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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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永くも短い人生を歩んでいれば、嫌なこともあれば、苦しいこともある。
毎日が生きているだけで精一杯になることもある。
私は日記帳に今日、発見した小さな幸せを書くことにしている。
振り返ってみれば案外幸せに囲まれていることに気がつく。
辛かったことは書かない。
後で読み返して辛くなる。
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宝石は持ち主に災難が降りかかろうとしていると濁るという。
母から譲り受けたアメジストの指輪が霞むような気がした。
「絶対、大丈夫!」と私は言った。
これは祖母の教えだ。
言葉には言霊が宿るから、良い言葉を使えば使った分だけ良いことが戻ってくる。
私は再びアメジストの指輪を見つめる。
『なごり恋も
 いつかは溶けるのだろう。』

なごりおしくあなたを見送った。
本当の気持ちは、あなたにどこまでもついていきたかった。
形見のようにあなたを想う恋だけが残ってしまった。
季節外れのこの恋も、いつかは溶けるのだろう。
なごり雪のようになごり恋は跡形もなくなるのだろう。
『最後に一命』

死ぬ覚悟はできていた。
死んだ後のことを遺書としてしたためて、目につくところに置いてきた。
それなのに死に場所で死ねなかった。
仲間は死んでいったというのに、自分だけ生き残ってしまった。
恥ずかしくて腹を切ろうと思ったが、最後に一命、残された命だ。
仲間を弔おう。
『嘘なら月曜日に』

「嘘をつくなら月曜日にして」と君は言った。
「君にどんな嘘をつくんだい?」僕は不思議に思って尋ねた。
「たとえば別れたくなった時とか」君は笑顔で言った。
「そんな日は来ないよ」と僕は必死に言った。
「日曜日は幸せを満喫したいから」と君は僕を見てやっぱり笑顔。
「iotuは、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それは傷をいやすための嘘でした。
「すべて夢でも構わない」、と。
こんなことしか言えないなんて。」

------

僕は、震えないように祈りながら最後の嘘をついた。
それは心に負った傷をいやすための儚い嘘だった。
「すべて夢でも構わない」と。
夢のような幸運に、こんなことしか言えないなんて。
嘘をつくにも、もっと気が利いた言葉は出てこないものだろうか。
夢でなくて真実だったらどれだけいいだろう。
青年は寡黙だった。
最初は怒られているのだろうか、と思っていたが言葉にするのが不器用なのだと知った。
それからというもの少女は安心した。
玄関のドアが開く音がしたから、お出迎えに向かう。
青年は無言で花束を差し出した。
(そんな不意打ち、ずるくないですか)少女は突然のことに驚いた。
春の情景だった。当たり前のように風に吹かれて、ひらりと花弁が舞った。
『散るからこそ、美しい』と言うけれども、いつまで散ってほしくない。
咲くのを楽しみにしていたから、その想いは余計だった。
最後につかんだ花弁は、本の中で押し花になっている。
季節を悼んで栞にするつもりだった。
幼少の頃からある思い出は根深い。
確かに母の言ったことを守らなかった私も悪いだろう。
けれども、そんな私は黙って置き去りにしたのだ。
家に帰る方法も分からない、そんな幼子を置いていったのだ。
私は泣きながらひたすら歩く。
『お母さんは私が嫌いなんだ』とそう思いながら私は歩き続けた。
『今度、遅刻したら罰ゲームね』と君が言った。
僕も頷いたけれども、案の定遅刻をした。
ずっと待たせていた君は怒ってなかった。
罰ゲームができるからだろうか。
「ごめん」僕は謝った。
「じゃあ、罰ゲームね。手を貸して」と君は言った。
さりげなく、僕が差し出した両手を折れんばかりに握る。
『私は、私の言葉達に喝采を、』

たくさんの言葉を綴ってきた。
まるで生きてきた足跡のように残っている言葉達。
痛々しい言葉もあった。
泣くことをこらえた言葉もあった。
喜びであふれる言葉もあった。
嬉しさに拍手する言葉もあった。
私は、私の言葉達に喝采を、贈ろうと思う。
これからも。
『君−私=?』

「君から私を引いたら、何が残るんだろうね」と目の前で宿題をしている人物が尋ねた。
ノートに写している課題は数学だった。
だから、そんなことを思ったのかもしれない。
僕は声を震えないように気をつけて「恋、じゃないかな」と言った。
できるだけさりげなく恋の告白した。
『卒恋アルバム』

恋を卒業する度に写真を撮っていた。
まるで終わりをいとしむように写真たちはアルバムが作れるほど多くなった。
楽しかった恋、苦しかった恋、喜びだけだった恋、涙だけだった恋。
色んな恋の形が残っていた。
アルバムに『卒恋アルバム』と名付けた。
君にも内緒の恋だった。
「iotuは、目をそらしながら最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
本当に、ごめんね。」

------

僕は、目をそらしながら最後の嘘をついた。
裏切るような気持ちがして、君の目を見つめられなかった。
見たら最後、嘘を見破られるような気がした。
それは本音とは真逆の嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と。
西から昇ってくる太陽のような大噓をついた。
本当に、ごめんね。謝った。
たった今、失恋した。
玉砕覚悟の告白だったから、最初から答えは決まっていた。
想いを伝えられただけでも、充分だった。
虫が好すぎるのだろうか。
ついてきてくれた幼馴染の胸に顔をうずめるのは。
落ち着いた鼓動が私に涙を誘う。
「よく頑張ったよ」と幼馴染は言ってくれた。
頭を撫でられた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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