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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『ロックダウンスクール』

とうとうこのスクールもロックダウンの規制にひっかっかることになった。
スクールにきても退屈だし、噂ばかりが独り歩きしていた。
そんな雑音に耳を傾けて、テキストをめくっていた。
今や、しばしの自由を手に入れた。
家で遊んでいられると思うと、ワクワクした。
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『カンニング恋愛』

彼女と出会う前から彼女のことをよく知っていた。
彼女は友人の恋人だったからだ。
どんなものが好きで、どんなことをすれば喜ぶか。
友人からのろけ話を散々聞かされた。
だから、これはカンニング恋愛だ。
彼女にバレないように、自然に出会ったような振りをして近づいた。
『ホリデーいじめ』

ホリデーが来るのは嫌だった。
綺麗に編んだ髪ととっておきのお洒落着を着た少女が遊びに来るからだった。
家族ぐるみのお付き合いだから仕方がないとはいえ、二度と来てほしくなかった。
少女は可憐な顔に似合わず、いじめっ子だった。
ホリデーいじめから抜け出したい。
「iotuは、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「全部忘れていいよ」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。」

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僕は、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をついた。
それは自分の幸せのための嘘だった。
きっと、こうすれば良かったんだ。
どうして気がつかなかったのだろう。
君と一緒に不幸になるのは悲しすぎる。
「全部忘れていいよ」と僕は最後の嘘をついた。
表情には出さない。
もう、覚悟は決めたんだ。
私はベタかもしれないけれども、放課後の教室に彼は呼び出した。
そして「ずっと好きだったの」と一世一代の告白をした。
彼は「うん、知ってる」と言った。
それから微笑んで「付き合ってあげればいいの?それとも気持ちだけ受け止めればいいの?」と彼は尋ねた。
予想しなかった展開に私は驚く。
僕と君の世界がまだ狭い頃。
世界は二人だけだったから、僕は君のいたずらを甘んじて我慢していた。
君に嫌われたら、世界に独りぼっちになってしまう。
そう思っていたから、耐えていた。
けれども歳を重ねると同じように、世界は広がっていった。
君以外が存在する。
僕はいたずらに抵抗をする。
君はいたずらっ子だ。
今度はどんないたずらを思いついたのだろう。
君は満面の笑みを浮かべながら、僕の両手のひらに指を絡める。
「ずっと、一緒のおまじない」と僕の耳元で囁いた。
これがいたずらだったら悲しいから、僕は静かに頷いた。
「期限は二人を死を分かるまで」結婚式のように言う。
『刑期別に分かる逆引き犯罪』

「犯罪者にでもなるつもり?」と自分の部屋のようにくつろいでいた幼馴染が尋ねる。
「割に合わないこと、誰がするか」と俺は言う。
「だって、それ」と幼馴染が俺が読んでいた本を指をさす。
『刑期別に分かる逆引き犯罪』というタイトルが大きく書いてあった。
『革命時報』

革命時報が鳴った。
私たちは革命を起こすために、立ち上がった。
味方なら、たくさんいる。
誰も彼も虐げられてきた者たちだ。
私たちは声を上げ、行進をする。
私たちは自由を求めて、横断幕やプラカードを持って歩き続ける。
それで世の中が変わると信じて。
そんな夢を見ながら。
『サマータイムアンマジック』

「紳士淑女の皆様」と手品師が声高に言う。
「いるのは私だけだけど?」と土手に座ってクラスメイトを見る。
「種も仕掛けもございません」と手品師に扮装したクラスメイトは言った。
チラリと時計を見る。
「サマータイムアンマジックです」夕方が夜になった。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは前へ進むための嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
だってもう、仕方がないだろう?」

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僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それは前へ進むための嘘だった。
「世界で一番、大嫌い」と君を傷つける嘘をついた。
だってもう、仕方がないだろう?
キッパリと言わなければ、君はいつまでも僕についてくるだろう。
これから先は修羅の道だとしても、僕の後ろを歩いていくだろう?
砂糖を煮詰めた甘さの君に呆れていた。
君は何も知らず、日々を過ごしている。
苦しみも、悲しみも知らずに生きている。
そんな甘さに、僕は胸やけを起こしそうになる。
君はそのまま砂糖を煮詰めて、キャラメルになるといい。
少しは人生の悲哀を知るといい。
僕だけ味わっているのは納得できない。
真夜中の逢瀬だった。
星空が輝く中、言葉もなく逢引きをした。
君の瞳は狩られる子兎のように震えていた。
だから、僕は恐る恐る、君と指を触れ合わせる。
微かに震えているのが伝わってきて、哀しかった。
僕は君を驚かせないように静かに抱きしめた。
真夜中に温もりを分かち合う。冬が来る前に。
『弱虫僕らが恋をして』

弱虫僕らが恋をして、それは大輪の花となった。
花の名前は『愛』。
あまりに綺麗に咲いたから、弱虫の僕らは自分たちのものだとは思えなかった。
おっかなびっくりに花にふれる。
確かに僕と君の香りがした。
「優しい色合いだね」と君は笑った。
つられて僕も笑った。
『月磨き』

西の空から滑り落ちてきた月を待っていた。
今はまだほっそりとした月だけれど、次第に丸くなっていく。
月磨きは丁寧に月を磨く。
人間が眠っている時間に磨き終えなければならない。
意外に重労働だが、気に入っている仕事だった。
そうでなければ続かない。
鼻歌まじりに月を磨く。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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