好きだったのは、嘘じゃないけど。
それ以上に大切なものができてしまったのです。
貴方はいつか去り行く人だと知っていて、お互いに恋に落ちました。
お飯事みたいな恋だったかもしれない。
手すら繋がかなくても瞳を交わせるだけで良かった。
忘れることのできない私の初恋。
終わりが来たのです
僕の小指と君の小指には赤い糸が繋がっていると信じていた。
ある日、興味本位でこんがらがっていた糸を解いた。
きっと真っ直ぐに繋がっていると思っていた。
君が涙をためて別れの言葉を切り出すまで。
絡んだ糸は解けてしまった。
最初から僕の小指と君の小指には赤い糸は繋がっていなかった。
一緒に夜空を見上げて夢を語ったね。
君の瞳は空に輝く星よりキラキラと輝いていた。
僕といえば、そんな君を見ているだけだった。
君が夢を叶えるために街に出ていくのを「元気で」と見送った。
今頃、君はどうしているのだろう。
まだ夢を追いかけて街で頑張っているのだろうか。
星空を見上げた
あれだけ「落とし穴にはご注意を」と言われていたのに。
まんまと落とし穴にはまってしまった。
しかも一人では出られないようだ。
見ているだけでも充分だった恋心は深い落とし穴になってしまった。
好きになりすぎてあがけばあがくほど落とし穴は深くなっていくようだ。
だから僕を助けて欲しい
善意と下心がミックスされた気持ちで少年は少女の家まで送り届ける。
並んで歩いていると恋人同士に見えるだろうか。
「夜が暗い理由、知ってる?」少年の問いに少女は「さあ?」と興味なさそうに答えた。
少年は少女の頬にキスをした。
「人に見られないためだよ」
「バカ」少女は鞄で少年を叩く
洗濯物を干す。
この陽気なら夕方までには乾くだろう。
室内に入ると肌寒いぐらいに空調が効いていた。
昼寝をしている君がいた。
音をたてないように気をつけながら、近づく。
そっと、腕を指先でなぞる。
自分とは違う健康的に焼けた肌と異なる体温にドキリとする。
この腕に抱きしめられている。
君は本当は泣きたいくせに、意地っ張り。
平気そうに装っているけれど、声が震えているよ。
僕なんかじゃ、君の涙を受け止められないと思っているのかな。
僕の前では素直になってもいいんだよ。
君が泣いていたことは誰にも話さないから、大丈夫。
胸を貸す準備もできている。
だから泣いていいよ
隣の席の男子は堂々と居眠りをしている。
体育の後の国語の授業だから仕方がないのかもしれない。
クーラーが良く利いた教室内ではそこかしこで見られる光景だ。
定年間近な先生が男子を指す。
嫌々ながらも、無防備に机からはみ出した手のひらを指先でつつく。
男子は目を覚まして立ち上がった。
寝る前にお話をしてくれるのが嬉しかった。
だいたい最後まで聞くことはできずに眠ってしまう。
優しい声音とあたたかな温もり。
それを感じながら寝るのは飛び切り素敵なことだった。
物語をもう一度、とねだったのは嵐の夜だった。
話が終わっても眠れなかったのだ。
優しい声は新たな物語を紡ぐ
昔は夜が怖かった。
日が暮れると同時にやってくる暗闇におびえた。
そんな怖がりな自分に幼馴染みは根気良く付き合ってくれた。
鳥の羽ばたきにビックリして立ち止まる。
そんな私に幼馴染みは腕を差し出した。
仕方なく、その腕にしがみつく。
家の前まで送ってもらった。
それも今では笑い話だ。
昔は夜が怖かった。
日が暮れると同時にやってくる暗闇におびえた。
そんな怖がりな自分に幼馴染みは根気良く付き合ってくれた。
鳥の羽ばたきにビックリして立ち止まる。
そんな私に幼馴染みは腕を差し出した。
仕方なく、その腕にしがみつく。
家の前まで送ってもらった。
それも今では笑い話だ。
「たとえばの話をしようか」と僕は言った。
君は瞳をキラキラさせた。
「君は隣国のお姫様。僕はしがない男爵の三男坊」
「それで?」
「お城の舞踏会で偶然出会った」僕は君の瞳を真っ直ぐ見つめる。
「二人は一目で恋に落ちた」声のトーンを落とす。
「身分違いの二人は手に手を取って逃避行」
僕は鈍感だから、君の涙を見るまで気がつかなかった。
零れる涙が純粋に美しいと感じた。
早まる鼓動に驚きながら、ハンカチを差し出した。
君は静かに受け取り、涙を拭う。
それでも止まらないから、あっという間にハンカチはお払い箱になってしまった。
「ごめんなさい」小さく君は僕に謝った。
君の幸せを願っている。
それと同時に君と幸せになる人物を妬んでいる。
どうして僕ではダメだったのだろうか。
その答えは出ない。
僕はこんなにも君を愛しているのに足りなかったのだろうか。
白いドレスに身をまとった君は美しい。
幸せの絶頂なのだろう。
僕が見たことのない笑顔を浮かべていた