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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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雲に覆われて銀河を見ることができない。
一つの星になってしまった妹の姿を見られない。
きらきら星変奏曲が好きだった妹は、神様に愛されたのだろう。
ランドセルを背負うこともなく、天国へと召された。
満天に輝く星の一つになってしまったのだ。
いまだに星を見ては胸が締めつけられ私は泣く。
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あなたはもう忘れてしまったのかしら?
ささやかな記念日だ。
忙しい日常の中では紛れてしまうのだろう。
デートできることを喜ばなきゃと私は思った。
ふいにあなたは「手を貸して」と言った。
嫌々ながらも、差し出して指をぎゅっと握る。
「間違えた。指を貸して」とあなたは薬指に指輪を通した。
『前衛的恋愛奇譚集』

作家が第一作に、と出版したのは短編集だった。
作家がどんな文章を書くのか、分かってもらえる短編集は人気がある。
通学、通勤の合間に読んでもらえる長さの話を集めましょう、と言った時は気がつかなかった。
作家が第一稿のタイトルを見て驚いた。
二度見した題名だ。
『神サマごっこ』

若くして、この国のトップになれた。
にじむような努力があったことは忘れない。
私はこの国を変えていくのだ。
それだけの人材を集めた。
誰もが食べることにも苦しまなず、勉学に励めるように。
傷つく子どもたちがいないように、制度を変えていく。
神サマごっこの始まりだ。
『騙った恋文』

胸にくすぶる想いを情熱的に騙った恋文を代筆。
こんなもので引っかかるような『恋』は所詮、お遊びだろう。
一睡の夢のように、華やかに舞う蝶のように、楽しみましょう。
便箋に口づけてから、封筒にしまった。
どうか良い夢を騙りあいましょう。
代筆を頼んできた相手を想う。
「iotuは、ひどくためらいながら最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

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僕は、ひどくためらいながら最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
心の叫びを吐き出すような嘘だった。
「世界で一番、大嫌い」と。
君に告げたところで、君は驚きもしなかった。
「知っているわよ」と君は嘘なのに微笑んだ。
これで良かったんだ。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
待ち合わせ場所に先につくのは、私の方。
彼はいつも遅い。
時間ピッタリに来ることも稀だ。
時間が過ぎて、姿が見えないことを不安に思うのは私ばかり。
何か連絡がないか、スマホを何度も確認してしまう。
もうこの恋は終わりなのかな。
私だけが想っている片恋に似ていて、心が揺れて哀しくなる。
燃えるように咲く花弁を噛む。
歯痕のついた花弁に満足して立ち去ろうとしたところで、侍女と視線が合った。
「お部屋にいなかったものですから」と侍女は明らかに狼狽していた。
僕はそんな侍女に近づいて、耳たぶを噛む。
花弁と同じように僕の歯痕が残る。
所有の証拠のように。
愉悦を感じた。
『ソーセー人』

現代の医学では治せない不治の病にかかった。
それを医師から宣告された時、目の前が暗くなった。
僕には、まだ輝く未来があるのだ。
そう、未来。実験段階だったコールドスリープの実験者に志願した。
そして目覚めた。
「ソーセー人だ」と言われた。
『早逝人』という意味か。
『僕は結局、君を信じていた。』

どんなに裏切られようと、何回裏切られようと、君の笑顔と言葉を信じていた。
噂が広がろうと、君の口から出されたものでなければ、耳を貸さなかった。
『あなたが一番、好きよ』と君は魔法の言葉を紡ぐ。
僕は結局、君を信じていた。
薬指に指輪をするまで。
『今さらだけどね』

君の薬指で輝く指輪の存在が境界線を引く。
こうしてバーに誘われたのも、長いこと友だちだからだ。
無邪気な君に他意はないだろう。
意識しているのは自分ばかり。
僕はずっと君のことが好きだった。
カクテルを手にする君を見て微苦笑を浮かべる。
今さらだけどね、と。
青嵐をやり過ごして、スーパーに向かった。
めっきり食が細くなった妹が「お姉ちゃんの炒飯が食べたい」と言ったからだ。
炒飯を生産するために、炊飯器に米をセットして、いざ出陣!
冷蔵庫の中は空っぽだったから、買わなければならないものはたくさんある。
それは妹の笑顔のためだ。
「iotuは、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

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僕は、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をついた。
それは現実逃避のための嘘だった。
何もかもが失うというのなら、最初からいらない。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と。
作り笑いを浮かべながら君に言う。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
永遠を君と誓いあいたいなんて綺麗すぎる夢だ。
母が亡くなってからというもの、父は研究により打ちこむようになった。
立ち入り禁止の研究室で、こもっていた。
そして、そんな父も亡くなった。
最期に研究室の鍵を託された。
四十九日をすましてから鍵を使った。
そこには母がいた。
「どうしたの?」と生前の母の声。
機械の母が私を抱きしめる。
たまにしか帰ってこない父が「相手側に失礼のないような」と僕に言った。
「相手はいつもと違うご令嬢なのよ。きちんと挨拶をするのですよ」着飾った母が言った。
招待された屋敷の中で、同じ年頃のどこか物憂げな雰囲気の少女と出会った。
「初めまして」僕は力強く、両手のひらを両手で包む。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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