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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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少女が浮気者!と叫び、堂々と、少年の指に爪を立てる。
少年が「君以外を見て、ごめんね」と謝る。
道行く人は少年が何を見ていたのだろうか、と気になった。
黒猫がにゃーんと少年の足にまとわりつく。
少女の瞳がさらに険しくなる。
「そんなに猫がいいなら、猫と付き合えば?」少女は言った。
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『明日から会えないや、ごめんね。』

いつもの帰り道、別れ道で「また明日」と僕は言った。
すると君は視線を逸らして、髪を耳にかける。僕は嫌な予感がした。
明日から会えないや、ごめんね。と君はささやきよりも小さくつぶやいた。
君の涙が答えを出していた。
僕は最後のサヨナラを言った。
『サヨウナラと相合い傘』

この道を通るのも最後だろう、と僕は思った。
いつだって、サヨウナラと相合い傘をしている。
雨の間だけ一緒にいて、肩をより寄せ合う。
けれども、晴れたら用なしだ。
そこで『サヨウナラ』だった。
僕はもう二度と通らない道を考えながら、君のささやき声を聞く。
『彼岸花の綻び』

その花は炎のように艶やかに咲くから、不吉とされた。
その花は彼岸の時期に咲くから、不吉とされた。
少女は手折っていく。
綻び始めた彼岸花は焔のように美しかったから。
それに不吉なぐらいがちょうどいい。
幸せばかりでは息の仕方を忘れてしまう。
彼岸花の綻びは笑顔だ。
君は唐突に「あなただけを愛している」と言った。
カフェのざわめきに紛れこむように、静かに。
僕は驚いて、君を見つめた。
「そう言って欲しいんでしょ?」君はそういうとカフェラテを飲む。
僕は「嘘だったら嫌だなぁ」とブレンドを口に運ぶ。
「嬉しくないの?」君は小首を傾げる。
「どうかな」
綺麗な花が咲いていた。
この花なら大丈夫だろうか。
そんなことを考えながら、そっと花にふれた。
すると花は見る見るしぼんでいった。
好みにかけられた呪いは、まだ解けていないようだった。
枯れた花を見て後悔をした。
自分がふれなければ、ずっと綺麗なまま咲いていられただろう。
悲しかった。
青年は朝食ができるまでダイニングテーブルで新聞を広げていた。
キッチンでは楽し気な音がする。
いい香りがして胃が空腹を訴える。
新聞を読み終る頃に少女が朝食を運んできた。
「寝癖、ついていますよ」と少女が笑った。
青年は「元からの地毛だ」とムキになる。
年齢が逆転しているようだった。
私は昔から体が弱かった。
行事に参加できたことなんてない。
それでも少しずつ体が丈夫になってきたのだろう。
高校最後のイベントの修学旅行に参加してもいい、と主治医からOKサインが出た。
けれども神社への坂道で貧血を起こした。
そんな私に手が差し伸べられる。
恐る恐る、手のひらに触れる。
『気がつけばキスをしていた』

酔いが回ったのだろうか。
ちょっと、浮かれ過ぎていた。
僕は気がつけばキスをしていた。
柔らかい唇の感触と渋いウーロン茶の味がした。
そこで唐突に酔いが覚めた。
謝っても許してはくれないことをしてしまった。
僕は後悔をした。
君の頬が赤くなっていった。
『傷ついた恋ほど甘くなる。』

それはまるで果実のように、傷ついた恋ほど甘くなる。
だから、恋を守ることなく、完熟させる。
そして収穫の時には、より傷ついたものを選ぶ。
今宵、見せてくれる夢は結実した果実よりも甘いだろう。
思い描くだけでも楽しみだった。
そして、僕は君を傷つける。
『愛 don't know』

氷のプリンスという仇名を持つ幼馴染は、氷のように冷たいわけじゃないと知っている。
むしろ、そう呼ばれることで傷ついている。
誰にでも優しくしちゃうから、平等に接しているだけだ。
そんな幼馴染が私に告白した。
『ずっと好きだった』と、まさに愛 don't knowだった。
「iotuは、ひどくためらいながら最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「今とても幸せだよ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

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僕は、ひどくためらいながら最後の嘘をついた。
それは最初で最後の嘘だった。
「今とても幸せだよ」と僕は微笑みを浮かべて言った。
・・・うまく笑えたかな?
君にだけは見破られたくない。
幸せの裏表の感情を抱きながらも、幸せだと言えるような嘘。
そんな薄情な僕を気づかないでいてほしい。
「都合のいいことだと分かっている」とうつむきながら、君は切り出した。
「もう一度好きになって」と君が寝耳に水なことを言った。
「僕は君を嫌いになったことなんてないよ」と言うと、君は顔を上げる。
「だって最近、連絡取れないし、上の空だから、嫌われたと思っていた」と君は微笑んだ。
青年が怪我をする度に、少女は涙を零す。
神剣・神楽の治癒力を持ってすれば、一晩眠ればきれいに治る傷だと少女も知っている。
それでも青年が怪我をする度、ハラハラと涙を流す。
少女を泣かせるために戦っているわけではない。
逆だ。
少女を幸せにするために戦っているのだ。
同胞を傷つけても。
あなたと私のコンパスは違う。
背の高いあなたの一歩は、私の小走り。
気にしてくれて、歩くのを止めてくれる優しさも好き。
緑の葉が紅色に染まったのを一枚、私にくれた。
「ちいさい秋、ですね」とあなたは微笑んだ。
それが嬉しくて「栞にします」と私は心から笑う。
あなたは無言でうなずいた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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