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「 140文字の物語 」
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たったひとつの恋だったから、盲目になった。
彼のどんなところも美点に見える。
一緒に過ごすだけでも、心臓が破裂してしまいそうだった。
彼は私のどこを気に入ってくれたのか。
これといって美人じゃないし、性格だってよろしいとは言えない。
それなのに選んでくれたことが嬉しくて仕方がない
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久しぶりの二人の時間だった。
次に一緒にいられる時間を取ることができるのは、ずっと先だろう。
本当はもっと一緒にいたい。
でもお互いの夢を叶えるためには仕方がなかった。
近況報告をすると、それだけの間、離れ離れだったのだと気づかされる。
一通り話し終わると二人の間に静寂が訪れた。
夢に紳士が現れた。
シルクハットにステッキといういでたちでモノクルをしていた。
まさに紳士としか呼びようがない人物が会釈した。
神妙な顔をして「落とし穴にご注意を」と言った。
アラームが鳴り現実に引き戻された。
その日は夢の中にいるような気がしてぼんやりとしていると声をかけられた
どこにでもある言葉。
日常で交わされる言葉。
それが君が言うと違って聴こえた。
だから僕も君限定の魔法の言葉を言うよ。
君の耳元で優しくささやくと、君の頬はリンゴのように赤くなった。
まだ僕たちには早すぎる言葉だったのかな?
でも、いつももらってばかりだからお返しをしたかったんだ。
海は何度見ても、飽きがこない。
それは海が原初の母だからかもしれない。
生物の始まりは、この塩辛い水から始まった。
そして、生命の終わりもここで終わる。
灰になって、雲になって、やがて雨になる。
雨は海に注ぎ、還る。
寄せては返す波を見ながら、圧倒的な母の存在を覚える。
少女は満面の笑みを浮かべながら、少年の両手のひらを握る。
「大丈夫だよ」自分と異なる体温が不安を溶かしていくようだった。
「今まで、どうにかなってきたんだもん。これからもどうにかなるよ」
前向きな少女の言葉に、眠っていた勇気が湧いてくる。
独りじゃない。
それがこんなにも心強い。
「もう知らないんだから!」少女は癇癪を起こした。
「ごめん」少年は謝る。
「私がどうして怒っているか、わかってる?」
「ごめん。わからないや」少年の言葉に少女は俯いた。
二人の間に重い沈黙が降りる。
そのうち少女は力強く、少年の腕を指先でつつく。
「もう一回、謝ったら許してあげる」
一度目のキスは私からした。
だから二度目のキスは貴方からしてほしい。
逸る恋心を置き去りに、貴方はのんびりとコーヒーを飲んでいる。
貴方の部屋に上がったのだから、それ相応の覚悟をしてきた。
それなのに貴方はDVD選びに熱心になっている。
貴方のペースに振り回されている私は滑稽だろう。
ツイてない人生だと思う。
何が悪いとか、そういうことではなく。
ただタイミングが悪かった、としか言いようがない。
客観的に見ても不幸せな人生を歩んでいると思う。
そこに降って湧いた幸福。
望んでいなかった幸せを君が運んできた。
チャンスの神様ありがとう。
僕はこの幸せを永遠にするよ。
最近の彼は仕事、仕事、仕事。
土日も仕事を持ち帰り、仕事をしている。
「仕事と付き合えば?」と悪いくせがでそうになる。
不満をぐっと我慢する。
彼だって好きで仕事をしているわけじゃない。
彼が失職したら養えるほどのお給料をもらっているわけじゃない。
だから、諦めなきゃいけない。
夕暮れ時に十字路に立つと、運命の人出会える。
そんな噂がまことしやかに、囁かれていた。
まじないごとが好きな少女は好奇心いっぱいに十字路にやってきた。
人通りが少ない道のせいか、誰も来ない。
帰ろうとしたところに同級生がやってきた。
「珍しいね」少女は喜ぶ。
「鈍感」少年は言った。
今でも時々、夢の中にいるんじゃないかと思ってしまう。
僕が好きな君が僕の隣にいる。
そして僕のことを好きだと言ってくれる。
優しく君を抱きしめ、キスを交わす。
温かく柔らかな感触が現実だと告げる。
君を失う日が来るんじゃないかと、僕の心の振り子が揺れる。
一瞬でいいから永遠にしたい
「幸せになってね」別れの言葉としては切ない。
君がいない世界はモノクロームだ。
君が好きだから幸せなんて、なってやらない。
世界中の誰よりも不幸せになってやる。
それぐらい僕は君のことが好きだったんだ。
だから時計の針を戻して、初めからやりなおそうよ。
まだ一欠けらでも僕を好きなら
君は今日も一人抱えこんで泣いていた。
隠れるように部屋の片隅で。
そんなに僕は頼りがないのかな?
君をこんなにも想っているのに。
それが届かないのかな?
僕にとって君は二つとない宝物。
そんな僕を締め出して一人きりで泣くなんて。
君は大切にもさせてくれないの?
どんな君でも受け止めるよ
-
幸せだと思っていた。
それは信仰にも似た感情だった。
手放してしまったら、二度と手に入らない。
そんな感覚だった。
けれども砂上に築き上げた城が簡単に崩れ落ちるように、あっけなく真実を突きつけられた。
眼を背けたくなるような光景だった。
笑い話にもならない。
幸せはどこにもなかった。
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