君は優しく、僕の両手を握り締める。
少し冷たい手が柔らかに僕に別れを連想させる。
君が声をあげずに泣いているのは分かっていたよ。
僕もそうだったから。
いつまでも一緒にいたいと思ったのは、君が初めてだよ。
だから、君と離れ離れになるのはとても辛い。
もう二度と会えないかと思うと。
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思えば君とは、ずいぶんと一緒にいる。
永遠を誓い合って、死が二人を別つまで傍にいると約束した。
それも遠い記憶になりつつある。
君と過ごした時間は、どれも宝物のようだった。
ああ、君の顔がぼんやりとしてきたよ。
どれも大切な想い出だ。
そのくらいなら、持っていくのを許してくれる?
君から悲しさはやってくる。
わずかな喜びと共に。
君と僕は二重螺旋よりもつながっている。
僕が悲しむと、君も悲しむ。
僕が喜ぶと、君も喜ぶ。
まるで鏡を見ているようだ。
そんなに近い存在なのに、二人はひとつにはなれない。
その事実が僕を悲しくさせる。
君が連れてくる悲しみに今日も浸る。
君がいなくても平気だけど、物足りないと感じてしまう。
一緒にいればケンカばかり。
それなのに離れがたくて目が追いかける。
君がいない世界は、どこにでもある世界だけど。
空を見上げてしまう。
どこかで君とつながっていたい。
そんなセンチメンタルなことを考えてしまう。
君は何をしている?
君がいなくても平気だけど、物足りないと感じてしまう。
一緒にいればケンカばかり。
それなのに離れがたくて目が追いかける。
君がいない世界は、どこにでもある世界だけど。
空を見上げてしまう。
どこかで君とつながっていたい。
そんなセンチメンタルなことを考えてしまう。
君は何をしている?
放課後の誰もいない教室でキスをした。
初めてのキスはほんの一瞬、ふれただけのものだった。
それなのに柔らかな感触と肌がふれあったという事実に、心臓がドキドキした。
目を開けると、間近に顔があった。
それが余計に鼓動を早くする。
恋人同士のキスはこんなに心躍るものだと知った。
離れがたかった。
それでも違う道を歩いていくと決めた。
僕は優しく、君の指先を両手で包む。
何度もつないだ手を離すのは、身を引き裂かれるように辛かった。
それなのに君は微笑んだ。
何もかもを知った表情だった。
だから、僕も微笑むことができた。
再会の予定すらなかったけれども、笑えた。
「恋人になりたいだけなんですけど、どうしたらなれますか?」と唐突に問いかけられた。
「君は誰?」僕は尋ね返した。
初対面のはずの人物だ。
いくら人の顔を覚えるのが苦手でも、それぐらいは分かる。
「初めまして。電車の中では毎日、顔を合わせていますが。それで恋人にしてくれますか?」
自由を手に入れたのに、なんだか少し寂しい。
君と会うことはもうないけれど、それが感傷的にさせているのだろうか。
君と過ごした日々は、無駄ではなかった。
そう思いたかったのかもしれない。
あれだけ束縛されて窮屈さを感じていたのに。
それが懐かしく思うんだ。
やっと欲しかった物なのに。
この気持ちは君にどこまで届いている?
確認しなきゃ不安になる。
僕が君を好きで、君も僕が好き。
それを何度も確かめ合ったけど、怖くなる。
僕が一方的に君を好きなのかもしれないと。
僕の気持ちが重すぎて、いつか君を押しつぶしてしまうかもしれない。
君は一生一度の人だと分かったから。
オムレツはふわふわの卵に覆われていて美味しかった。
自分で作るとぼそぼそとした食感のものが出来上がる。
同じ材料を作っているのに、この差は何なんだろう。
青年は少女の作ったオムレツを食べながら思う。
神剣・神楽を押しつけられた時は想像もしてみなかった。
少女との日常を守ると誓う。
海は生命の根源だ。
寄せては返す波にはしゃぐ少女をしり目に、青年は落ちていた枝を拾う。
青年は浜辺に線を引く。
少女とは違う世界に属しているように。
まるで境界線だった。生命は終焉を迎えると、灰になり、煙になり、雲になり、雨になり海に還る。
それが青年には恐ろしいのかもしれない。
君と過ごす春夏秋冬は特別なものでした。
かけがえのない、とはこういう時に使うのでしょうか。
共にあれた時間は幸福の詰め合わせボックスをもらっていたようでした。
どんな記憶も君がいました。
それはとてつもないほどの幸運だということを今になって知りました。
宝物として取っておきます。
出会いは別れの始まりと言う。
いつかは終わりが来るのだろうと覚悟していた。
一日一日を大切にしてきた。
笑顔でお別れが言えるように準備していた。
いつまでも一緒にいられるわけじゃないと知っていた。
それでもこんな終わり方なんて、望んでない。
もっと希望に満ちたサヨナラを願っていた。
今時、門限がある家はどれぐらいあるのだろう。
寄り道せずに帰る子供はどれぐらいいるのだろう。
課題にチェックを入れられる家庭はどれぐらいあるのだろう。
携帯電話の履歴を確認される子供はどれぐらいいるのだろう。
私の両親はめんぐくさいひとたち。
一つ一つをチェックする。
自由が欲しい