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「 140文字の物語 」
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生命は海から生まれたという。
だから、今も人の体には海が流れているという。
寄せては返す波のように。
刻まれる鼓動のように。
赤い海はまるで望郷のよう。
そして海から生まれた生命は海に還るという。
雲になり、雨になり、海に降り注ぐという。
それを見届けたいと思う。
生命の循環を見たい。
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男の人のことは分からない。
特に、目の前の青年は。
近すぎると怖い、離れても嫌。
他の女の子にも同じようなことをしているのだろう。
そう考えると胸の奥の方でチリチリとした痛みが宿る。
けれど一緒にいると鼓動が早くなって、どうしたらいいのか分からなくなる。
だから、適度な距離にいたい
「どうして親切にしてくれるの?」と少女が尋ねる。
少年はいつものように微笑みを見せる。
「意味なんてないよ。君に優しくしているんじゃない。君が優しいだけだよ」少年は答えた。
少女は納得できないという顔をする。
それを見た少年は「理由が必要なら君が好きだから」と付け足すように言う
気まずい無言の帰り道だった。
いつもだったら、昼に何を食べたかとか、駅前に新しいショップができたとか、他愛もない話をしていた。
今は同じリズムを刻む足音だけが、二人の間を埋める。
放課後、ラブレターを受け取っていた。
その姿を見ていなければ、今日も楽しい帰り道になったのだろう。
言葉に出し合ったわけではない。
ずっと一緒だったから、これからも一緒だと信じていた。
いつの日か、揃いの指輪をして、縁側でお茶を飲むような関係になると思っていた。
それなのに、君は遠く離れようとしている。
君が泣くから、僕は微笑むしかなかった。
絡んだ小指だけが、証拠だった。
両親が離婚したのは中学生の時だった。
家では会話すらなく、冷え切った夫婦関係だった。
それでも、外ではおしどり夫妻を気取って、仲の良いふりをしていた。
その様子は滑稽で、醜悪なものに見えた。
別れると聞いた時は、やっと茶番が終わるのか、と思った。
永遠の愛を誓ってもその程度なのだ
嫌なことがあった日。
苦しいことがあった日。
悲しいことがあった日。
努力が報われなかった日。
私はメールを作成する。
宛先人はいない。
誰にも届くことのないメールだ。
記録し続ける。
心の整理をするために、書き続ける。
誰にも相談できないことだから。
そのメールは遺書とどう違うのだろうか
瞳いっぱいに涙を溜めた少女と出会った。
手には壊れた花の髪飾り。
大切な物だったんだろう。
青年は手近に咲いていた花を手折り、少女の髪に挿してやる。
「貴女の美しさに花の女神も嫉妬したのだろう」と青年は言った。
「そういうことを言うのは、私の前だけにしておいてね」少女は頬を染める
春分を過ぎ、穏やかに春がやってきた。
変わりやすい天気をこまめにチェックする癖がついた。
朝と晩では天気予報が違うことも多い。
ふと天気予報を覗くと傘マークがついていた。
朝にはなかったものだ。
あの人は傘を持って出なかった。
濡れて帰って来るのだろうか。
途中で傘を買ったのだろうか
どれぐらいの時間が経ったのだろうか。
深夜のファミレスはBGMがうるさいぐらいだった。
最初に運ばれてきたお冷の中の氷は解けている。
汗のようにグラスについた水滴はテーブルを濡らしていた。
仕事が忙しい、というのは言い訳だということは分かっている。
寂しそうな顔をして君は笑った。
堂々と、両手に触れる。
お互いの手の大きさを競った。
子供時代は気にせずにできた。
背が伸びて、お互いの体つきも違ってきた。
すると、途端にできなくなった。
手を繋ぐことも、抱きしめあうことも。
簡単にできたことが、男女に別れるようになってからは難しくなった。
あの頃に戻りたいと思う
少女に出会って、ずいぶんの時間が経った。
神剣・神楽を振るうことが日常になりつつあった。
そろそろ決着をつけたいと青年は思った。
退屈な平穏に戻りたいと思った。
それを少女に教えたいと思った。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
青年は神剣・神楽を鞘を掴んだ。
今日も生き抜くために
-
自然と涙が零れるような、それはとても美しい光景でした。
夢見るような輝きが心の柔らかい場所を刺激します。
いつまで見ていても飽きない風景でした。
想い出が生まれる瞬間とはこんな時なんでしょうか。
忘れることなどできそうにありません。
これ以上、美しい光景に出会うことはないでしょう
-
願いは叶わない。
どれだけ強く願っても。願っているだけでは叶わない。
夢に向かって努力を続けた者だけに微笑むのだ。
虫のいいことだとは、分かっている。
それでも叶ってくれないかと思ってしまう。
心が折れそうだ。
願いが叶うまで、あとどれぐらいの努力が必要なのだろう。
ためいきが零れる
ふれるだけのキスは嫌いじゃない。
けれども、深くふれあうことができると知ってしまった今は、ちょっと物足りない。
二人がひとつになれる。
それがどんなに素晴らしいことか、気がついてしまった。
快楽に酔いそう。
早く二人きりになりたい。
照明を落として、お互いがふれあう瞬間を楽しみたい
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