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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『logの私の貴方』

貴方と一緒に作った思い出は、私のlogになってしまった。
輝く日々は、記憶になってしまった。
『私の貴方』とそう呼んだことは、過去になってしまった。
あんなに愛おしいと思っていたのに。
それでも心のlogに残っただけマシなのだろうか。
logの私の貴方はどう思いますか?
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少女はキッチンにこもって、桜の花びら型のクッキーを焼いた。
余熱を覚ましたそれをお隣さんまで届ける。
インターフォンを鳴らすと幼馴染の少年が出てきた。
少年は笑顔で「賄賂?」と言った。
「確かに中間テストの成績は悪かったけど」と少女は唇を尖らせる。
「もたれかかるつもりはないよ」
これで会うのも最後だと思ったら、目の奥が熱くなった。
行ってほしくない。
ずっと傍にいて欲しい。
そう思っていても、行動を起こすには私たちは子どもすぎた。
私はぎこちなく、あなたの腕をぎゅっと握る。
言葉にできない分、態度に出た。
あなたはゆっくりと、私の指を一本ずつ剥がしていった。
『失楽園児』

アダムとイブは禁断の果実を食べた。
その結果は誰も知っての通り、楽園を失った。
そんなアダムとイブの子孫の僕たちは失楽園児だ。
ご先祖様に倣って禁断の果実を食べる。
それは遅い収穫、より甘く傷がついた果実。
大人たちが隠している秘密を暴く、果実。
僕たちはひとつ知る。
『市販恋愛』

頭痛がしたら頭痛薬を買って飲むように、恋愛がしたくなったら、市販の恋愛を買う。
少しも不思議なことはなかった。
そんな恋愛をくりかえしていたせいだろうか。
真実の恋愛というものを信じられなくなった。
市販恋愛にのめりこんでいった。
お医者様でも草津の湯でも治らない。
『魔女と呼ばれた弁護士』

魅惑的な容貌と検察官が舌を巻くほどの弁論術で、魔女と呼ばれた弁護士がいた。
聖女と呼ばれなかった理由は簡単だった。
どんな極悪な犯罪者の弁護をし続けたからだ。
そして必ず執行猶予か無罪まで持ちこむ。
そんな魔女も今は法廷から出てのんびりと暮らしている。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「永遠を信じている」、と。
・・・どうしようもないな。」

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僕は、さりげなさを装って最後の噓をついた。
それは自分の幸せのための嘘だった。
「永遠を信じている」と君の手を握って言った。
古い本にも『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。』というじゃないか。
永遠なんてものはない。
分かりながら口にする。
・・・どうしようもないな。
「この花が枯れたとき、私は生きているのかしら?」ベッドに横たわっている女性はポツリと呟いた。
少しでも気分が明るくなるように、切り花を見舞いの品にしたのは失敗だったろうか。
女性は震える手を伸ばして、花瓶に活けられた花にふれる。
「生きているものは素晴らしいわね」と女性は笑う。
青年は神剣・神楽を敵対した同胞に振るう。
蠱惑的な女性の姿の同胞が青年の首を狙う。
首を落とさない限り、死なない。
どちらも立派な化け物だ。
死んでも不安はない。
青年は家族がいない身だ。
わずかに青年の剣筋がブレる。
自分が死んだら、結界の外で信じて待っている少女はどうなるのだろう。
青年は少女に木陰で本を読み聞かせをする。
読む本はいつも同じ。
少女がお気に入りの『人魚姫』。
恋をして報われずに、泡となった悲劇のお姫さま。
そんな悲しいお話が少女にとって特別だった。
「どうして人魚姫が好きなんだい?」青年は少女に尋ねた。
「だって人魚姫は恋を選んだのよ」と笑う。
この世の中、どこにでも行けるわけではない。
窮屈な生活をしている。
デートコースにも気を遣うありさまだった。
恋人の誕生日に日帰り旅行を決意した。
二人そろって二回目のワクチンは接種済みだ。
恋人は見知らぬ土地にきて大喜びだった。
「はぐれたらいけないから」さりげなく、指先に触れる。
『本当にいつも一緒だった』

幼馴染だったから、というと言い訳になってしまうかもしれない。
生まれる前からの幼馴染とは、本当にいつも一緒だった。
何をするのも、どこに行くのも、いつも一緒だった。
だから幼馴染が夢のために、独り旅立つことを決めた時、私の心は張り裂けそうになった。
『思い出に追いつかれるな』

振り返ってはダメだということには、気がついていた。
だから前を向いて、全力疾走していた。
それでも後ろ髪が惹かれるものがあって、振り返ってしまいそうになった。
並走していた君が肩を握る。
「思い出に追いつかれるな」と叱咤する。
僕は逃げるように走った。
『バイバイを君にあげるよ』

これから別れゆく君にあげられるものなんて、わずかだ。
せめて君の傷が痛まないように祈る。
笑顔でバイバイを君にあげるよ。
何かの折に、そんなことを言った友だちがいたことを思い出せるように。
とっておきのバイバイを君に渡そう。
だから、泣かないでほしい。
少女と寒くて泳げなくなった海へと向かった。
電車を乗り継ぎ、海についたのは昼過ぎになっていた。
少女は寄せては返す波間を裸足で歩き出す。
少女が遠くなってしまったようで、つい名前を呼びかけた。
用があったわけじゃないけれども。
振り返った少女は哀しい顔をしていた。
そこには愛がある。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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