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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『あなたを、思い出すことも
 ずいぶん、なくなった。』

あなたが突然いなくなった時は、悲しくなったし、恨んだりもした。
時が全て解決してくれるよ、と友達は慰めてくれたけれども、気持ちの整理がつかなかった。
それでも月日は流れる。
あなたを、思い出すこともずいぶん、なくなった。
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『確実な失恋日』

予感というものは当たらない方が良いものの方が多い。
最近、恋人の顔が暗い。
以前のように一緒にいて、楽しそうにしない。
何度か経験しているから、ピンときた。
そんな恋人からデートの誘いがきた。
確実な失恋日を迎えるのだろうな、と思ったら、ポロポロと涙が溢れた。
『明日帰るはずの故郷』

帰郷支度をしていたらスマホが鳴った。
液晶画面には『母』と表示されていた。
嫌な予感を覚えながら、電話に出た。
それは元同級生の悲報を伝えるものだった。
たった一つの思い出の故郷が喪われた。
明日帰るはずの故郷の荷物にブラックスーツを入れた。
涙が零れた。
「iotuは、小さく笑って最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「君が幸せなら、幸せだよ」、と。
・・・どうしようもないな。」

------

僕は、小さく笑って最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
「君が幸せなら、幸せだよ」と。
目を細めて僕は言った。
君だけが幸せじゃダメなんだ。
君と僕が一緒に幸せじゃないと意味がないんだ。
そう分かっていて、僕は君のために嘘をついた。
わがままな心は・・・どうしようもないな。
君が僕の夢の中に忍びこみ始めてから一年。
君と僕の接点は『クラスメイト』という微かな繋がりしかなかった。
君が僕の夢の中まで出てくるなんて恋をしたのかな、と思っていた。
それが夢を共有していることを知り、僕は驚いた。
だから、帰りの挨拶で、また夢の中で会いましょう。と君が笑った。
青年は喉の渇きを覚え、台所に向かう。
すると昼ご飯の下ごしらえをしている少女と顔を合わせることになった。
言葉をかける前に、少女は冷蔵庫を開ける。
綺麗に磨かれたグラスに麦茶が注がれる。
「どうぞ」と少女はグラスを差し出した。
わずかな変化も見逃さない少女との共同生活は順調だった。
街で君を見かけた。
まるで迷子になったようにおぼつかない足取りだった。
それが心配になって、あとをつけた。
街の雑踏に隠れてしまうような小柄な君を追いかけるのは大変だった。
君はふらりと路地裏に入った。
僕もかける言葉を探しながら、路地裏へ行く。
君は泣き顔で、僕の両手に爪を立てる。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それはきっと必要じゃない嘘でした。
「すべて夢でも構わない」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

------

僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
それはきっと必要じゃない嘘だった。
それでも自分に言い聞かせるためには必要だった。
「すべて夢でも構わない」と。
想いを遂げた後は虚しさが残るばかりだ。
これからは赤の他人として振舞う。
こんなにも愛しいのに。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。
「私たちって何なんだろうね」下校中の幼なじみが唐突に言いだした。
僕は自然に足を止めた。
夕闇に輪郭を淡くする幼なじみは、どこか泣き出しそうだった。
「この関係に名前を付けるとするならば、幼なじみだろう」と僕は言った。
「それ以外の関係になりたいって言ったら?」幼なじみが尋ねた。
大通りを歩いて、食べ歩きなるものをしてみたい。
違うものを頼んで、一口ずつ分けあいたい。
そんなことも許されない。
何故なら、私とあなたは秘密の恋人同士だったから。
お互いに抱えこんでいるものが大きすぎるから、想いが通じた後も周囲にバレないように、と。
そう約束をしたのだった。
お風呂場の掃除は慣れたものだった。
少女の日課の一つだったから当然だった。
けれども、その余裕が事故を起こした。
青年がお風呂場に顔を出した。
突然のことで、スポンジを踏んでしまった。
洗い場の床に転ぶ、そう思っていた。
違う痛みが待っていた。
青年が優しく、両手を折れんばかりに握る。
『あいつん家の枯れた朝顔』

夏休みの朝顔の観察日記も提出され、先生の赤ペンが踊る観察日記も返却された。
それでもあいつん家は朝顔があった。
どこの家でもとうに処分された鉢植えが、玄関に置かれていた。
それが俺には気になった。
まるでしおれた心を表すようなあいつん家の枯れた朝顔。
『鈍色は君色』

喪に服す、その意味合いを持つ鈍色の瞳を持つ君は、誰を弔っているんだい?
深く垂れこめた雲のような、降り出す前の雨雲のような瞳で何を見つめているんだい?
君の虜になって以来、鈍色は君色だと思うようになってしまった。
僕がいなくなっても影を君は探してくれるかい?
『君を傷つけた言葉の処理法』

世界には無数の言葉たちがあふれかえっている。
どの言葉も慰めになれば、刃になる時もある。
たった独り、うずくまった君は傷を隠そうとする。
心の奥底に沈めて、何もなかったような顔をして他人には、微笑むのだろう。
君を傷つけた言葉の処理法を僕は探す。
缶詰が開かなくて缶切りを探している最中だった。
「少年よ、大志を抱け!」何に影響されたのか、姉が言ってきた。
「それよりも缶切り知らない?」と僕は尋ねた。
「あんたには虚構の大志もないっていうの?」妙に突っかかってくる。
僕は首を傾げた後、缶詰を諦めた。
姉の手に乗せる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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