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「 140文字の物語 」
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同胞殺しの妖刀が使い手を選ぶ基準は『愛』だという。
少女はひどくすまなそうな顔をして言った。
不幸にも愛された青年は寝ぐせの残る頭をかく。
殺し合いをするために作られた妖刀の『愛』とは生命の奪うことなのだろうか。
青年は神剣・神楽を見つめる。
どんな理由にしろ、今日も戦うだけだ。
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制服に袖を通す。
周りの子に差をつけたくて、改造する女の子たちもいる。
私にはよく理解できないことだった。
受験をする前に、どんな制服を着るか分かっているはずだ。
あえて着崩す理由が不思議だった。
誰かの目に留まりたくって、違いをつけるのだと知った。
みんなとは別なのだと主張する。
出会いは、別れの始まりだという。
今まで色んな出会いがあった。
その数だけ、別れがあった。
徐々に離れていく別れもあれば、綺麗さっぱりと会わなくなる別れもあった。
できるだけ一緒にいたいと思っても、その願いが叶うことは少ない。
別れがやってきた。
こんな終わり方なんて、望んでいない
神剣・神楽の律動は、まるで戦いへの序曲のようだった。
音楽のように歌う。
それは死出へのいざないのようだ。
青年は神剣・神楽を見据える。
それから中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶと神剣・神楽を掴む。
生きて帰ってくる保証はないけれども、これは自分自身が選んだことだ。
最後まで貫く
僕は君に恋する前は無敵だった。
怖いものは何ひとつなく、いつだって強くなれた。
それが今や、君を失うことが怖くなった。
僕の弱点イコール君だ。
君が悲しい顔をしていればハラハラする。
君が笑顔だったら僕まで笑顔になる。
自分でも気味が悪いぐらい、君のことを好きになってしまった。
君と別れてから、季節が一つ巡った。
僕の心はいまだに傷だらけだ。
僕は確かに君を愛していたのに、君は違ったようだった。
ボタンを掛け違えてしまったように君の気持ちは変わってしまったようだった。
それが悲しかった。
それでも僕は僕の人生を歩んでいかなければならない。
少し寂しいけれど
君は僕の愛情を確かめようにする。
好きだ、って言ったら逃げるくせに。
僕の愛情を図って安心しようとする。
僕は何回だって「君が好きだよ」と告げる。
その度、君は恥ずかしそうに「冗談はやめてよ」と困ったような表情を浮かべる。
訊いてきたのは君なのに変な構造だ。
それでもそんな君が好き
いつも勝気な少女が涙に暮れていた。
こんな時、どんな言葉をかければいいのか分からない。
傍に寄り添って涙を見つめるだけだった。
華奢な肩を抱き寄せて、涙を拭えばいいのだろうか。
少年は無理矢理、少女の指を折れんばかりに握る。
悲しみが過去になってしまえばいいのに、と願いながら。
嫌いでも、好きでもなかった。
付き合っている人もいなかったし、特に好きな人もいなかった。
告白されてOKを出した。
一緒にいるうちに好きになれるかもしれない。
そんなことを考えていた。
季節が通り過ぎる度、違和感を覚えた。
選択が間違っていることを知った。
だから最後に悪役ぶって振った
-
贅沢は言わない。
君が生きてさえいてくれるのなら、それだけで幸せだ。
僕の手が届かないところであっても、僕の目に映らないところであっても。
君が確かに生きているというシグナルを発信してくれたのなら、それだけでいい。
僕は君が好きだから、君が今も存在しているというだけで充分だ。
君は心の中で輝く一等星。
凍える夜に見上げるのに、ちょうど良い。
手を伸ばしても届かない。
星が欲しいと泣く子供のように、君が欲しいと僕は思う。
君は孤高の存在だから、凛とした横顔を見るばかりだ。
どうすれば君が手に入るのだろうか。
そんなことを考える。
君は決して僕に振り返らない。
砂糖を煮詰めた甘さの君に、今日も窒息しそうになる。
君が施してくれる優しさはカラメルの味。
甘いだけではなく、ほろ苦く、口の中で溶けていく。
僕はそんな甘さを一口ずつ味わう。
君は僕のことを思って、時折り厳しいことを言うけれども、元は砂糖だからか心に響く。
僕はそんな君に溺れる。
「好きだ」と告白された。
嫌いな相手ではなかったけれども、意識をしたことがない男子生徒だった。
彼氏いない歴が歳と同じだから、付き合うことにOKした。
友達みんなが彼氏持ちだから、私も欲しいと思っていたところだった。
付き合っていくうちに、きっと好きになるだろうと考えていた。
ただ単に死んでいないだけ。
生きている理由なんて、そんなもの。
毎日、同じことのくりかえし。
単調なタスクをこなして、布団にもぐりながらためいきをつく。
今日が終ることに感謝しながら、明日がくることにおびえている。
恵まれた人生だと思う。
けれども焦燥感を覚える。
大きく息を吸いこむ
家に帰ってきて、スマホを見る。
メールひとつないことに茫然としてしまった。
くたくたになって疲れて帰ってきても労いの言葉がない。
仕事が佳境に入っているのは分かるけれども、寂しくなる。
学生時代はきちんと祝ってくれたから、余計にそう感じるのかもしれない。
無性に声が聴きたい。
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