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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『思い出リサイクル法』

思い出ばかりを作る僕に君はしびれを切らした。
「これから法案を作ります」君は真面目な顔で言った。
「僕と君の間の約束だろう?」僕は微笑んだ。
「思い出リサイクル法です。これ以上、思い出を増やしてはいけません」
と無茶苦茶なことを君は言いだす。
僕は笑った。
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『夜夜中の攻防戦』

夜だろうか、夜中だろうか。
それは切って落とされた。
「これ以上、こっちに入ってきたらダメ」と君は防衛ラインを作る。
「入ってきたら?」と僕は尋ねた。
「枕を投げます」君は精一杯の怖い顔を作って言った。
僕は防衛ラインに指先を置く。
宣言通りに枕が飛んできた。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それはきっと必要じゃない嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

------

僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
それはきっと必要じゃない嘘だった。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と。
声が震えるのを感じた。
君に告げるのに、こんなにも怖かったんだ、と気がつく。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
ちっぽけな嘘をついた。
君はそれを信じた。
それだけだ。
君は泣きたい気分の時、決まって「大丈夫」と口にする。
涙を飲みこんで笑う。
だから僕は君の「大丈夫」が、大嫌い。
少しぐらい頼ってくれてもいいじゃないか。
そんなに僕は信頼できないかい?
君の涙ぐらい拭うことができるよ。
君の愚痴に何時間でも付き合うことができるよ。
それでも君は笑う。
風雅な招待状が舞いこんできたのは、少女が不在の時だった。
とりあえず出かける旨をメールにしたためる。
それから神剣・神楽を手にすると、青年は招待状の場所に向かった。
少女が晩ご飯の支度をするまでに片付ける。
きっと置いていかれたことを少女は気にするだろうから、白刃を抜き決意する。
少ないお小遣いをためてマグカップを買った。
貧相なものだとあなたは嘲笑するだろうか。
想像してみたら心が痛がる。
誕生日プレゼントは、結局しまったままだった。
どうしても、あなたに渡すことができなかった。
そんな弱虫な私は、胸が痛くなくなったら、あなたにマグカップを渡そうと思う。
思い出の中には決まって、君がいた。
どんな思い出の中にも、君の笑顔があった。
それにどれほど慰められたことだろう。
それにどれほど心強くあれたことだろう。
そんな君との最後の思い出は、胸の中に秘められている。
君は上目遣いで、僕の両手のひらを握る。
そして声にならない声で君は告げた。
『8月のメイビー』

たぶんそれはきっと初夏なんて生易しいものではなかった。
8月のような日差しで、僕たちを包んだ。
灼熱色に輝く太陽は、アスファルトを焦がして、僕たちの肌を焼く。
滝のように流れる汗にペットボトルは無力だ。
あっという間に飲みきってしまった。
そんなある日のこと。
『僕が生まれ変わる日はいつも雨』

何度目の転生だろうか。
何度目かの雨だろう。
気味悪がられるから、誰にも秘密にしていることがある。
僕は前世を覚えていて、何度も生まれ変わっている。
別に王様だったり、英雄だったり、人間の屑だったりはしない。
いつでも僕は平穏な暮らしをしていた。
『見事な君でありました。』

酷い言葉で別れを告げた恋人に、毅然と微笑みを浮かべてサヨウナラをした。
それを立ち会ってくれた親友は、恋人だった人の背が見えなくなるまで待ってくれた。
そして私を抱きしめてくれた。
「見事な君でありました。思う存分、泣いてくれたまえ」と親友は言う。
「iotuは、小さく笑って最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

------

僕は、小さく笑って最後の嘘をついた。
それは最初で最後の嘘だった。
君には知られてはいけない心の奥底。
安心させるように穏やかに告げる。
「欲しいものは手に入れたから、もういいんだ」と。
一番欲しいものは手に入れられなかったのに。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
笑顔を作れ、君のために。
どこまでも続く蒼穹に、籠の鳥はためいきをついた。
もう二度とあの青空を飛ぶことはできない。
自分で決めたことだけれども、籠の外へ出たいと願ってしまう。
そんなことをしたら両国に亀裂が走る。
大人しく籠の鳥として愛でられられていればいい。
窓から見える空の蒼さが誘うように恋しい。
「気に入らない奴はぶっ殺す」この国の姫は言った。
側仕えに任命された青年は眩暈を感じた。
「だって、私にはそれが許されているのよ」と姫は言う。
二度聞きしたくなるような現実だった。
帝国までの婚姻まで進むように円滑にしなければならない。
お淑やかな姫を演じてもらわなければならない。
ふといたずら心が湧きあがった。
あなたはどんな顔をするのだろう。
見てみたくなって優しく、あなたの手のひらにしがみつく。
あなたは困ったように微笑んだ。
それから「どうしたんだい?」とあたたかく尋ねた。
いたずらだと言えなくって、私は俯いてしまう。
あなたはぎゅっと手を握り返した。
『君の涙ひとつぶ

僕の胸を焦がして』

それはまるで灼熱のように
落ちた一滴だった

悲しみの色をしているはずなのに
燃えるような色に見えた

鉄板に落ちた涙のようで
すぐさま蒸発した

君の涙も隠した振りをしていたけれども
僕の心を揺さぶった

それだけ綺麗な涙だった
胸に痕を残していった
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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