな人が好きな人に告白している現場にぶつかった。
どんな答えが出るのだろうか。
気になって、身を隠し、成り行きを見守った。
そんな私の肩を叩くクラスメイト。
「意外な趣味だな。ストーカー?」クラスメイトは皮肉る。
「見逃してあげようか?」と甘く言う。
『いざ涙の池へ』

準備は万全だ。
シチュエーションもばっちりだ。
心配することは一つもない。
隣でうなだれた君の背を優しく叩く。
乾いた瞳が信じられないものを見るように見つめる。
そんな目で見られても大丈夫だ。
いざ涙の池へ飛びこまん。
そこでは、涙を流したことはバレないだろう。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「永遠を信じている」、と。
君は何も知らないままでいて。」

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僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
それは本音とは真逆の嘘だった。
そもそも嘘というのは真逆であって当然なのだろう。
震える手を拳として握りしめて「永遠を信じている」と君に言う。
まるで結婚式の誓いの文句のようだった。
君は何もしらないままでいて。
僕だけが地獄に行くから。
幼い少女は星に祈りを捧げる。
大好きなあの人が、誰のものにもなりませんように。
いつでも守ってくれる人は、そろそろ結婚を意識してもおかしくない年齢だった。
けれども少女はいまだ幼い。
できるだけ早く大人になるから、それまで待っていてほしいのだ。
白紙のように純粋な願いは時に残酷だ。
白金色の頭髪の少年に、いつか勝ってやる。
そのことを少女がもらしたら、親友が笑った。
「『いつか』って思っているから、1位になるないのよ」
イチゴミルクの紙パックを飲みながら親友は言った。
「今すぐに、勝つ。それぐらいの意思がなければ勝てないわよ」
親友は痛いところをついてくる。
少年はコンクリートの街を歩きながら、スマホで読書していた。
読みたい時に読める電子書籍は便利だ。
鞄の荷物にもならない。
少年は引っかかる。
読めない漢字が出てきた。
別タブを開いて検索をかける。
この著者の作品は好きなのだが、古典的な言い回しが多用される。
調べればすぐにわかるが。
青年が神剣・神楽を鞘に納めると同時に結界が解けた。
結界の外で待っていた少女が走りながら、近寄ってきた。
ついさっきまで戦場だった街も、普段通りの姿を見せていた。
血に塗れた姿の自分が浮く前に、路地裏に隠れる。
少女は泣き顔で、両手に指を絡める。
「無理しないでください!」と言う。
「iotuは、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をつきました。
それは前へ進むための嘘でした。
「もう、迷わないよ」、と。
本当に、ごめんね。」

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僕は、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をついた。
それは前へ進むための嘘だった。
「もう、迷わないよ」と。
本当はグラグラに迷っている。
君を置いて旅立つのがこんなにも辛いなんて知らなかった。
独りきりになった君を想うと胸が痛い。
それでも、僕は未来へ向かう。
本当に、ごめんね。と謝る。
「君は僕のこと好き?」ストレートに尋ねてみた。
すると君は白い頬を真っ赤にして頷いた。
「そうしたら、僕ら最強の両思いだね」僕は嬉しくって笑顔になった。
弾けるように、君は顔を上げる。
「僕も君のことが大好きなんだ」誤解されないように、真っ直ぐ伝わるように、僕はキッパリと言った。
「暗くなる前に帰ってらっしゃい」心配性の母が言う。
「大丈夫だよ。街灯もあるし、月だって明るいんだから」私は言った。
ランドセルを背負っていた頃とは違う。
少しぐらい暗くなっても平気だ。
「最近、物騒な事件が起きているでしょ?だから」母の言葉を遮るように「行ってきます」と言った。
寝癖のついた中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
青年は律動する神剣・神楽を手に外へ出る。
少女も無言でついてくる。
すでに張られている結界の中、青年だけが入る。
そして神剣・神楽を抜刀する。
襲いかかってきた同胞の首を落とす。
それは慈悲なのだろうか。
不老不死に近い者を殺めるのは。
向かい側からスピードを出したトラックがやってくる。
おしゃべりに夢中な少女は気がついていなかった。
少年は少女の肩をぎゅっと抱き寄せた。
トラックはスピードを下げずに通り過ぎていった。
危機一髪だった。
腕の中の少女は嬉しそうに、少年の両手のひらに爪を立てる。
「離してくれる?」
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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