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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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着物の街だといわれ、五行に則った古都だとされる街にいても着物を着たのは七五三と成人式だけだった。
いつもはTシャツにジーンズだったから、身が引き締まるような気がした。
実家に片付けに来たついでにアルバムを開いたら懐かしい気持ちになった。
写真の中の私は緊張していた。
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『アンマッチングアプリ』

暇つぶしにネットサーフィンをしていた。
それぐらいネットに毒された俺は一つのアプリを発見した。
「アンマッチングアプリ、なんだそれ」と声に出して笑ってしまった。
気になったので、そのアプリをさっそくダウンロードした。
どんな結果になるだろうと期待する。
『ゆびきりげんまん、』

甲高い声が約束をしているのが耳に飛びこむ。
「ゆびきりげんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます」と幼い声が言った。
考えてみれば恐ろしい約束だ。
嘘をついただけで、針を千本も飲ませるのだ。
はて、その針を用意するのは、どちらなのだろう。
気になった。
『春、また君に恋をする』

季節が巡りきて、堅い蕾が綻んだ。
山桜と違い、少し薄い、白にも見える花弁がちらりと姿を現した。
ソメイヨシノだ。
品種名まで覚えてしまった花だ。
待ち焦がれて、咲くまで指折り数えて、毎朝咲かないかと見上げた。
春、また君に恋をする。
君はまるで桜のよう。
「iotuは、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
これが本音なら、楽だったのに。」

------

僕は、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をついた。
それは相手を守るための嘘だった。
君のためなら何だってできる。
君を傷つけないためなら、痛みをこらえることができた。
「君が居なくても何も変わらないさ」と。
僕は君を痛みから遠ざけようとしていた。
これが本音なら、楽だったのに。
君はどこまでも僕に優しかった。
まるで砂糖を煮詰めた甘さの君は、どんなことでも許してくれた。
甘くなりすぎてカラメルのようにパリパリと砕け散るように、僕と君の関係は終わりを迎えそうだった。
二人のどちらが悪かったわけではない。
甘い夢の中に揺蕩っている、その時間が長すぎただけだ。
昔ながらの喫茶店で僕と君は向かい合っていた。
何度もデートを重ねた場所だった。
僕はブレンド、君は珈琲パフェがお約束だった。
店内にかけられているクラシック音楽が無言の二人を慰めていた。
僕と君の間には、沈黙がふさわしかった。
君が口を開いた。
それは僕が最も知りたくない言葉だった。
村の娘が集合させられた。
この中に魔女がいるという。
たとえ、魔女がいるとしても、村に災厄をもたらしてはいない。
娘たちに、どんな罪があるのだろうか。
男たちは娘たちの手首を縄で縛っていく。
逆らってはいけない、と知っている娘たちは耐える。
所詮、男たちの娯楽にすぎないのだから。
連日、うだるような暑さにアイスの消費量が右肩上がりだった。
日陰を探して歩くけれども、効果は少なかった。
そんな中、並んで歩く君は涼しげだった。
君が満面の笑みを浮かべながら、僕の指先に触れ合わせる。
まるで雪女の末裔だと言ってもおかしくないほど、ひんやりとした君の指先だった。
『出会いなおし学級』

同窓会の葉書が届いた。
ふと思い出すのは、初恋の君。
笑顔を見ているだけで幸せになった。
想いを伝えることはなかった。
そのまま卒業を迎えた。
君は同窓会に来るだろうか。
それならば、また君の笑顔が見たい。
参加に丸をつけて葉書を投函した。
出会いなおし学級会だ。
『君の天気予報士は僕。』

「君の天気予報士は僕。どんな機嫌も当ててみせるよ」と僕は言った。
君は瞳を瞬かせて「じゃあ、今は?」と尋ねた。
「雲が出た晴れ。機嫌は悪くないでしょう」僕はテレビの天気予報士のように言った。
そんな真面目な僕に、君は笑う。
「晴れになりました」と言う。
『涙が、温もりを知った時』

止めどなく流れる涙が、温もりを知った時。
それが恋だと分かった。
心を切り裂くような痛みを、流れる涙が癒す。
こんなに苦しいのなら、恋なんて知りたくなかった。
そう思っていても、堕ちる時は自然なものだ。
貴方の手が涙を拭う。
そして、甘い囁きを耳元に。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。」

------

僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それは自分が傷つくだけの嘘だった。
それでも君には笑っていてほしかったから、笑顔で嘘をつく。
「寂しくないよ。大丈夫」と。
「本当に?」君は大きな瞳で僕を見つめる。
それがあまりにも真っ直ぐだったから、決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
青年が留守の間、少女が寂しくないように猫を飼うことにした。
休みの日に二人そろって、ペットショップに足を運んだ。
ショーケースの中で子猫たちは自由気ままに過ごしていた。
「どの子も可愛いね」と少女は青年に微笑みかける。
「まぁ、お前の方が可愛いのですが」と青年は少女の頭を撫でる。
神剣・神楽が律動した音で青年は目を覚ました。
それだけ気が張っているのだろうか。
わずかな音で目を覚ますなんて。
着替えて、中途半端に伸びた髪をヘアゴムでくくる。
するりと部屋から出る。
少女が目を覚ます前に片付ける。
少女が涙を湛えて、結界の外で待っているのを見るのは苦しかった。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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