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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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「流れ星が流れたら、何を願う?」僕は望遠鏡を覗きながら尋ねた。
「ナイショ。叶わなくなったら嫌だから」君はクスクスと笑いを含んだ声で言う。
「それは夢の話じゃないか?」僕にまで笑いが伝染する。
「そういう、あなたは何を願うの?」君が尋ねた。
願うのはただ一つの永遠。
君といる未来。
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カメラを買うのに友人に付き合ってもらった。
手軽に撮るだけならスマホで充分だ。
だからといって一眼レフを買うのは懐が痛い。
友人と堂々巡りになる。
売り場の店員さんが「どのような写真を撮りたいのですか?」と尋ねてくれた。
このままでは僕は許さないと思うほどの口論になるところだった。
身分の差など考えていなかった子ども時代。
貴族といえども末端貴族の出身の僕が王族である姫君にふれた。
軽々しく、指を握り締める。
「あなたはとても綺麗だ」と僕は告げた。
姫君は大きな瞳をさらに大きくして「ありがとう」と笑った。
その笑顔は可愛らしかった。
良い思い出の一つになった。
『いくつまで一緒にいてくれよう』

今日は一年に一度の君の誕生日。
めでたい日だというのに、君の顔はいつものよう。
毎年のことだけど、君は誕生日に悲観的だ。
「また死に一歩、近づいたのね」歳の数だけの蝋燭を見て君は言った。
「いくつまで一緒にいてくれよう」と僕は情けなく言った。
『死にたがりちゃんと、かまってくん』

「苦しまずに死ねればいいのに」と君は言う。
「君に死なれたら僕はどうすればいいの?」と僕は尋ねる。
「好きにすればいいと思うんだけど?」君は告げる。
「君がいない世界は想像つかないよ」と僕は熱心に言う。
死にたがりちゃんと、かまってくんだ。
『夜は1ページのように』

お気に入りの小夜曲を流して、窓辺であなたを待つ。
夜にしか出会えないあなただから、その輝きを待つのは楽しみであった。
夜半になってゆるゆるとあなたは、夜空に現れた。
欠けては満ちてはいくあなたは、本当に気まぐれだ。
そんな夜は1ページのように詩集は進む。
「iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは歩き出すための嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

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僕は、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をついた。
今まで君にたくさんの嘘をついてきたけれども、いよいよ最後の日がやってきた。
それは歩き出すための嘘だった。
「これ以上関わらないでくれ」と。
君を見捨てるように冷淡に告げた。
君の瞳が潤むのを見ながら、本音は仕舞い込んだまま。
あなたは憎ませれもくれない、ずるい人だ。
私の心を惑わすだけ惑わして、するりと風のように抜け出した。
私はあなたの顔を見るだけで心臓が締めつけるように痛むのに、あなたは飄々とした顔だ。
いっそ憎めれば、どんなに楽だろう。
今晩も瞳があなたを抱きしめるから、私は眠ることができない。
逢いたい気持ちが膨れ上がって手紙を書いた。
投函してから後悔をした。
まるでラブレターにみたいな文面の手紙を君はどんな気持ちで読むのだろうか。
顔から火が出るように熱くなってきた。
手紙を出したことを忘れようと深酒をする毎晩だった。
カタンと郵便受けが鳴った。
返事が返ってきたのだ。
休みの日だというのに僕はいつも通りに起床した。
スマホのアラームを切り忘れたのだ。
隣で眠っていた君が寝ぼけ眼で僕を見つめる。
焦点が合っていない目で「行ってらっしゃい?」と口唇が動く。
「まだ眠っていていいよ」と僕は君の眼の上に手のひらを置く。
君の睡眠時間は僕が守る。
君は眠る。
「出ていくの?」喧嘩の末に君は言った。
意地っぱりな君は『ごめんなさい』が言えないのは知っている。
でも、今回は君の方が悪い。
僕は無言で玄関の方へ向かう。
君は怒り顔で、僕の両手にしがみつく。
「話はまだ終わってないんだけど」と君は言う。
可愛らしく謝れればいいのにと僕は思った。
『僕のこと信じないでくれないか』

「僕のこと信じないでくれないか」複雑そうな顔をしてあなたは言った。
「普通は信じてほしい、じゃないの?」私は尋ねた。
「僕は嘘つきだから、君を傷つける嘘を簡単に言うだろう」あなたは眉間にしわを寄せていった。
「本当は嘘をつきたくないけれど」
『夢はそのまま明日へ向かう』

僕には叶えたい夢があった。
いや、叶えてみせる現実があった。
どんな手段をとっても、がむしゃらに叶えたい夢を見ていた。
夢は一歩一歩、未来に近づいてきた。
微睡みの中、見ていた夢はそのまま明日へ向かう。
僕にとって、怖いぐらいに現在に近づいてくる。
『どうせの一歩』

告白しても気持ち悪がられるだけだよな、と僕は呟いた。
親友が聞いていたようだ。
「どうしてそんなことを思うのさ」親友は言った。
「僕みたいな外見な彼氏なんて笑いものだろ?」どうせ、振られるに決まっている。と付け足すように言った。
「どうせの一歩を踏み出そうよ」
「iotuは、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「永遠を信じている」、と。
嘘だと言えたら、どんなに。」

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僕は、震えないように祈りながら最後の嘘をついた。
それは本音と真逆の嘘だった。
君の瞳を見つめて「永遠を信じている」と。
人間は刹那の生き物だ。
別れがいつくるか分からない。
永遠なんてものはなく、一瞬一瞬を生きている。
信じている君に嘘だと言えたら、どんなに。
解放されて楽になる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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