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「 140文字の物語 」
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夜空を彩る流星群は宇宙の鼓動のようだ。
空を見上げて流れ星の数を数える。
一年に一度の星空だから、心も揺れ動く。
それに今年は一人ではなく、二人だ。
君はどんな願い事をしているのだろうか。
一心に空を見上げている。
流れて塵になる星は己のことだけで精一杯だろう。
願いは叶うだろうか。
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たった一言だ。
今日も伝えることができなかった。
器用なのに言えない私と、不器用だから気付かない貴方。
言ってしまえばどれだけ楽になるだろう。
でも、今の居心地の良い関係は崩れてしまう。
貴方が気付くまで言わないでおこうか。
そんなことを考えてしまう。
私たち二人はずっと曖昧な関係だ
勝った方が負けた方に好きなことを命じることができる。
他愛のない賭け事だった。
でも、願い事があれば勝負事は過熱するものだ。
是非とも勝ちたい。
勝利の女神は微笑んでくれるだろうか。
表情を崩さずにカードを引く。
小さな子供でも分かるババ抜き。
ジョーカーを引いてしまった。
僕は泣きそうになりながら、君の両手を握る。
君の優しさにつけこむようで嫌だった。
何度、君の優しさに救われただろう。
今度こそは、と思っただろう。
永遠に近づくために約束を重ねる。
果たされなかった約束の残骸を過去に置いてきただろう。
それでも新しく約束をする。
未来を見るために。
今日も朝日が昇ってきた。
お別れの時間が迫ってきている。
夜にしか会えないから、朝がやってくるのは嫌だった。
もっと傍にいたい。
もっと一緒にいたい。
離れたくない。
駄々っ子のように、心は我が儘を言う。
それなのに、起こすために体を揺すり、声をかける。
まるで逆さまなことをする。
二人は無言で歩く。
重なる足音。
重なる影。
そんな静かな帰り道もいいもんだ。
沈黙は重くなく、二人の絆を確かめるようだった。
夏の終わりの風に吹かれて、蝉の鳴き声を聞きながら、ただ歩く。
話しかけたら魔法が解けてしまう。
世界の中、二人きりだということを満喫したい。
だから口を結ぶ。
水仕事が楽しい季節になった。
ふわふわの泡を作って、皿を洗う。
見事完食された皿を見ながら、思わず頬が緩む。
作り甲斐があるというものだ。
次はどんな料理を作ろうか。
好物は何だろう。
そんなことを考えていたら、皿は洗い終わってしまった。
水を切り丁寧に布巾で皿を拭く。
それすら楽しい
君は「見守って」と言った。
「守って」じゃない。
「見守って」と確かに言った。
言葉は呪縛になる。
どれだけ傷ついても助けることはできない。
僕に任されたのは、最後まで見守る勇気。
どうしてそんな冷酷なことを言うのか分からない。
二人だったら簡単に乗り越えられることができるだろうに。
-
意味も分からずに目を伏せる。
誰もが沈黙してその時を過ごす。
ああ、蝉の鳴き声が耳を打つ。
こんな暑い日に、影になった人たちがいるのか。
季節は秋を迎えているというのに喉がからからに乾く。
汗が背を伝う。
会ったこともない人たち全てに捧げる。
それは祈り。
二度と繰り返してはいけない。
-
君はたった一人の君だということに気がつくのが遅かった。
どれほど歳月が流れたとしても、僕の唯一無二は君だ。
君を失った世界で僕は茫然としている。
君が隣で笑っているのが当たり前すぎた。
僕の中が空っぽになってしまったようだ。
君がいないというだけで、こんなに辛いなんて知らなかった
思えば、君のことばかり追いかけていた。
君の背中ばかりを見ていた。
君の声ばかり耳を傾けていた。
僕の全ては君で構成されていた。
想いは叶わないと知っていた。
告白をしなくても幸せだった。
今から考えれば青春を満喫していたのだろう。
君という存在があるだけで嬉しかった。
後悔はない
「僕のこと好き?」当然と言った顔で言うから「嫌い」天邪鬼になってしまった。
向日葵のように陽気な笑顔が崩れる。
「そっか。ごめんね」君は泣きそうな顔をする。
簡単な嘘くらい見抜いてよ。
こんなに一緒にいるのに嫌いなわけないじゃないか。
「その反対」
「好きってこと?」君の瞳が輝く。
君は青空のようにくっきりとした笑顔を浮かべた。
だからだろうか心がざわついた。
太陽よりも明るい笑顔だというのに、消えてしまうんじゃないかと不安になった。
夏が見せた幻のように感じた。
まるで儚い夏のようの象徴のように思えた。
いつの日か想い出になって、アルバムにおさまるような。
君のことは好き、時々不安。
君は風船のように手を離した瞬間、どこかへ飛んで行ってしまうような気がする。
捕まえておけないような感じがする。
わずかな風でふらふらと揺れて、僕の心をかき乱す。
風船の中身は好きだけ詰まっているわけじゃない。
僕の不安も混じっている。
飛んでいかないで。
-
「終わりが怖いの」と君は言う。
出会いと別れはワンセット。
でも、いつかやってくる『サヨナラ』を怯えていては、恋はできない。
今、こうして出会えた幸運を堪能しようじゃないか。
君と出会えたことは無駄じゃない。
こうして二人で過ごす時間は大切で、愛おしい。
だから二人の恋を始めよう。
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