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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『家族のドアは閉じない』

結婚するにあたって約束事を決めることとなった。
円滑な結婚生活を送るための知恵というものだ。
『家族のドアは閉じない』というものがあった。
不思議そうに私が見ていると「喧嘩してもすぐ謝りにいけるだろう」と言う。
家族の文字に見ていたとは言えなかった。
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『私に守ってもらいなよ』

入学式をすましてから、学校は一斉休校になった。
授業はなく、課題はテキストのみを提出する形だ。
人見知りの激しい私は安堵していた。
ところが登校日がやってきた。
気が重い私は部屋でうずくまっていた。
すると遊びに来た親友が「私に守ってもらいなよ」と言う。
カラスの鳴き声が夕焼け空に映えて不穏を冗長させる。
「早く帰ろうよ」と私はあなたに言った。
「たまの休みだ。ゆっくりしていってもいいだろう?」あなたは微笑んだ。
そして私のつむじにキスを落とす。
「早く帰ろうよ」と子供扱いされた私は、くりかえし言う。
あなたは頭を撫でる。
「iotuは、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「もう、迷わないよ」、と。
胸の痛みは消えやしないな。」

------

僕は、いっそ滑稽なほど明るく最後の嘘をついた。
それこと遊園地のピエロのように。
それは相手を守るための嘘だった。
「もう、迷わないよ」と。君を真っ直ぐに見つめた。
君を守るためなら生命を差し出すのも怖くない。
けれども、最期だと思うと感傷が迫りくる。
僕の胸の痛みは消えやしないな。
君は僕に近づく。
そして、秘密を打ち明けるように耳元で囁く。
「ねえ、好きだって知ってた?」と君は言った。
僕の心臓は期待で高鳴る。
「何が?」平静な振りをして尋ねる。
君の笑い声がこだまする。
「私があなたのことを好きだ、ってこと。気がついていた?」君は楽し気に言った。
僕は頷いた。
「外に出たい!公園で遊びたい!」と私はわめいた。
「みんな我慢しているんだから、ダメよ」と母は困ったような顔をして言った。
「もう家の中にいるのはいや!」悲しくもないのに涙があふれてきた。
「もう少しの我慢だから、聞き分けてちょうだい」母は私の頭を優しく撫でる。
不満が溜まる。
それは木でできた模造刀だろうと、青年は膝をついた。
首に感触が伝わる。
「汝、死すまで忠誠を誓うか?」幼い声が言う。
「はい」と青年は誓う。
これまでいくらでも選択肢はあった。
けれども膝を折ってもかまわないと思ったのは、この幼い少女のみだった。
騎士叙勲の真似でも、青年には嬉しい。
今日は君と巡り会えた記念日。
そして、一年かけて仲良くなって、恋人同士になった記念日。
僕は堂々と、君の指先に触れる。
僕よりも低い体温にぬくもりを分けてあげたい、と思うんだ。
君は白くて細い指先を曲げて、僕の指を包む。
ひんやりとした君の指先も、僕のそれとも区別がつかなくなる。
「iotuは、ひどくためらいながら最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「もう希望に捨てられるのはいやなんだ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

------

僕は、ひどくためらいながら最後の嘘をついた。
それは自分の幸せのための嘘だった。
これっぽっちも君のことを思っていない嘘だった。
「もう希望に捨てられるのはいやなんだ」と僕は清々しいほどの笑顔を浮かべて言った。
言い出す時の表情とは正反対。それでいい。
・・・僕はうまく笑えたかな?
「何の用?」と君が尋ねた。
気がつけば君を視線で追っていたようだ。
ジロジロと見られても気分の良いものではないだろう。
僕は目線を逸らした。
そうして言い訳のような言葉を紡ぐ。
「目で追ってしまうのは、つい癖で」僕は言う。
他ならぬ君だから追いかけてしまう、ということは言わなかった。
少女は結界の前でふわりと微笑んだ。
「どうか、ご無事に帰ってきてくださいね」と涙を隠して言った。
神剣・神楽を持った青年の胸がチクリと痛んだ。
同胞同士の殺し合いを見せたくなかった。
少女には穏やかな日常を送っていてほしかった。
それが仮初のものでも。
青年は平穏な未来を決意する。
黎明の中、間者の生命を絶つのが人情か悩む。
見つかってしまった間者の生命は遅かれ早かれ霧のように消されるだろう。
ここで一思いに殺してしまった方が後腐れもなく、どちらにも利点があるだろう。
見逃して情報を筒抜けにする、という選択肢はない。
けれども一つしかない生命だ。そこに悩む。
「遅刻!」待ち合わせ場所で君は怒っていた。
携帯電話が普及した現在では、連絡もなしに遅刻すれば当然かもしれない。
「ごめん。何でも奢るから許して」と情けなく僕は言った。
「罰ゲームとして手を繋いでもらいます」と君は頬を染め言った。
僕はぎこちなく、君の両手のひらをぎゅっと握った。
日替わりのカレンダーめくると、片隅に小さく『小満』と書いてあった。
「お母さん、小満って何?」と私は尋ねた。
「自分で調べなさい」と母は言う。
「ケチ」私はすねた。
「晩ご飯をサービスしないわよ」と言われてしぶしぶ自分の部屋に戻った。
本棚から露草色の大きな辞典を取る。
『拍手かつ差異』

その拍手には絶賛する喜びと終わりゆく寂しさが含まれていた。
それは両立して差異はない。
そんな拍手だった。
それを受け取った公園のヴァイオリニストは深々とお辞儀をした。
たった一人の観客は、再び拍手する。
アンコールを求める拍手にヴァイオリニストは弦に弓を置く。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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