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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『君を傷つけた言葉の処理法』

君はたった一言の言葉で心に傷を負った。
泣くのを我慢して、両手をぎゅっと握る。
そんな君に僕ができることといったら、隣に座って、いつまでも同じ時間を過ごすことだ。
君が笑顔を取り戻すまで、傍にいるよ。
だから泣いてもいいんだよ、と華奢な肩を抱く。
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「iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

-----

僕は、無理に笑顔を作って最後の嘘をついた。
今まで色んな嘘を君についてきたけれども、最後だ。
それは相手を守るための嘘だった。
「世界で一番、大嫌い」と僕は言った。
君は諦めを覚えるはずだ。
これ以上、深みに嵌まることはないだろう。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。
この哀れな道化師を。
「たとえばの話をしようか」とあなたは言った。
「もし、君が僕の前から消えてしまったら」寂しそうな瞳であなたは言った。
「そんな、もしもはないよ。ずっと一緒にいるんだから」と私は言う。
「たとえばの話だよ。永遠はないからね」とあなたは痛みをこらえるような言葉を綴る。
私は見据える。
誕生日にさりげなく合鍵を渡された。
これでいつでも彼の部屋に行ける。
絶大な信頼だった。
私はお気に入りのキーホルダーをつけて、大切にした。
そんな感じで始まった半同棲だった。
一緒にいるのが当たり前になると我が儘が出る。
出会った時のようなときめきは溶けていく。
それが切なかった。
本当は君へ、ダイヤモンドリングを用意したかった。
けれども薄給の身では高嶺の花だった。
ジルコンの指輪を君に贈った。
君は仲の良いグループで嘲笑されるだろうか。
「ありがとう」と君は心からの笑顔を浮かべた。
我慢することに慣れきった表情だった。
だから、そんな顔をさせた僕の心は痛む。
君とは何度目の別れだろう。
出会っても別れが用意されている。
運命というヤツに振り回されていた。
君は泣きそうになりながら、僕の指に爪を立てる。
僕の指に三日月型の跡が残る。
悲しいぐらいの痛みが僕の心に残る。
本当は君と別れたくない。
けれども、時が二人を引き離す。
仕方がないことだ。
『影ふりつもって』

雪のように、夕焼けを浴びた影がふりつもって、人間一人分の大きさになった。
すると足元から影は滑り出し、僕から離れていく。
ずっと一緒だと思ったのに影に裏切られた。
気がつけば夕焼けは終わり、街灯が灯り始めた。
僕の足元には影はいない。
二度と会うことはない。
『ある日、隕石が落ちてきて』

長老の話は決まって、故郷星にいられなくなった話だった。
教訓にしてほしいのかもしれないけれど、耳にタコだった。
長老は話しだす。
『ある日、隕石が落ちてきて、故郷星の3割は削られてしまった』としみじみと語る。
どうせなら、心躍る冒険譚を聞きたい。
『秋空に風鈴はなにを唄う』

昼間は、まだ夏の名残を残しているものの、日が沈めば涼しさを感じる。
いつもの帰り道、風に吹かれて、チリンと硝子がぶつかる音がした。
金魚柄の風鈴が鈴虫のように鳴っているのだ。
こんな秋空に風鈴はなにを唄うのだろうか。
早くしまってあげて欲しいと思う。
「iotuは、幼子を慰めるかのように最後の嘘をつきました。
それは悪あがきのような嘘でした。
「まだ一人で生きていける」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」

------

僕は、幼子を慰めるかのように最後の嘘をついた。
僕と君、どちらが幼子なのだろうか。
そんなことを思いながら嘘をついた。
それは悪あがきのような嘘だった。
「まだ一人で生きていける」と君に告げた。
君と離れ離れになるのが怖いのに、それでも僕は言った。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
僕の気持ちは天秤のように揺れている。
君のことを大切にしたいと傷付けたいをいったりきたりしている。
揺れる心の気持ちの名は知っている。
僕は揺れる天秤の片一方に重しを乗せる。
君が僕を忘れたりしないように、と。
それは少しばかり残酷なことかもしれない。
君の涙はどんな味をしている?
夕焼けが差しこむ教室の中で、君は呟いた。
日誌を書いていた僕と視線があった。
君は独り言のつもりだったのだろう。
誰かに聞かせるつもりもなかった言葉を、僕は知りたいと思ってしまった。
シャーペンが止まったのを見て、君は微苦笑を浮かべた。
それから窓の外を見やる。
君は沈黙を保ってる。
掛け時計が24時を知らせる。
うつらうつらとした僕は悔しさに囚われる。
『四当五落』と言われる受験勉強も、集中ができない。
握った鉛筆はゆらゆらと揺れる。
ノートの端には文字にならない文字が書かれる。
眠さの限界だった。
僕は夢の世界に飛びこむ。
都合の良い夢の中で僕は笑っていた。
君はわがままだ。
僕の気持ちも知らずに、好き勝手に振り回す。
そんな君を好きな僕は、恋の重症患者。
君は泣きそうになりながら、僕の指にしがみつく。
それで、僕は分かってしまった。
理解した僕は優しく、君の短くなった髪を梳く。
何回目の恋の終わりだろうか。
わがままは君は僕に恋をしない。
『落涙に死ね』

体温と同じ熱さの落涙で死ね。
体の中でたぎっている血のように、落涙は心を燃やしている。
それで死ねるのなら綺麗なものだろう。
秋虫がリンリンと鳴いて、身を焦がすように熱い抱擁で死ねるのだから。
僕は君の落涙で死ねたらいいとさえ、思ってしまうほどに恋焦がれている。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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