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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『神の浅夢』

君は、この世は神の朝夢だという。
ふわふわに歩く姿は浮かれているようで、どこか寂しげに見えた。
浅い眠りの中に見る夢だとしたら、朝陽の中でこの世は溶けていってしまうのだろうか。
君と繋いだ手も、君の笑顔も、夢のように覚めてしまうのだろうか。
それは少しだけ切ない。
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『恋し狩り屋』

それはひっそりとやってくる。
ハンターなのだから当然なのかもしれない。
標的にバレたら狩りにならない。
そんな恋しがり屋の恋し狩り屋。
いつも誰かと恋愛をしている。
自由気ままに見えるけれども、厳しさに縛られているように見える。
そんなハンターの次の標的は、私?
『全てのオリンピアに声援の追い風を』

会場には行けないから、テレビの画面から。
全てのオリンピアに声援の追い風を。
それぐらいしかできない。そんな真夏の日。
勝敗は手に汗握るし、心臓はドキドキする。
直接応援できないから、テレビの前で声援を送る。
メダルの色には、こだわらない。
「iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「世界は希望で溢れている」、と。
・・・泣いたりしないよ。」

------

僕は、祈るような気持ちで最後の嘘をついた。
それは自分が傷つくだけの嘘だった。
それでも良いと僕は思った。
仮初の幸せに君が包まれるなら、喜んで僕は傷つこう。
「世界は希望で溢れている」と嘘をつく。
君は幸せそうに笑う。
その笑顔を守るためだから、僕は・・・君の前で泣いたりしないよ。
涙すら浮かばない乾いた目で君が僕を見る。
「なんでこの手を離してくれないの?」と君が言った。
生きるのに疲れ切った表情をしていた。
「君が好きだから」僕はありのままの気持ちを伝えた。
手を離したら最後、君は命を絶つだろう。
それが伝わってくるのだから余計に君の手は離せるわけがない。
文字が裏写りせずに、さらさら書けるペンは貴重だった。
特にアイデアを外で練る時、さっとペンを出してメモ帳に書けるのは作家にとって素晴らしい必需品だった。
ようやく巡り会えたボールペンがワンコインの値段だとしても気にならない。
作家は今日もメモ帳とボールペンを持って散歩に出る。
もうすぐこの国は破滅するだろう。
民衆の怒りの矛先は国王夫妻に向かうことが分かっていた。
おそらく長い牢獄生活の後、首を落とされるだろう。
国王夫妻は愛娘の肩に手を置く。
そして涙を流した。
せめて愛娘だけでも国外に逃がしてやりたい。
惜別の時は迫っていた。
平民のような姿ごと抱いた。
白線の外側を歩いていた君を無理矢理、抱き寄せると抵抗された。
けれども僕はめげずに手のひらを軽く握る。
そして白線の内側に君を入れる。法定速度を守っていないトラックが君の隣を通り過ぎた。
君の長い髪が風圧でさらりと流れていった。
「ありがとう」腕の中の君はようやく笑顔を見せた。
『キスはスキじゃないよ』

キスはスキじゃないよ。
そんなことを君に言ったら、嫌われてしまうかもしれない。
そう思ってずっと言えなかった。
君がしてくれるキスは優しいだけで、いつも決まって別れ際にしてくれる。
そんなキスはスキになれないよ。
だって、そんなキスは胸が痛むじゃない。
『瞬命』

それは運命だと感じた。
目が合った瞬間、命を奪われたようなきがした。
『ああ、この人と恋に落ちるんだ』と直感した。
そんな劇的な出会いをしたのに、恋はのろのろと蛇行運転をする。
運命だと感じたのは私だけなのだろうか。
あなたの瞳を覗きこめば間抜けな自分が映るだけだった。
『夏お供します』

今年もやってきた夏だったが、いささか調子が違ったようだ。
雰囲気が去年よりもぎらついていた。
帽子も日傘も何の役にも立たないような情熱だった。
白いワンピース姿の女性は、そんな夏に途惑いを覚えた。
夏は「お供します」と灼熱で焼くように言う。
季節がひとつ動いた。
「iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
こんな酷い嘘は、もう二度と吐けない。」

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僕は、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた。
そうでも思っていなければやっていられない。
それはたぶん最低の嘘だった。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と、僕は笑った。
つられたのか、安心したのか、君も笑った。
僕の胸が痛んだ。
こんな酷い嘘は、もう二度と吐けない。
予感がした。
彼から痛いぐらいに、力いっぱい抱きしめられた。
表情は見えなかったけれども、震える腕が悲しかった。
私も腕を伸ばして、彼の背中にそっと回す。
「離してあげられなくてごめんね」耳元で彼の声がささやく。
「これぐらい大丈夫だよ」と私は彼の背中をトントンと叩く。
あたたかな滴が散った。
制服のデザインを募るコンテストが始まった。
今の制服がダサいといって着崩す生徒が多いからだった。
それなら、お前たち好みの制服とはどんなものなんだ。という教師たちの挑戦状だった。
今の制服に不満はなかったけれども、面白そうだった。
ラノベで出てくるような制服もいいな、と思った。
誕生石の小さなガーネットがはまった指輪をコップの中に落とす。
子どもだましのような指輪かも。
実際、初めてのバイトで買えてしまったぐらいだ。
だからといって嘲笑することはないだろう。
コップの中のガーネットは、ゆらゆらと尾をひるがえす金魚のように見えた。
小さな世界は息づいている。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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