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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『泣きなおし』

散々泣きながら君は恋人と別れたのに、君はまた泣きなおしをする。
ハラハラと零れる透明な滴は真珠のようで、綺麗だったけれども。
涙を流す君を見続けるのは、胸が痛む。
こんなときに何もできない無力な僕は、君の泣きなおしを見送るだけ。
どうして恋人になれないのだろう。
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『ダーリン、せめて口付けを。』

ここでお別れだというのなら、せめて笑顔で『サヨナラ』を言ってあげる。
だからダーリン、せめて口付けを。
唇じゃなくていいから、額でも、頬でもいいから、口付けをちょうだい。
それを『サヨナラ』の記念にするから。
お願いよ、ダーリン。
最後に口付けを。
『夕焼けスカート』

女の買い物は長い、と姉の荷物持ちに駆り出された俺は思った。
どんな物が欲しいのか、ショップを行ったり来たりする。
代り映えのないものを何度も試着する。
試着室に消えた姉に、ぼんやりとショップを見渡した。
あいつに似合いそうな夕焼け色のスカートが目に留まった。
「iotuは、震えないよう祈りながら最後の嘘をつきました。
それはどうしようもない嘘でした。
「怖いものなんてないよ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

------

僕は、震えないよう祈りながら最後の嘘をついた。
それはどうしようもない嘘だった。
けれども大切な嘘だった。
「怖いものなんてないよ」と僕は強がりを言った。
本当は君に嫌われるのが怖いのに、見栄を張った。
最後の嘘なのだから、許して欲しいと思った。
君よ、いっそ笑い飛ばしておくれよ。
『君が嫌なことはしないから付き合って』とあなたは言った。
男性恐怖症の私は断りたかった。
それでも、断る事態からして怖かった。
無言な私に彼は承諾したのだと思ったのだろう。
成り行きで付き合うことになった。
彼に慣れてきた頃に、唇を掠め取られた。
破られた不可侵条約に私は泣きだした。
お喋りな大神官に呼び出された。
最近は悪戯もしていないから、王女は不思議に思いながら神殿に向かった。
神官たちが立ち働いていたが静寂に包まれていた。
王女の心は嫌な予感でいっぱいになる。
大神官は王女を笑顔で出迎えた。
それが潔いぐらい気持ちが悪い。
「勇者が召喚されました」と言う。
君の瞳は夜空を切り裂くダイヤモンドのような瞳だ。
かつて男はそうささやいた。
それならば最高の硬度を持つ強さで現実を切り裂きたいと少女は思った。
そんなことできるはずがないのに。
男が語ったのは女子供が喜ぶ夢物語だ。
幻のような儚い言葉を今も思い出すのは、どうしてなのだろうか。
『あの日もし、僕が君を好きだったなら。』

運命は変わっていたのだろうか。
それとも宿命という名の河は流れを変えなかったのだろうか。
それは僕にも分からなかった。
けれども、何度も後悔をする。
あの日もし、僕が君を好きだったなら。
何かが変化をして君を助けることができたのだろうか。
『隙間3行』

よく行間を読め、と言われる。
書かれていないものは存在しないのと同じだと僕は思うのだけれど。
作者があえて書かなかった隙間3行を見つめる。
それは恋に堕ちた音が耳に響いたものだろうか。
たった隙間3行で読者に挑戦する。
その作者の度胸に僕は感服した。
行間から音がする。
『ビター・ビター・ビター』

あなたがくれるものは、いつだってビターだった。
ミルクチョコレートのような甘さはなかった。
私は半泣きになりながらビターチョコレートをかじる。
やっぱり私には大人の味。
子供じゃなくなったら、このビターさも慣れることができるのだろうか。
知りたかった。
「iotuは、夢を見るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

------

僕は、夢を見るような気持ちで最後の嘘をついた。
まるで夢の中を歩いているように現実味のない、ふわふわとした気持ちだった。
それはたぶん最低の嘘だった。
夢心地でつく嘘なんてろくでもないのに決まっている。
「寂しなんてないよ。大丈夫」と僕は君にささやいた。
・・・うまく笑えたかな?
夢の君は、笑っていたのに、現実の君は泣いている。
僕の袖をつかんで、空いている手で目をこする。
「そんなことをすると、まぶたが腫れるよ」と僕は優しく言った。
僕はポケットから、くしゃくしゃのハンカチを取り出して、君の涙を拭う。
どうやったら、夢の中の君のように笑ってくれるだろう。
「晩ご飯にするから手伝って」と母が言った。
私はテレビの続きが気になったが仕方がない。
家族団欒の時間を取ることが決まっているから、食事中にテレビを見ることはできない。
またクラスメイトと話題に乗れないな、と私は思った。
リモコンでテレビの電源を消すと、ソファから立ち上がった。
策士はとうとう願い事を遂げることができた。
この広い銀河の王に、仕えていた青年のものしたのだ。
銀瑠璃でできた玉座に青年は座る。
己の物になった銀河を眺めては、口の端に笑みを浮かべた。
それを策士は満足げに見つめた。
これからは平和な時代が訪れるだろう。
銀河の覇権を争うこともない。
少女の手を引いて、青年は路地裏に身を隠した。
予期せぬの同胞の攻撃に、少女は震えていた。
ここから家まで帰るのには、どれだけの時間がかかるだろう。
こんな時に限って、青年の手元に神剣・神楽はなかった。
少女は上目遣いで、青年と自分の指先を触れ合わせる。
手の甲に文様が浮かび上がる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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