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「 140文字の物語 」
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口説きに口説いてようやく口説きをとしたクラスメイトとのデート。
お付き合いはいったん置いといて一緒に遊ぶような友達から。
そう言われたから、張り切っていた。
良いところを見せて彼氏に昇格したい。
それなのに習慣ほど怖いものはない。
ランチの時にいただきますと手を合わせてしまった。
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自分の『恋』はドラマやゲームの中にしかないと思っていた。
身近な友だちに恋人ができて祝福はしたけれど、よく分からなかった。
自分以外の誰かを想って、その人のためになりたいと思う。
その行動パターンが謎だった。
そんな自分にも春が訪れた。
真っ白な封筒が『恋』へと誘う招待状だった。
「朝なんて来なければいいのに」傍らのぬくもりが言った。
小さな呟きだから聞かせるつもりがなかったのだろう。
「ずっと、夜だったら仕事に行けないよ」と言うと「ごめん、起こした?」謝られた。
答える代わりにぎゅっと抱きしめた。
「もっと一緒にいたいな」胸の中で微かに本音を零された。
夜更けに、月に誘われるように庭に出た。
つい先日までコートが必要だったとは思えない。
煌々と輝く晧い月は世界を静寂にいざなうようだった。
そよと吹く風は南風で、肌を優しくなでていく。
まばらな星を線で繋げて星座を見る。
なんて美しい光景なのだろう。
昼間とは違う景色にうっとりする。
少年は背も高く、整った顔立ちをしている。
成績も悪くないし、運動神経も切れていない。
性格も温厚で、人望も厚い。
お隣さんは完璧すぎる学園の王子様だった。
そんな王子様の隣にいる私はお姫様じゃない。
帰り道「どうしたの?」と心配そうに訊かれた。
「そういうところも大嫌い」私は言った
明るく元気な少女はどこへ行っても可愛がられた。
気を引こうと意地悪する連中から守るのは自分の役目だと少年は思っていた。
幼稚園から高校まで一緒の進路を歩んできた。
少女は鈍感なのか、少年の想いに気がつかない。
少年も一歩の勇気が踏み出せなかった。
口唇にふれたいと思っているのに。
王を止めることができたのは、この世でただ一人だけ。
美しい姿の中に聡明な魂を宿した娘。
隣国から嫁いできた王妃だけだった。
王が隣国の舞踏会で見初めた娘。
爵位は低いものの隣国で大切にされていた家の令嬢だった。
無理やりな形で王は娘を連れ帰った。
そんな王妃も病には勝てなかった。
最初は面倒事に巻きこまれたと思った。
平穏が崩れ去り、非日常が日常に移り変わった。
生命のやり取りをして、じわじわと自滅していく。
同胞の数は減る一方だった。
青年は神剣・神楽を前に問いかける。
妖刀からは答えは返ってこなかった。
最後まで戦うと決めたのだ。
無言の少女との約束だった
「お弁当を作ってくれるのは嬉しいけど、全体的に茶色なんだよね」男子生徒が言った。
「そんなことを言うなら、もう作ってあげない」女子生徒が頬を膨らませる。
「ごめん、ごめん」と男子生徒が謝りながら、こちらを見た。
「先輩は購買ですか?」可哀想な目で見られた。
「黙れバカップルが」
好きになった人には、好きな人がいた。
その姿に恋をした。
初めから実ることのない恋だった。
好きな人が片想いをしている様子を好きになるのは、複雑な気分だった。
自分のことを好きになってほしい気持ちがないわけではない。
もたもたしているうちに、好きな人は勇気をもって告白したらしい。
「嫌い、って言ってよ」最愛の少女が涙ながら言った。
「そんな嘘をつけないよ」少年は言った。
「だって、これ以上、私たちの行き場所はないのよ」少女は俯き、涙を零し続ける。
「だからといって嫌いになれないよ」少年は本心を言った。
二人は離れ離れになる運命だ。
どれだけ好きでも覆せない
-
「好き」という感情はどこからやってくるのでしょうか。
こんなにも幸せになる気持ちは、どこから生まれてくるのでしょうか。
貴方を好きになってから、世界が違って見えるようになりました。
繰り返しのような単調な生活を彩ってくれます。
貴方に会える。
それだけで明日が素晴らしく思えます。
晩ご飯はカレーだ。
ことことと材料に火が通って味付けをする段階に入った。
そこでカレールウがないことに気がついた。
火を止めて、慌ててコートを羽織る。
財布を握りしめ、コンビニに向かう。
お目当ての物はすぐに見つかった。
24時間、困ったときの強い味方。
でも休まなくて平気なのかな。
お会いしたのは初めてでしたね。
ネット越しでは饒舌な二人でしたね。
でも、実際会ってみると途切れ途切れの会話になってしまいます。
私が緊張しているように、あなたも緊張しているのでしょう。
もどかしい気分になります。
誠実な人柄に好きが降り積もっていきます。
無理やり奪って、今すぐに
明かりの中、手のひらをじっとみる。
肉刺もない綺麗な現代人の手だった。
少女と出会う前と変わらない。
神剣・神楽の治癒力に驚く。
成り行きとはいえ自分で選んだ道だ。
後悔はしたくない。
少女の期待を裏切りたくない。
それぐらいには少女への気持ちは大きくなっていた。
だから、と決意する。
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