忍者ブログ
ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

突然怒りだしたり、唐突に泣きだしたり、次の感情が読めなかった。
それを素直に伝えた。
「女の子のこと知らな過ぎるのあなた、もっと思いやってくれてもいいのよ」と彼女が言った。
男兄弟で、女の子と付き合うのも初めてだ。
知らな過ぎると言われても仕方がないだろう。
でも、と思ってしまう。
PR
LINEのやりとりの途中だった。
さっきまで、すぐさま返事がきたのに、既読すらつかなくなった。
寝落ちしたのだろう。
それが寂しくって、トーク画面を未練たっらしく見つめる。
LINEじゃなくて、もっと一緒に話をしたかった。
直接、会話がしたかった。
それ望みすぎなのだろうか。
私は溜息をつく。
二十歳の誕生日に贈り物をされた。
それは薬指にぴったりな銀の指輪だった。
「先約だから」と彼は言った。
そんな言葉に私は照れる。
近い将来に誕生石がはまった指輪を贈られるのだろうか。
それは楽しみのようで、少し気恥ずかしかった。
「ありがとう」と感謝の気持ちを精一杯こめて私は伝えた。
皆既日食が見られる日だった。
指折り数えて、少女は楽しみに待っていた。
一週間前から天気予報とにらめっこをしていた。
それだというのに、雲が空を覆い隠して、皆既日食は観察できそうにない。
少女は泣きそうになりながら、少年の指先に指を絡める。
泣けなかった涙の分だけ少年は握り返した。
『僕に君の胸が「凡庸凡庸」とささやく夜』

二人して眠る夜は、あとどれぐらいあるのだろうか。
終わりが近いことを知っている。
僕に君の胸が「凡庸凡庸」とささやく夜に、僕の心が傷つくことを知っているかい?
君は知っていても知らんぷりをしているのだろうね。
だから終わりがくることも。
『夜だらけのころ』

それは、まるで人生が夜だらけのころ。
外灯を頼りに、うつむいて歩いていた。
一人分の足音が悲しかった。
明日来ることに怯え、朝陽が昇ることに期待していたころ。
明けない夜はない、というけれども、それはあくまで自然現象だ。
心の中にある夜まで通じるものではない。
『恋風は凪いでいた。』

ずっと好きだったのに、その熱量は下がっていた。
まるで潮の満ち引きのように、恋風は凪いでいた。
こんな気持ちでは、あなたには伝わらない。
どれだけ好きなのか、どれだけあなただけしかいないのか。
そんな想いは通じない。
荒々しい嵐のような感情こそふさわしい。
「iotuは、痛みを堪えながら最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「絶対にあきらめたりしないよ」、と。
こんなことしか言えないなんて。」

------

僕は、心の痛みに耐えながら最後の嘘をついた。
それは本音とは真逆の嘘だった。
「絶対にあきらめたりしないよ」と。
もうすでにあきらめているのに、君に強がりを言う。
嘘だとしても君には希望を持っていて欲しかった。
こんなことしか言えないなんて、僕も大概だな。
大嘘つきだ。
涙は零れない。
好きと嫌いが裏表のようだった。
薄っぺらい紙のように行き来ができるようだ。
どれだけ好きになっても、いつの日か嫌いになることだってあるだろう。
どれだけ嫌いであっても、何かの拍子が好きになることだってあるだろう。
心というものはそんな単純なことでできている。
だから諦められない。
生まれて初めての恋に、キャンディを舐めるように夢中になった。
彼女のすべてが素晴らしく見えた。
少し我が儘なところも可愛いと思ってしまうのだから、つける薬もないようだ。
この恋心が冷めないように、神様に祈った。
できることなら、そんな彼女と僕が両想いになれるように賽銭を奮発した。
羽根ペンの先をインクで染める。
そして用意した紙に魔方陣を書いていく。
魔法の枝を探す見習い魔法使いのために、お守りを作る。
魔法の短杖と良い出会いがありますように、と祈りを込めた。
所詮、師匠といってもできることはあまりに少ない。
ついてやってもいいけれども弟子のためにならない。
君は機械仕掛けの人形のように、ぎこちなく、僕の指先を折れんばかりに握る。
その痛みが別れることになった二人の心の痛みのように感じられた。
君の手から伝わってくるぬくもりは機械仕掛けではなかったけれども、作り物めいた笑顔がそう感じさせるのだろう。
もう『サヨウナラ』の時間だ。
『奇跡半額』

奇跡にも半額シールが貼られるようになった。
そんなありがたみのない世界でのこと。
見切り品の奇跡を買い物かごに入れた。
期待はしていない。
腹が膨れればそれでいい。
心が満たされることなんて、想像していない。
半額の奇跡なのだから。
高望みというものだ。
会計を済ました。
『君が想うほど、この恋は愚かじゃない。』

涙が枯れない夜もあった。
寂しくて寝つけない夜もあった。
全力で恋をした。
君が想うほど、この恋は愚かじゃない。
そもそも愚かだと決めつけるほど、君は恋をしたことがあるの?
恋の形は一つではない。
この恋は私だけのものだ。
君のものじゃない。
『今年流行りの失恋』

逢えない距離が恋を育てるというが、逢わなくなると自然と疎遠になっていく。
身近にいない分だけ、心の距離が離れていくのだ。
そんなわけで、私も今年流行りの失恋をした。
決め手は遠距離恋愛で、お互い仕事が忙しくなったからだった。
破れた恋にコンビニで酒を買う。
PREV ← HOME → NEXT
プロフィール
HN:
iotu(そら)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH