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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『わたしの幼馴染みがやることなすこと全部邪魔してくる』

今日もそうだった。
わたしの幼馴染みがやることなすこと全部邪魔してくる。
何の恨みがあるというのだろうか。
そこまで面倒を見てもらうほど、子どもではないつもりだ。
いい加減、私もキレて幼馴染みに理由を訊いた。
「好きだから」
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『秋の夜の一等星』

秋の夜の一等星は存在感が薄い。
どうしても話題の中心は仲秋の名月や十三夜になる。
それでも、一等星の誇りを持って秋の夜の輝く。
僕はここにいるよ。ここで輝いているよ。と地上に向かって光を放つ。
たとえ一等星の中で暗い星でも、星空の中で埋もれそうになっても。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それは前へ進むための嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。」

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僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
それは前へ進むための嘘だった。
いつまでも、ぬるま湯につかっているわけにはいかない。
「君にもらったものは全部返す」と言った僕の声は震えていた。
誕生日プレゼントも、一緒に映った写真が入った写真立ても。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。
天気予報は雲と傘のマークが並んでいる。
「今日も星空は見えないみたいだ」と僕が告げる。
「また?」と君は嬉しくなさそうな声を上げた。
カメラを買った君は、星空が撮影できると、購入時に喜んでいた。
三脚まで同時購入した。
そこまで準備万端なのに気候だけが揃わない。
君は悔しそうだった。
私はベッドの上で日記兼手帳を広げていた。
日曜日には花丸が描かれていた。
花丸は恋人とのデートの予定を意味している。
久しぶりのデートの予定だった。
嬉しくて、何度も日記兼手帳を見つめてしまう。
恋人はどんなところに連れて行ってくれるのだろう。
近場のカフェで語り合うだけでも幸せだ。
幼少のお小遣い稼ぎといえばお風呂掃除だった。
泡を立てたスポンジで湯船を磨き上げる。
隅の隅まで綺麗にして、お母さんからお小遣いをもらう。
夏場は人気のお手伝い稼ぎだったから、掃除中に嫌がらせで背を押すということもあった。
逆に冬は寒さで人気がなく、押しつけあうお手伝いだった。
僕たちは遠慮がちに、指先を触れ合わせる。
結局、手を繋ぐことすらできなかった淡い恋。
それでもいいんだ、と思い出にすらできない。
君と会うのはこれで最後だった。
ようやく触れ合えた僕たちは、目と目を合わせて、無言でうなずき合う。
もう二人でいられないのなら、毒杯をあおるようだった。
『塵芥を束ねた町』

この町は塵芥であふれている。
もう用済みになったもの、使い道がなくなったもの。
そんなもので構成されている。
この町自体が塵芥なのかもしれない。
そこで塵芥を束ねてみることにした。
火刑のように燃やし尽くしたら気持ちが良いだろう。
かつて塵芥を束ねた町があった。
『幽霊饅頭』

久しぶりに帰った実家。
線香をあげると、お腹が空いていたことを思い出した。
供えてあった饅頭に手を伸ばすと、したたかに叩かれた。
行儀が悪かったのだろうか。
「それは幽霊饅頭だから、食べたら駄目よ」白髪の増えた母が言った。
「お供えしていたら、いつの間にか消えるの」
『寂しい音色』

風が吹いて枯れすすきをなびかせた。
それは寂しい音色だった。
録音できない音色は私の心に記憶される。
秋も終わろうとしているのが分かって、心細くなった。
風が吹く度に、枯れすすきが輪唱する。
去りゆく季節を忍んで唄うのだろうか。
私には分からなかったけど寂しかった。
「iotuは、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

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僕は、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をついた。
それは相手を守るための嘘だった。
せめて最後ぐらい明るく別れたい。
遠くに行くのは君の方なのだから。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と僕は強がりを言った。
「離れても友だちだよ」と君は言う。
君よ、いっそ笑い飛ばしておくれよ。
僕は月が沈んだ夜を歩く。
残念ながら宇宙ステーションを見ることはできなかった。
星も見えないこの街では当たり前かもしれない。
それでも未練たらしく、夜空を見上げながら可能性を探った。
風に乗って煙草の香りがした。
禁煙が謳われるこの街では珍しい。
僕は思わず匂いの元を探してしまった。
今日は両親と共に、結婚相手に挨拶に行く。
この結婚はいわゆる政略結婚だから、失敗はできない。
さんざんと聞かされた言葉だった。
恋愛結婚をして別れるぐらいならマシなのかもしれない。
「初めまして」同じ年頃の少年が手を出して挨拶をした。
私はさりげなく、反抗の意志で指先に爪を立てる。
『僕らのヤハウェは地獄の底で』

恋をしたら罪なのだろうか。
愛とはヤハウェだけが知っているものなのだろうか。
真実はどこにあるのだろうか。
僕らは贖罪するべきなのだろうか。
この恋を知ってから疑問が湧いてくる。
そんな僕らのヤハウェは地獄の底で、祈っているだろう。
僕らのために。
『私の心を慰めて』

ファジーネーブルがお似合いだ、と言われたのはいつの頃だったことだろう。
飲みやすく、明るい色が気に入って、バーに入る度に頼んだのはもう過去のこと。
そんなお子様ランチだった。
今日の隣座る貴方に言ってみる。
「私の心を慰めて」と微笑みながら。
貴方は答えは?
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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