忍者ブログ
ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「そんな悪い奴じゃない。根は良いやつなんだ」と兄が言った。
兄の悪友は、大切に育てていたシンボルツリーの枝を手折った。
そのことは絶対に忘れない。
「だからといって理由にならないよ」と私は反射的に言い返した。
この家に越してきて、庭に家族で植えたシンボルツリーは大切な樹だった。
PR
気がつけば杯を重ねていた。
酔いが全身を周る前に帰らなければ、危険だった。
僕よりもジョッキを空けていた君は立派な酔っぱらいになっていた。
「帰るぞ」と僕が言うと「まだ飲み足りない」と君は駄々をこねる。
僕は恐る恐る、君の手のひらを軽く握る。
そして、その腕を引っ張って立たせる。
『未来とけるように』

食べかけのアイスがとけて、アスファルトの上に落ちた。
ぼとりと落ちたアイスを見つめて、もったいないことをしたなと思った。
暑い夏がやってくるような象徴のように見えた。
未来とけるように、アイスもとけていった。
ただの棒になってしまった残骸に、未来を重ねた。
『青春は変わったが、恋は変わったか。』

青春の形は変わってしまった。
花が散るように、舞うように散っていった。
あの時していた恋と、今の痺れるような熱い恋は、やっぱり違った。
君に青春は変わったが、恋は変わったか。と問いかけてみたい。
当時、淡く薄ぼんやりと恋にをしていた君へ。
『つまらない好きとかない』

「退屈で死にそうだ。そうだ俺と恋をしないか?」と青年は言った。
それを聞いていたのだろう。
少女は顔を上げて、青年を真っ直ぐに見すえる。
「つまらない好きとかないんだよ。退屈だからといって始まる恋はないんだよ」と言った。
青年はそう言った唇を奪った。
「iotuは、少しだけ震える声で最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「怖いものなんてないよ」、と。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。」

------

僕は、少しだけ震える声で最後の嘘をついた。
それは自分が傷つくだけの嘘だった。
君を傷つけずにすむなら、それで構わないと僕は思った。
僕は「怖いものなんてないよ」と告げた。
本当は君が僕から離れていくのが一番怖いのに。
本心を隠して嘘をついた。
君が嘘だと見破ってくれたらいいのに。
まるで鎖に繋がれているようだった。
彼の束縛は強く、他の男性と話しているだけで、彼は苛立った。
世間話の一つもできなかった。
彼の拘束は、徐々に強まっていった。
休みの日は、彼の部屋は監禁されているようだった。
だから私は別れを申し出た。
だってこんなの、愛じゃないと気がついたから。
『幸せになりたい』それが君の口癖になったのは、いつからだろう。
君は恵まれている方だ。
君より不幸せな人はたくさんいる。
そんな言葉は、君の慰めにならない。
君が幸せでない、ことは少しも変わらないことだから。
僕は君を幸せにしてあげたいけれども、その方法がちっとも分からないんだ。
母は瞬く星の一つになってしまった。
幼い妹はそれが理解できなくて、母に会いたいと毎晩泣く。
どれだけ説得しても、妹の涙は枯れないようだった。
本当は僕だって声をあげて泣きたい。
泣いたところで母の死は変わらず、修正できるものではない。
生命は一つしかないのだ。
それは分かっている。
君が『海を見たい』と言ったから、来た海。
海水浴の時期ではないから、閑散としていた。
君は裸足になって、波打ち際を歩いていく。
僕はそれをぼんやりと眺めていた。
寄せては返す波音が子守唄のようだ。
立ち止まっている僕に、君は無理矢理、指先を触れ合わせる。
水滴のついた指は冷たかった。
小さな頃から、ぞうが大好きだった。
春風が頬をなでていく季節に、動物園に行こうと誘った。
その時、君は和服で『歩きづらいから』と断られた。
どうせ、君は僕のことなんて好きじゃないんだ。
そう思いこんでいた。
季節は一つ進む。
スニーカーを履いた君が『動物園に行こう』と笑う。
『君は私の新しい恋を許すでしょうか。』

離れていったのは君の方。
開いていく距離に嘆いていたのは私の方。
決定的な別れの言葉はなかった。
ただ隙間が開いていっただけ。
そんな折に、私には出会いがあった。
君は私の新しい恋を許すでしょうか。
それとも、私はまだ君のものなのでしょうか。
『胸の孤独はひとり跳ねる』

ひとりでいることに慣れた、と強がりを口にした。
親友はそれ以上、踏みこんではこなかった。
だから私は唇に杯を当てる。
これからもこうして、誰かと呑むようなことはあるのだろうか。
スマホが鳴り親友は立ち上がって「またね」言う。
胸の孤独はひとり跳ねる。
『空は青さをどうしたの』

雨上がりの空は残念ながら灰色だった。
またすぐに雨が降るかもしれない。
今のところ不必要になった傘をふらふら振りながら「空は青さをどうしたの」と君は言った。
「雲の上は青が広がっているよ」慰めにもならないことを僕は口にした。
「そっか」君はつぶやいた。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。」

------

僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
声が震えそうになる。
それはたぶん最低の嘘だった。
「君と過ごした、くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と。
僕は言い放った。
もう、覚悟は決めたんだ。
どれだけ君に嫌われても、夢に続く道を真っ直ぐ進むと。
絶対に振り返らないと決めたんだ。
PREV ← HOME → NEXT
プロフィール
HN:
iotu(そら)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH