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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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「iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「いなくなったりなんてしないよ」、と。
本当に、ごめんね。」

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僕は、愚かだなと自分に笑いながら最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
「いなくなったりしないよ」と心とは正反対の嘘をついた。
これ以上、君の傍にはいられない。
君を言葉をいう檻に閉じこめてしまいそうだった。
だから、立ち去る僕を許して欲しい。
本当に、ごめんね。
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私は幼馴染に「彼氏ができたんだ」と報告した。
「どんな感じの人?写メとかないの?」と幼馴染は好奇心旺盛に尋ねてくる。
やっぱり慣れないことはするもんじゃない。
幼馴染の気を引きたくてついた嘘は、すぐさまわかられてしまう。
「いつから嘘だってわかってた?」と私は赤面しながら訊いた。
私はずっと天才になれないのなら普通の女の子になりたかった。
小さい頃からくりかえされるお稽古事。
その中でピアノは苦痛だった。
手が小さいので、鍵盤を押さえるのがやっとだった。
そして、同じ音楽教室で天才に出会ってしまった。
神様が与えた才能は一番星のようだった。
普通の私は憧れた。
恋人からメールで『早く来て』という文章が届いた。
絵文字も顔文字もないことから、緊迫した状態にあるのだろうか。
それにしてもLINEじゃなくてメールだったことが不思議だった。
悪ふざけの延長なのかもしれないと、状況が分からなくなる。
とりあえず『了解です』と返信して、恋人の元へ急ぐ。
公園に可愛らしいカップルがいた。
少年が「ジャングルジムのてっぺんまでのぼろうよ。空が近くなるよ」と言った。
「あんなに高いところはこわいよ」と少女は言った。
そっと、少年の指先にしがみつく。
「だいじょうぶだよ。ぼくが手伝ってあげるから」と少年は言う。
少女はしぶしぶうなずいた。
『こんど好きになるから、またね!』

白い服を着た人の群れが川を渡っていく。
その中で見知った顔があった。
ずっと好きだった女の子だった。
けれども想いが叶うことはなかった。
その子が振り返り、こちらの視線に気がついた。
「こんど好きになるから、またね!」と彼女は明るく手を振った。
『昼寝の夢報告書』

ひどくあたたかで、柔らかな場所にいたことを覚えている。
いつまでもいたいと思った。
そんな昼寝の夢はアラームによってかき消された。
私は困ったことになったなと思いながら目を開けた。
夢の欠片は遠くなってしまった。
これでは昼寝の夢報告書が具体的に書けない。
『かなしみ引換所』

今日もかなしみ引換所は長蛇の列だった。
引換所が見えないほど、人が並んでいた。
思わず諦めて自分の部屋に戻ろうかなと思ったぐらい。
自分の部屋でうずくまって夜まで待とうかと思うぐらい。
ここまで来たのだからやっぱり並ぼう。
悲しみを哀しみに変えてくれる場所に。
「iotuは、冷静であるよう心がけつつ最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「君の全部を忘れたいんだ」、と。
・・・どうしようもないな。」

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僕は、冷静であるよう心がけつつ最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
口を開くと、胸の柔らかい部分がぎゅっと痛んだ。
「君の全部を忘れたいんだ」と涙をこらえて僕は言う。
君は「そう」とそっけなく言う。
僕はそれだけの存在だったのだと思うと辛かった・・・どうしようもないな。
デートの前に花屋さんに目が留まった。
そこでミニブーケを君に贈ろうとひらめいた。
「これを一つください」と言うと店員さんは「恋人にですか」と笑顔でリボンをかけてくれた。
待ち合わせ場所に君は佇んでいた。
ミニブーケを渡すと、君は目を丸くする。
「この花が枯れたとき、寂しくなるね」
少女は不安なのだろうか。
顔面蒼白で、唇を噛んでいた。
そんな少女の頭を青年は撫でる。
「大丈夫だ。行ってくる」と青年は言った。
神剣・神楽の鞘を持ち直す。
それでも少女の顔は晴れない。
どんな不安があるのだろうか。
幾度もあった出来事のひとつでしかないのに。
今宵も無事に帰ってくる。
「懐かしいね」と君は『ぞ自由にどうぞ』と書かれた張り紙の張った箱からパステルを持つ。
君が地面にパステルで書いた文字は『寂しい』だった。
神社の境内だ。言霊で君を連れて行かれては、それこそ『寂しい』だった。
僕は文字を消すと君を抱きしめる。
「ごめん、気がつかなくて」と僕は言う。
短かった秋が終わろうとしている。
そんなメランコリーを僕が感じていると堂々と、君が両手を指先をつつく。
僕は君の顔を見て「どうしたの?」と尋ねる。
少しの間、気を取られていたのは確かだ。
怒られても仕方がない。
それなのに君は何かをたくらむような顔をしていた。
「食欲の秋しませんか」
『嘘の正典』

「嘘ばかりついて、地獄に行くんじゃない?」とからかい半分で言った。
友人は嘘ばかりつく。
「大丈夫だよ。嘘の正典に従ってるから」と友人は笑った。
「嘘の正典?」私は訊き返した。
「今度見せてあげるよ」と友人は言った。
また嘘をつかれたということに気がつかなかった。
『ドキュメントマン』

人生すべてがドキュメントになってしまうような男性がいた。
そんな男性に取材に行ったら、私まで巻きこまれた。
一目で恋に落ちたのだ。
今まで一目惚れなんて信じていなかったのに、魅力的過ぎた。
ドキュメントマンは、こうしてまた一つドキュメントを生み出した。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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