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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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白い真昼間に汗をかきながら、二人そろって公園のベンチに座っていた。
太陽から隠れるように設置されたベンチだったけれども、閉口するような暑さだった。
デートとはいえないようなデートだったけれど、君と一緒だと嬉しい。
君は目を逸らしつつ、僕の指を指先でつつく。
ピアノの鍵盤のように。
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『玄関開けたら五番』

何故か家では、帰ってきた順番に家事をすることになっている。
テレビに出るような大家族ではないけれども、それなりの人数だ。
当番制の家事は仕方がないだろう。
玄関に番号とやる家事が掲げられている。
玄関開けたら五番、洗濯だった。
夏だから洗濯物も多いだろう。
『あの日のついた嘘と、明日待ち合わせ。』

友達と遊ぶことになったけれども『彼氏を連れてくる』という条件が付けられた。
生まれてから彼氏というものに縁はなく、仲良かった男友達に『一日だけ彼氏の振りをしてくれ』と頼んだ。
男友達は快諾してくれた。
その後は明日待ち合わせが結果。
『未だにとどまる

 思い出には

 僕と野良犬が一匹だけ』

どちらも迷子になってしまったようで

帰る場所が見つからない

帰りたくもないけれど

強がりを呟いた夏の思い出

野良犬のように僕も処分されるのだろうか

心細くなって野良犬に寄り添う

そんなことはなかったけれども

未だに思い出す
「iotuは、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
嘘だと言えたら、どんなに。」

------

僕は、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をついた。
こんなことが君への最後の嘘だと思ったら、本当に馬鹿々々しく思えた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と別れいく君に向かって言う。
嘘だと言えたら、どんなに。
嘘をつくだけじゃ楽にならないや。
「可愛いでしょ」と私は貴方に指先を見せた。
帰りがけに、ずっと気になっていたネイルサロンに行ってみたのだ。
最初だったから、あまり派手にしないで、控え目にフレンチネイルにしてもらった。
左手の薬指だけにラインをあしらってもらった。
「はいはい、可愛い可愛い」と貴方は適当に言う。
「やっぱり駄目だったよ」と私は言った。
今日、私は意中の人に告白をした。
弱虫な私には『清水の舞台から飛び降りる』ようなものだった。
それを告げたら、涙が零れてきた。
ずっと好きだった人だった。
ずっと追いかけていた人だった。
それを知っている君は無視するように私から視線を逸らした。
満月を閉じこめるように、満月に向かって僕は手のひらを向けた。
それを隣で見ていた君は淡い微笑みを滲ませる。
まるで洋墨を水につけたように、君はじんわりとした笑みを見せる。
「月が欲しいの?」君が尋ねる。
「いつまでも君と一緒にいられたい。だから満月が邪魔だったんだ」と僕は答える。
「ねぇ、このおかしかってよ」と上目遣いで、母親の両手にしがみつく。
「かってくれるまで、かえらない」そんな僕に根負けした母親は買い与えた。
僕は手に入れたお菓子を蟻の巣を探るのに使った。
決して食べたりはしなかった。
それはいまだに、母親はねちねちと言う。
よくある子供時代だろう。
『サヨウナラは終電までに』

「サヨウナラは終電までにすませましょう」と君が言った。
「そうだね」と僕は頷きながら、君の手を離せなかった。
「寂しいかしら?」君が僕の顔を覗きこむ。
「大丈夫だよ。今までだってそうだったじゃないか」と僕は笑顔を作る。
次に君に会えるまでが切ない。
『夜だらけの青春のころ』

君と出会えるのは夜だけだった。
しかも『月のない』と限定されていた。
僕と君は、狭い村で派閥争いするような家に産まれたからだ。
誰もが眠る夜だけが僕たちの青春の思い出だった。
人目を隠れて闇夜の中、繋いだ手の温もりは忘れられない。
夜だらけの青春のころ。
『0秒後』

まぶたを閉じるから、今すぐ魔法のキスをして。
秒読みは始まったの。
もうすぐ0秒後、あなたは優しいキスをしてくれるはず。
あなたの腕の中で眠り姫になるから、あたたかい唇で起こして。
私からの切ないお願いよ。
一目見て、私を恋を落とした王子様。
私の唇にぬくもりが重なった。
「この先の君の涙は、すべて私のせいだ。」とさよならの代わりに君は言った。
それで納得してしまった。
それで理解してしまった。
そうか、もう君は――ここにはいないのだ。
僕は俯いて、こぶしを握りしめた。
蕩けた太陽が熱したアスファルトにぬるい滴が落ちる。
僕は君にさよならを言えなかった。
ある日、あの子が消えた。
きれいさっぱりと姿を隠したのだ。
大人たちはわらわらと出て、あの子を探した。
けれども、あの子を見つけることはできなかった。
そのことに、僕はホッとした。
あの子は見つかることなく、狭苦しい町を出ていくことができたのだ。
次は僕の番だ。
あの子のように消える。
吹く風すら嘲笑しているようだった嵐の夜。
天気が変わっていくのを伝える雷鳴。
季節はひとつ死んでいくようだった。
そんな夜にスマホが鳴動した。
約束があったから、こんな時間まで起きていたのだ。
外は強風だというのに、同じ強さで心を弾ませる。
彼からのそっけない文面に頬が緩んでしまう。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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